「特定求職者雇用開発助成金」とは? 職場定着で助成が受けられます

カテゴリ:コラム 投稿日: 2018.5.9 tag: ,

平成26年度卒業の新卒生の就職後3年以内での離職率は、高校卒業生で40%、大学卒業生で30%を超えています。このような高い水準は過去数十年近く続いており、新卒採用におけるリスクとして問題視されています。こうした状況を踏まえて、特定求職者開発助成金の3年以内既卒者等採用定着コースでは、新卒採用後に一定期間定着させた事業主は助成金を受けることができます。今回は、3年以内既卒者等採用定着コースの要件や支給額について、詳しく解説します。

特定求職者雇用開発助成金とは

特定求職者雇用開発助成金は、条件を満たした従業員を新たに雇い入れる事業者に厚生労働省から支給される助成金です。特定求職者雇用開発助成金には以下のようなコースが存在します。

  • 学校等の既卒者、中退者が応募可能な新卒求人・募集を行い、新たに雇い入れる場合の3年以内既卒者等採用定着コース
  • 高年齢者・障害者・母子家庭の母などの就職困難者を雇い入れる場合の特定就職困難者コース
  • 65歳以上の高年齢者を雇い入れる場合の生涯現役コース
  • 発達障害者または難治性疾患患者を雇い入れる場合の発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
  • 障害者を初めて雇い入れる場合の障害者初回雇用コース
  • 長期にわたり不安定雇用を繰り返す者を雇い入れる場合の長期不安定雇用者雇用開発コース
  • 自治体からハローワークに就労支援の要請があった生活保護受給者等を雇い入れる場合の生活保護受給者等雇用開発コース

本記事では、「3年以内既卒者等採用定着コース」を詳しく取り上げます。

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助成金の要件

平成29年5月1日以降に雇い入れた場合の要件は以下のようになっています。

2つのコースの支給要件

3年以内既卒者等採用定着コースの助成金には、既卒者等コースと高校中退者コースの2コースが存在し、それぞれ異なる要件が設定されています。

  • 既卒者等コース
    1.既卒者・中退者が応募可能な新卒求人の申込みまたは募集を行い、当該求人・募集に応募した既卒者・中退者を通常の労働者として雇用したこと(少なくとも卒業または中退後3年以内の者が応募可能であることが必要です)

    2.これまで既卒者等を新卒枠で雇い入れたことがないこと

  • 高校中退者コース
    1.高校中退者が応募可能な高卒求人の申込みまたは募集を行い、当該求人・募集に応募した高校中退者を通常の労働者として雇用したこと(少なくとも中退後3年以内の者が応募可であることが必要です)

    2.これまで高校中退者を高卒枠で雇い入れたことがないこと

    なお、ここで言う「新卒求人」とは、学校等を卒業または修了することが見込まれる者が応募できる求人を指します。また、「通常の労働者」に当てはまるには、直接雇用でかつ期間の定めがない無期雇用であり、アルバイトなど社内の他の雇用形態の労働者に比べてより責任や裁量を持った業務に従事していると認められる必要があります。

対象となる求職者

対象となる求職者には以下のような要件がありますが、いつ卒業・修了したか、中退したかについての要件はなく、また年齢に関する規定もありません。

  • 上述の「通常の労働者」としてこれまで同じ事業主に引き続き12か月以上雇用されたことがないこと。アルバイトのみの勤務経験であればこの要件に当てはまります。
  • 中学校以上の学校、専修学校、各種学校、外国の教育施設の卒業者か中退者であること。もしくは、公共職業能力開発施設や職業能力開発総合大学校の職業訓練の修了者か中退者であること。

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支給金額

対象となる求職者を雇い入れ、合わせて要件を満たした場合、働き始めてから1年後、2年後、3年後に助成金の支給を受けることができます。以下の表にある通り、支給額は企業の規模と対象コースによって異なります。既卒者等コースと高校中退者コースでそれぞれ1名が助成の上限です。

 

企業区分

対象者コース名 

1年
定着後 

2年
定着後 

3年
定着後 

中小企業

 既卒者等コース 

 50万円(※)

 10万円 

10万円

高校中退者コース

 60万円(※)

10万円

10万円 

それ以外の企業

 既卒者等コース

35万円(※)

なし

なし

高校中退者コース

40万円(※)

なし

なし

※がついているものについては、若者の採用と育成に積極的な「ユースエール認定企業」として厚生労働大臣の認定を受けている企業であれば、さらに10万円が加算されます。
なお、ここでの中小企業の定義は以下の通り業種ごとに異なりますのでご注意ください。

  • 小売業・飲食店の場合、資本金もしくは出資の総額が5千万円以下または常時雇用する労働者数50人以下
  • サービス業の場合、資本金もしくは出資の総額が5千万円以下または常時雇用する労働者数100人以下
  • 卸売業の場合、資本金もしくは出資の総額が1億円以下または常時雇用する労働者数100人以下
  • その他の業種の場合、資本金もしくは出資の総額が3億円以下または常時雇用する労働者数300人以下

 

必要な申請書類

1年定着後に最初の助成金申請を行い、以下の書類を各都道府県労働局に提出します。この他にも必要書類が求められることがあります。

  • 対象の求人・募集がわかる求人票または募集要項等
  • 対象労働者との労働契約について確認できる書類またはその写し(雇用計画書など)
  • 対象労働者の卒業や退学の事実およびその時期が確認できる書類(卒業証明書など)
  • 誓約書
  • 対象労働者の支給対象期中の出勤状況が確認できる書類
  • 対象労働者に対して支給対象期間中に支払われるべき賃金について支払ったことが確認できる書類

ユースエール認定企業として申請する場合、認定通知書の写しも合わせて提出します。2年定着後、3年定着後の助成金申請時には、支給決定通知書と上記のうち一番下の2つの書類を提出します。

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まとめ

特定求職者雇用開発助成金は、事業者が過去の就業形態や離職状況、学校等の卒業時期等にとらわれることなく、求職者の様々な面を見て雇用を決定するためのものです。助成金の要件を十分に理解することは必要不可欠ですが、この助成金を機会に企業の採用の多様化を進めてみてはいかがでしょうか。

 

生産性向上に向けて設備投資を行うためには

厚生労働省が定める助成金は、返済不要の給付金のため財源の調達として非常に有用な手段です。特に、生産性の向上など、企業にとってもメリットのある要件を満たした場合の助成金は、積極的に利用する価値があるものです。

somu-lierでは、厚生労働省が定める雇用関係の助成金のうち、生産性の向上に関わるものについて整理した資料を作成しています。是非、本資料を参考に、助成金の活用についてマスターしましょう。

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