入社手続きは万全ですか? 採用時に必要な書類について解説

カテゴリ:コラム 投稿日: 2018.4.11 tag: , ,

従業員を新たに採用した際、労働者名簿の作成や社会保険への加入などの手続きを行うため、必要な情報を書類によって提出してもらう必要があります。必要な書類は会社に応じて変わり、漏れなく提出してもらうためにも、それぞれの書類の性質をきちんと理解しておくことが適切な労務管理への近道になります。今回は、従業員の採用時に必要な書類の一覧、それぞれの特徴について解説します。

書類や番号の収集

新たに社員を雇用したら、まずは手続きに必要な書類や番号を収集しましょう。

源泉徴収票

前職がある社員の年末調整の際に参照するため必要です。新たな従業員が退職時に前の職場から受け取っているので、それを提出してもらいましょう。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

年末調整の際に参照するため必要です。配偶者や子供の有無に関係なく、すべての従業員に提出してもらう必要があります。

雇用保険の被保険者番号

雇用保険の被保険者番号は雇用保険被保険者証に記載があります。新たな従業員が退職時に前の職場から受け取っているので、それを提出してもらいましょう。紛失した場合は、ハローワークで再発行を申請することができます。また雇用保険の被保険者番号がわからなくとも、前職の会社名がわかる書類があれば生年月日や氏名とともにハローワークで検索して調べてもらえます。

マイナンバー

マイナンバーとは社会保障・税・災害対策などの各種手続きの利便性を高めるために導入された個人番号で、原則的に一生にわたって同じ番号を使います。入社時に必要とされる様々な書類でマイナンバーの記載が必須となっています。具体的には、雇用保険に加入する時や健康保険・厚生年金加入時、また年末調整時に必要となります。配偶者が国民年金第3号被保険者となる時や扶養家族がいる場合はその家族のマイナンバーも必要ですので、従業員の番号と一緒に収集しましょう。なお、20歳未満の労働者を新たに雇用する場合は将来の年金の資格取得時にもマイナンバーを用いることになります。

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労働者名簿への追加

労働基準法の取り決めにより、労働者名簿には以下の項目を記入しなければなりません。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 履歴
  • 性別
  • 住所
  • 従事する業務の種類
    常時30人未満の労働者を使用する事業は記載する必要がありません
  • 雇入の年月日
  • 退職の年月日及びその事由
    退職の事由が解雇の場合には、その理由も記載する必要があります
  • 死亡の年月日及びその原因
    該当する場合こちらも記載する必要があります

入社時には採用者の上記のような情報を集めて、既存の名簿に記載する必要があります。労働者名簿は後述する雇用保険に関する手続きの際にも必要です。

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社会保険(健康保険・厚生年金)資格取得

健康保険・厚生年金保険に関する手続きは会社(事業所)が行い、その事業所において常時使用される人はすべて被保険者となります。被保険者となるかどうかの判断は、国籍や性別、賃金の額等にかかわらず、常時使用されているかどうかで決まります。なお、新たに雇用する人が70歳以上の場合は、原則として健康保険にのみ加入します。新たな従業員が現時点で年金受給者であっても、加入要件を満たしていたら届出をしなければなりません。

「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」の提出は、雇用してから5日以内に事業所の所在地を管轄する年金事務所に郵送で行います。オンラインでの電子申請(e-Gov)や窓口持参も可能です。

手続きの際には、年金手帳に記載されている基礎年金番号が必要でしたが、現在では代わりに個人番号(マイナンバー)の提出が求められています。新たな従業員にあらかじめ番号を提出してもらっておきましょう。また、新たな従業員の配偶者や子どもが扶養に入っている場合は「健康保険被扶養者(異動)届」も一緒に提出しなければなりません。さらに、新たな従業員の配偶者が国民年金の第3号被保険者となる場合には「国民年金第3号被保険者資格取得・種別変更・種別確認(3号該当)届」も一緒に提出します。

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雇用保険資格取得

労働者を雇用する企業(事業所)は、農林水産業の一部を除いてその業種・規模等を問わず、雇用保険に加入する手続きを行わなければなりません。雇用保険の適用企業は、以下のような雇用保険の被保険者の要件に該当する人を新たに雇った場合、雇用保険法にしたがって届出が必要となります。

  • 31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者
  • 1週間の所定労働時間が 20 時間以上である者

新たな労働者が働き始めて被保険者となった月の翌月の10日までに、事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。こちらも「e-Gov」での電子申請が可能です。

過去に雇用保険の被保険者資格を有していた従業員の場合は、雇用保険被保険者証に記載されている雇用保険の被保険者番号もしくは前職の会社名が必要です。あらかじめ従業員から聞き取りを行っておきましょう。

この届出をすると、ハローワークからは「雇用保険被保険者証」、「雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」、「雇用保険被保険者資格取得確認通知書(事業主通知用)」が交付されます。前2者の保険証と通知書は当該の労働者へ必ず渡し、事業主用の通知書は事業者側で大切に保存しておきましょう。

なお、「雇用保険被保険者資格取得届」提出時には以下の添付書類の提出も求められることがあります。

  • 賃金台帳
  • 労働者名簿
  • 出勤簿(タイムカード)
  • 他の社会保険の資格取得関係書類
  • 雇用期間を確認できる資料(雇用契約書など)

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住民税に関する届け出

住民税の納税方法には「普通徴収」と「特別徴収」があります。

  • 普通徴収
    納税者が自分で市区町村に住民税を納税する方法です。
  • 特別徴収
    企業が従業員の給与から住民税を差し引いて、その金額を納付するという方法です。

「普通徴収」から「特別徴収」に切り替えた場合にのみ、会社側に手続きが発生します。この場合、新たな従業員は居住している自治体に「普通徴収から特別徴収への変更依頼書」を提出します。そうすると、会社へは「納税通知書」が送られてきますので、給与から定められた納税額を毎月控除し、納付する手続きを取りましょう。

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まとめ

新たに会社に加わったメンバーがスムーズに仕事が始められるよう、万全の事務手続きを行いましょう。特に各書類の提出締め切りが異なる点には注意が必要ですが、できる限り早めに手続きを済ませるよう心がけることが大切です。

 

優秀な人材の内定辞退を防ぐために

人材採用は、会社が成長していく上で最も重要な施策のうちのひとつです。しかし、現在は大企業志向の学生が大半を占め、新卒採用市場は優秀な人材を獲得できた勝ち組企業と、そうでない負け組企業の「二極化状態」に陥っています。実際、「優秀な学生の内定辞退をなんとか食い止めいたい…」という悩みの声も後を絶ちません。

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