大幅な残業削減の弊害? 各地で持ち帰り残業が急増中

カテゴリ:クローズアップ 投稿日: 2018.3.6 tag: , , ,

働き方改革により長時間労働の削減が叫ばれる中、大幅な残業削減によって勤務時間内に仕事が終わらないケースが増加しています。多くの場合こうした事態は自宅やカフェなど社外で残業を行う「持ち帰り残業」へとつながり、このような状況が蔓延してしまえば働き方改革は形骸化するばかりです。今回はそんな持ち帰り残業について、労使双方にとってのリスクと、持ち帰り残業を生まないための対策を解説します。

持ち帰り残業とは?

持ち帰り残業とは、勤務時間内に終わらなかった仕事を残業時間に行わず、自宅やカフェなど会社の外に持ち帰って残業を行うことを言います。これは、近年進められている働き方改革による残業時間の削減や、プレミアムフライデーなどの導入による就業時間の短縮などを理由に急増しています。

持ち帰り残業の実態を把握するために、平成29年10月には2,000人を対象とするWEBアンケート「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート調査」が、連合総研によって行われました。この調査によると、回答者のうち、持ち帰り残業を行っている人は約30%に上ります。その内訳としては、「常にある」と回答した人が全体の3.1%、「よくある」と回答した人が全体の6.8%、「たまにある」と回答した人が全体の21.0%となっています。また、持ち帰り残業を行っている人の約66%が、持ち帰り残業に対して負担やストレスを感じていることや、持ち帰り残業を会社に全く伝えていない人が約45%いることも明らかになりました。

負担を感じる社員も多いことから、持ち帰り残業を行わざるをえない状況を放置すれば、会社と社員の間でのトラブルや生産性の低下が起きる可能性が考えられます。持ち帰り残業に伴うリスクについて、以下で詳しく確認していきましょう。

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持ち帰り残業のリスク

持ち帰り残業のリスクを労使双方の立場から見ていきます。

使用者側のリスク

  • 損害賠償のリスク
    持ち帰り残業は会社の外で行われることなので、会社がその実態を把握することが困難です。そのため、気付かないうちに過剰労働をさせている場合もあります。そのような中で労働者が体調を崩し、労災認定されれば、療養補償や休業補償、慰謝料を払う責任が生じるという可能性があります。実際に、持ち帰り残業が原因で労災認定された事例もすでに存在します。また、労災認定された場合には会社のイメージの低下を招きかねません。

  • セキュリティ面のリスク
    持ち帰り残業の際に自宅のパソコンを用いることがあった場合、そのパソコンのセキュリティ次第では、ウイルス感染や情報流出の可能性があり、重要な個人情報や内部機密事項の漏洩につながりかねません。社員が退職した後に自宅のパソコンに残っていた情報を悪用するという可能性も排除できません。また、帰宅途中に書類やパソコン、データを紛失するおそれもあり、これも情報漏洩につながります。

労働者側のリスク

  • 生産性の低下
    労使双方の問題とも考えられますが、持ち帰り残業は生産性を低下させる可能性があります。ひとつには、仕事とプライベートの境目が曖昧になり、プライベートの充実感がそがれ、仕事に悪影響を及ぼしかねないからです。また、就業時間には制限がありますが、持ち帰り残業の場合は明確な時間の区切りがないので、効率性が軽視されがちであることも理由として考えられます。

  • 健康面のリスク
    持ち帰り残業を行う頻度が上がると、長時間労働につながります。これによって休養が満足にとれないことが、心身の健康に悪影響を与える可能性があります。最悪の場合には、病気にかかることも考えられます。

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持ち帰り残業を生まないための対策

以上から、持ち帰り残業には多くのリスクが伴い、可能な限り避けた方が良いということは明らかです。それでは、持ち帰り残業を生まないための対策を確認していきましょう。

  • 現状の把握・業務量の再配分
    先ほどの調査から分かるように、持ち帰り残業を報告しない社員が多いため、会社の側も持ち帰り残業の実態を正確に認識できていないという現実があります。まずは現状を把握するために、業務量に関するアンケートを社員全員に回答してもらうと良いでしょう。その上で、過剰に業務を分配されて持ち帰り残業を余儀なくされている社員の業務を、その他の社員に再分配するようにしましょう。これを定期的に行うようにすることで、持ち帰り残業が少ない会社の風土が形成されていきます。

  • 持ち帰り残業禁止規定の作成
    本質的な解決とはならないかもしれませんが、持ち帰り残業を禁止する規定を作るという半ば強引な方法もあります。罰則をつけることによって持ち帰り残業は大幅に減るでしょう。しかし、業務量は変化せずに労働時間が減るという場合も考えられ、これでは社員にとってより厳しい労働環境となるおそれもあります。そのため、現状把握・業務量の再配分を行った上で、念押しとして導入するとより効果的でしょう。

  • 残業時間の多寡による評価の見直し
    残業時間の量を社員の評価に反映させている場合は、持ち帰り残業が多くなる可能性があります。これは、評価を上げるために会社での残業時間を極力減らし、持ち帰り残業を行うようにすることが考えられるためです。本当に残業時間を評価対象とするべきかなどを総合的視点から見直すことで、持ち帰り残業が減るかもしれません。

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まとめ

今回は、持ち帰り残業について解説してきました。働き方改革で就業時間の短縮などを行えば、ホワイトな企業イメージを作ることはできるかもしれません。しかし、形式的な面だけでなく内実の伴った改革を行うためには、持ち帰り残業の実態なども含めた社内の現状を正しく認識し、本質的な生産性向上を図っていく必要があります。

 

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