ユースエール認定企業になりましょう! 手続きとメリットについて解説

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公開日:2018.7.11

若者の採用や育成に積極的で、若者の雇用管理状態が良いと厚生労働大臣の認定を受ければ、ユースエール認定企業になることができます。ユースエール制度に認定されることで、認定企業としてのメリットが得られるだけでなく、認定に向けた取り組みの中で雇用制度の改善も期待できます。今回は、ユースエール認定制度の内容と認定されるための条件、手続き、そしてメリットについて解説します。

ユースエール企業のメリット

「ユースエール認定企業」とは、若者の採用や育成に積極的で、若者の雇用体制が望ましい中小企業として厚生労働大臣の認定を受けた企業のことです。ユースエール認定企業として認定されると、以下のメリットが得られます。

  • 「わかものハローワーク」や「新卒応援ハローワーク」などのハローワークの拠点で認定企業として自社をアピールすることができる
  • 厚生労働省が運営する、若者の採用や育成に積極的な企業の紹介サイト「若者雇用促進総合サイト」に認定企業として掲載される
  • 認定企業向けの就職面接会など、各都道府県労働局・ハローワークが開催する就職面接会へ優先的に参加できる
  • 自社の商品や広告などにユースエール認定マークを使うことができ、若者雇用促進の優良企業であることがアピールできる
  • キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)、トライアル雇用助成金、特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)の5つの助成金を利用する際、認定企業には助成率や助成金額が引き上げられます。例えば、特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)においては1人当たり最大70万円の助成金に10万円が加えられ、80万円の支給を受けることができる
  • 日本政策金融公庫による低利融資を受けることができます。日本政策金融公庫(中小の「地域活性化・雇用促進資金(企業活力強化貸付)」を利用する際に、基準利率から65%差し引いた金利で融資を受けることができる
  • 入札価格以外を評価する総合評価落札方式・企画競争方式での公共調達に参加する際に、公共調達を行う行政機関の個別の取り決めによってユースエール認定企業として加点を受けることができる場合がある

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認定の条件

ユースエール認定の条件は以下の通りです。

  • 常時雇用する労働者が300人以下の中小企業であること
  • 少なくとも卒業後3年以内の既卒者が応募可能であるなど、若者を対象とする正社員募集を行なっていること
  • 若者の採用や人材育成に積極的に取り組んでいること
    また、労働環境やその整備について以下をすべて満たしていることも認定の条件です。
  • 「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定していること
  • 直近の3事業年度で新卒者などの正社員として就職した人の離職率が20%以下であること(ただし直近3事業年度の採用者数が3人または4人の場合は、離職者数が1人以下であれば条件を満たします)
  • 前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下でかつ、月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員が1人もいないこと
  • 前事業年度の正社員の有給休暇の年間付与日数に対する取得率が平均70%以上、または年間取得日数が平均10日以上であること
  • 直近の3事業年度で男性労働者の育児休業等取得者が1人以上、または女性労働者の育児休業等取得率が75%以上であること(ただし、くるみん認定を受けた企業の場合、その認定を受けた年度を含む3年度の間はこの要件を別に満たす必要はありません)

上記のうち労働時間、新卒者などの正社員として就職した人の離職率、有給休暇についての基準は2017年4月1日から一部改正されているので注意が必要です。

さらに、若者の雇用情報について以下の情報を公表していなければなりません。

  • 直近3事業年度の新卒者などの採用者数・離職者数、男女別採用者数、平均継続勤務年数
  • 研修内容、メンター制度の有無、自己啓発支援・キャリアコンサルティング制度・社内検定等の制度の有無とその内容
  • 前事業年度の月平均の所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育児休業の取得対象者数・取得者数(男女別)、役員・管理職の女性割合

その他、過去3年間に認定企業の取消を受けていないことや、過去3年間に新規学卒者の採用内定取消しを行っていないこと、過去1年間に事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないことが要件となっています。また、暴力団関係事業主や風俗営業等関係事業主は認定を受けることはできません。

 

申請方法

認定の申請に当たっては、以下の定められた書類に必要書類を添付したものを用意します。認定条件の多さから必要書類が多くなっているので、漏れがないように注意が必要です。

  • 基準適合事業主認定申請書
  • 新規学卒者等採用実績及び定着状況報告書
  • 人材育成方針・教育訓練計画報告書
  • 所定外労働時間等実績報告書(直近の事業年度に所属する通常の労働者全員分を提出する必要があります)
  • 有給休暇取得実績報告書(直近の事業年度に所属する通常の労働者全員分を提出する必要があります)
  • 育児休業等取得実績報告書(直近の事業年度に所属する通常の労働者全員分を提出する必要があります)
  • 関係法令遵守状況報告書
  • 誓約書
  • 企業情報報告書

これらの書類を都道府県労働局に提出することで申請を行い、認定通知書は各都道府県労働局から交付されます。申請はハローワークを通じてできる場合もあります。

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まとめ

ユースエール認定の条件は労働環境と情報公開の両面で厳しいものとなっており、認定条件を達成する過程で企業の労働環境が大きく向上するはずです。若者の採用や育成に積極的であることを客観的にアピールできるユースエール認定を活用し、人手不足の中でも求職者にとって魅力的な企業になれるように努めましょう。

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