年末調整の準備は万全ですか? 流れを把握して早めの行動を心がけましょう

カテゴリ:コラム 投稿日: 2019.11.15 tag: ,

毎月の給与や賞与を支払う際に、事業主が所得税額を天引きする制度を、源泉徴収制度といいます。年末にはその年に収めるべき税額を正しく計算し、源泉徴収した額と調整しなくてはなりません。この年末調整は、10月から準備を始めて翌年の1月に法定調書を提出するという4ヶ月にわたっての作業が必要となるので、早いうちに流れを把握しておく必要があります。今回は、年末調整の流れと、10月、11月のうちに行っておくべき準備について解説していきます。

そもそも「年末調整」とは?

毎月(毎日)の給与の支払いの際、支払い者である事業主は、所定の源泉徴収税額表によって所得税および復興特別所得税を天引きして納付することになっています。これを源泉徴収制度といいます。しかし、所得税は年間を通して決定されるため、毎月の源泉徴収額はあくまで仮払いです。すると、年の途中で給与の額に変動があったり、控除対象扶養親族の数などに異動があったりした場合、源泉徴収税額の1年間の総額は、年間の給与総額について納めなければならない税額(年税額)と一致しないのが通常となります。この不一致を清算するのが、年末調整です。1年間の給与総額が決定する年末に、その年に収めるべき税額を正確に計算し、仮払いで徴収した税額との過不足額を求め、徴収した税額が多い時には差額が還付され、少ない時には徴収されます。

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年末調整の対象となる人

年末まで勤務をする人は原則的に年末調整の対象です。年の中途で就職し、年末まで勤務している人も含まれます。一方で、本年中の給与の収入額が2,000万円を超える人や、災害による被害を受けて本年分の給与に対する源泉所得税および復興特別所得税の徴収猶予または還付を受けた人など、年末調整の対象にならない場合もあります。年末調整の対象となるかどうかの条件を確認しておくことが重要です。

 

年末調整の流れ

年末調整をする際に事業主が行う作業の大まかな手順について説明します。

  1. 年末調整用の申告書と必要書類の準備
  2. 年末調整の知らせと申告書の配布
  3. 給与等の集計と申告書のチェック
  4. 年末調整の計算
  5. 源泉徴収額の納付と翌年の源泉徴収簿の作成

3~4の給与の集計や年末調整の計算は、12月末の最後の給与等の支給が決定してから行います。また、5の源泉徴収額の納付と翌年の源泉徴収簿の作成は、翌年1月の期限以内に行います。したがって、年内に行える準備は1~2の申告書や必要書類の準備です。以下では10月、11月に行っておくべき準備について説明します。

【10月】給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の確認

通常、本年分の申告書は年のはじめに各従業員から提出されているはずです。その申告書が揃っているか、再度確認しましょう。

扶養控除等申告書は、事業主が再度従業員に配布し、扶養親族の情報や各種所得控除について本人から申告してもらうものです。配偶者控除、扶養控除、障害者控除、勤労学生控除など、従業員本人やその家族の状況に適した控除の有無が分かる重要な書類です。

【11月】従業員へ年末調整の知らせと申告書配布

10月末の時点で作成された各証明書は11月ごろに従業員本人へ送付されます。具体的には、生命保険料控除や地震保険料控除、住宅ローン控除などで、年末調整の計算で控除を受けるために必要な証明書です。11月中に従業員へ年末調整の告知を行い、各証明書の準備や記入をしてもらいましょう。

 

事業主が配布・回収する申告書とその内容

各種申告書は事業主が準備・配布するものと、従業員が準備・提出するものがあります。ここでは事業主がチェックする申告書を挙げて説明します。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

年末調整の対象となる従業員全員から提出されている申告書です。扶養親族の増減などがあった場合には、年末調整で修正することができます。申告者と配偶者、扶養親族の氏名と生年月日、住所、所得金額の確認を行います。

給与所得者の配偶者特別控除申告書

控除対象は、合計所得金額が38万円を超え、かつ76万円未満の人です。配偶者の給与収入や公的年金収入などから所得金額を確認します。

給与所得者の保険料控除申告書

生命保険料、地震保険料、社会保険料、小規模企業共済等掛金の控除が適用されます。支払った保険料については、保険料控除証明書などの書類が必要になります。必要な証明書が申告書に添付されているか確認しましょう。

給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書

住宅取得資金に関する借入金の年末残高等証明書の確認をします。

 

まとめ

今回は12月に向けて年末調整の流れと年内に行える準備について紹介しました。事業主にとっては必須の業務ですが、年に一度しかないため現段階で年末調整の準備を怠っている可能性もあるでしょう。また、年末調整の取り扱いも毎年改正されるため、しっかりと確認して準備をすることが必要です。細かい作業ではありますが、今からできる作業をスケジュールと照らし合わせながら進めましょう。

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