障がい者を雇用するときに活用できる助成金まとめ

カテゴリ:コラム 投稿日: 2018.7.17 tag: , ,

2018年4月に、障がい者雇用率制度が変更されました。法定雇用率が引き上げられ、対象となる障がい者と事業の範囲・条件も拡大されました。これから障がい者を雇用する予定の事業主の方は、助成金制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。今回は、障がい者雇用の経験がない中小企業向けの助成金や、障がい者を試用的に雇い入れる企業向けの助成金などを目的別に紹介していきます。

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障がい者を雇用した場合に使える助成金

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金とは、仕事に就くのが困難な方々を企業が採用しやすくするための助成金であり、全部で8つのコースが存在します。そのうち障がい者を対象にしているものは、特定就職困難者コース、発達障がい者・難治性疾患患者雇用開発コース、障がい者初回雇用コースの3つになります。

特定就職困難者コースは、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者などの紹介で障がい者を継続的に雇用する事業主に助成します。発達障がい者・難治性疾患患者雇用開発コースも同様に、発達障がい者や難治性疾患患者を継続して雇用する労働者として雇い入れ、定められた事項について報告する事業主に対して助成金が支給されます。両助成金とも、支給は複数回にわたって行われます。対象労働者のタイプと企業の規模に応じて、助成対象期間と毎回の支給額は異なります。

ここでは一例として特定就職困難者コースの支給額を、重度障がい者等を除く身体・知的障がい者が、短時間労働(週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働)ではない労働を行うというケースで考えてみましょう。中小企業であれば、30万円が4期2年にわたって支給されますので、合計120万円の助成金が支給されます。中小企業でなければ25万円が2期1年支給されるだけで、この場合の合計支給額は50万円となります。ただしいずれの場合も、それぞれの支給対象期の支給上限額は、その支給対象期に企業が対象の労働者に対して支払った賃金額が上限です。

障がい者初回雇用コースは、障がい者の雇用経験がまだない中小企業向けのコースです。初めての雇入れによって法定雇用障がい者数以上の障がい者を雇用できた場合、一括で120 万円が支給されます。

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トライアル雇用助成金

本採用の前に障がい者を試用する場合に利用できる助成金で、障がい者トライアルコースと障がい者短時間トライアルコースの2つのコースがあります。障がい者トライアルコースでは、雇用する障がい者が雇用保険被保険者となるような時間数以上で雇用しなければなりません。他方、雇入れ時の週の所定労働時間が10時間以上20時間未満で、将来的に週20時間以上雇用することを目指す場合には、障がい者短時間トライアルコースが利用できます。

助成金額は障がい者トライアルコースの場合、月額最大4万円が3か月支給されます。ただし対象労働者が精神障がい者であればこの金額は増額され、月額最大8万円が3か月、その後も月額最大4万円が3か月、つまり雇入れから6か月で最大36万円が支給されます。

障がい者短時間トライアルコースの場合は、支給対象の障がい者1人につき月額で最大4万円が支給され、支給期間は12か月までです。

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障がい者雇用安定助成金(障がい者職場適応援助コース)

障がい者雇用安定助成金の障がい者職場適応援助コースは、職場適応援助者(ジョブコーチ)を必要とする障がい者に向けた計画を策定し、ジョブコーチによる支援を実施する雇用者に支払われる助成金です。ジョブコーチは、適切な障がい者の就労と職場への定着を促進するため、それぞれの障がい者の特性を把握した上で彼らが行えることと行えないことを企業側に伝達するなどして、障がい者の職場環境を整える専門家のことです。障がい者本人に対してだけではなく、雇用主や家族にも障がい者への理解と支援を深めるために様々な活動を行います。なお本助成金は、訪問型ジョブコーチと企業在籍型ジョブコーチのどちらによる支援でも対象となります。

この助成金の対象は、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者、発達障がい者、さらに難治性疾患や高次脳機能障がいのある方も含まれます。支援計画に基づいて支援を行った日数について、訪問型職場適応援助者を活用する場合は、移動時間を含む1日の支援時間合計が4時間以上であれば 1日あたり16,000円、4時間に満たなければ8,000円が支給されます。ただし支援対象者が精神障がい者の場合、他の障がい者とは基準の支援時間数が異なり、1日の支援時間合計が3時間以上の日については1日あたり16,000円、3時間未満の場合は8,000円支給されます。

障がい者雇用安定助成金(中小企業障がい者多数雇用施設設置等コース)

中小企業における障がい者の雇用を促進するために、障がい者雇用計画を作成し、障がい者を実際に雇用して、彼らのための設備を整えた企業に対して助成金を給付する制度です。この助成金を受給するためには、ハローワークが事前に審査した計画に基づき、助成金の受給資格が認定された日の翌日から1年以内に対象となる障がい者を5人以上雇い、この雇入れ後に雇用している障がい者が合計で10人以上である必要があります。この要件を満たせば、彼らの継続的な雇用に必要な事業所の施設・設備の整備を行う際に、その費用に対して助成金が支給されます。

 

その他の助成金

上記で取り上げたものの他にも、独立行政法人高齢・障がい・求職者雇用支援機構が運営する障がい者雇用納付金制度に基づく各種助成金があります。障がい者雇用のための施設整備や福利厚生を整えることのできる助成金が多く、中には障がい者の方の通勤環境を改善することのできる助成金(重度障がい者等通勤対策助成金)などもあります。また、障がい者介助等助成金においてはITを活用した措置も支給対象となります。

 

まとめ

障がい者の就労支援は国にとって大きな課題であり、そのため今回取り上げたような多くの助成金が用意されています。それぞれの助成金によって支給時期や申請方法が異なりますので、助成制度を利用する場合はきちんと要項を読み、利用を進めていくことをお勧めします。

 

生産性向上に向けて設備投資を行うためには

厚生労働省が定める助成金は、返済不要の給付金のため財源の調達として非常に有用な手段です。特に、生産性の向上など、企業にとってもメリットのある要件を満たした場合の助成金は、積極的に利用する価値があるものです。

somu-lierでは、厚生労働省が定める雇用関係の助成金のうち、生産性の向上に関わるものについて整理した資料を作成しています。是非、本資料を参考に、助成金の活用についてマスターしましょう。

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