抜擢人事の新常識!メリットと成功の秘訣を丸ごと解説!

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公開日:2023.6.5

抜擢人事とは、年齢や年功にとらわれず、実績や能力などに基づいて優秀な従業員に昇進やキャリアアップの機会を与える人事制度のことです。若手従業員でも実力に応じて昇進することができ、モチベーション向上や生産性の向上につながります。抜擢人事を実施する際には、公平性や透明性の確保、風通しの良い組織風土の整備が重要です。今回は、抜擢人事制度の概要、導入の目的と注意点、メリット・デメリットについて解説します。

「抜擢人事」の重要性が高まっている

抜擢人事とは

抜擢人事とは、従業員の能力を重視して、役職などの重要なポジションに配置する人事制度の事を指します。勤続年数・経験・学歴などを問わず、能力や成果に基づいて重要な人事が行われるという特徴があります。比較的若い従業員が重要なポストを任されるケースも珍しくありません。従って、後輩が先輩の上司になるケースが発生します。日本企業では年功序列が一般的とされる時代が長く続いていましたが、抜擢人事はこれまでと対照的な人事制度といえるでしょう。

抜擢人事が注目される背景

抜擢人事が注目される背景としては、年功序列という制度が日本にフィットしなくなったことがあげられます。そもそも年功序列とは、勤続年数や年齢などを重視して組織における役職や賃金などを決定する日本特有の人事制度です。日本社会と馴染み深い年功序列でしたが、少子高齢化が進んだ現代では、若手従業員の離職や人件費の高騰といった課題が浮きぼりになっています。
そして今後は更なる労働力人口の減少も予測されるため、能力のある人材を評価する制度の必要性が高まっています。抜擢人事はそうした背景にマッチしているため、ますます導入する企業が増えていくでしょう。

抜擢人事を導入する目的

抜擢人事を導入する主な目的は、以下のとおりです。

  • 新しい世代のリーダーを育てる
  • 企業を活性化させる

抜擢人事によって若い人材が重要なポジションを任されることによって、リーダーとしての能力を習得しやすくなります。より責任のある仕事で経験を積めるため、次世代のリーダーを育成できるのです。こうした若い人材の重要ポストへの登用が企業で一般的になれば、早期に役職者に出世しようと努力する人材が増えます。結果的に組織全体の活性化が期待できるでしょう。

   

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抜擢人事を導入する際の注意点

評価基準を明確にする

抜擢人事では公平な評価を行うために、評価基準を明確にしましょう。選考過程に不透明な部分があるようだと、不信感を生むきっかけとなってしまいます。対策としては選考基準を公にするだけでなく、該当の人材に対して抜擢人事を行った理由も明らかにしましょう。年齢や経験だけではなく、成果やスキルといった評価基準を明確にする必要があります。周囲が納得して受け入れられる環境を構築することが大切です。

自社の企業風土に適しているかを考慮する

抜擢人事が、自社の環境に適しているか考慮しましょう。抜擢人事は年齢や社歴などに重きをおいて評価する業界にはマッチしません。そのような環境で若手従業員に重要なポジションを任せたとしても、人間関係が悪化してしまうリスクがあります。社内からの反発が強いまま抜擢人事の導入を進めてしまうと、従業員の働く意欲を低下させてしまうことも考えられます。抜擢人事という方法が、自社に最適であるかを検討してから導入の判断を行いましょう。

抜擢されなかった従業員に配慮する

抜擢人事が行われなかった従業員に対する配慮を忘れないようにしましょう。抜擢人事は企業を大きく変える力を持った取り組みですが、評価されずに不満を抱く従業員もいます。特に、年功序列であれば重要なポジションが与えられたであろう方々には配慮が必要です。何も対処を行わないと業務へのモチベーション低下や、抜擢された人材への不満などが生まれる恐れがあります。こうしたムードのままでは組織全体の士気低下につながりかねません。抜擢されなかった従業員のフォローや気持ちのケアを忘れないようにしましょう。

   

抜擢人事のメリット・デメリット

抜擢人事のメリット

抜擢人事における主なメリットは、以下のとおりです。

  • 適材適所の人材配置を行える
  • 人事担当者に意識変革を促せる

抜擢人事では年功序列の縛りがないため、適材適所の人材配置を行えます。本当に必要としている人材を適したポジションに配置できるようになるので、企業が大きく生まれ変われる可能性を秘めています。しかし、適切な人事を実施していくためには人事担当者も意識やスキルをアップデートしなければなりません。年功序列の人事より高度な判断が必要となり、人材の能力や適性を見極める力が問われるようになります。

抜擢人事のデメリット

一方、抜擢人事における主なデメリットは、以下のとおりです。

  • 能力不足が発覚する可能性がある
  • 反発を受けるリスクがある
  • 抜擢された人材が孤立する恐れがある

抜擢人事の導入は、必ずしもうまくいくとは限りません。例えば、重要なポジションに登用した人材の能力不足が浮きぼりになってしまうケースもあります。ほかにも、抜擢人事に対して周囲の理解が得られずに反発を受けることで、抜擢された人材が孤立してしまうリスクも考えられます。こうしたデメリットが発生する可能性を認識し配慮しながら、抜擢人事の導入準備を進めることが重要です。

   

まとめ

抜擢人事は、企業に多くのメリットを生み出す可能性を秘めています。組織を活性化して新たなリーダーを育成できれば、企業の課題解決に向け大きな一歩を踏み出すことができるかもしれません。年齢に関係なく人材の能力や適正に目を向けることができれば、さまざまな可能性を企業にもたらす可能性があります。しかし、準備不足の状態で抜擢人事をスタートしてしまうと、思わぬ反発が生じるリスクがあります。年功序列に古くから慣れ親しんでいるなど、企業の文化によっては慎重に準備を進める必要があるでしょう。評価基準の明確化や従業員へのフォローなど、抜擢人事のポイントをおさえつつ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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