【法務担当者必見!】コーポレート・ガバナンスとは?5つの基本ルールについて解説!

カテゴリ:お役立ち資料 投稿日: 2017.9.6 tag: , ,

長期的な視野で企業価値を向上させるために不可欠なコーポレート・ガバナンスは、上場審査等の場面で整備が求められます。一方で近年の大企業の不祥事等で取り沙汰され、各企業のコーポレート・ガバナンスは見直しと拡充が迫られています。

そこでsomu-lierでは、法務担当者に向け、コーポレート・ガバナンスの基本ルールについて、マニュアルを作成しました。今回は、「コーポレートガバナンス・コード」における5つの基本原則について解説します。

コーポレート・ガバナンスとは

「コーポレート・ガバナンス」とは、「会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組み」と定義されています。

東証一部・二部、マザーズ、JASDAQのすべてにおいて企業のコーポレート・ガバナンスが重視されており、適切な整備が求められています。

 

コーポレートガバナンス・コード

「コーポレートガバナンス・コード」は、東京証券取引所と金融庁が協力して開催した有識者会議によって平成27年に定められたものであり、企業がコーポレート・ガバナンスを実現するための指標となっています。「コーポレートガバナンス・コード」では、企業が行うべき、下記のような様々な原則を取り決めています。

  • 株主の権利・平等性の確保
  • 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
  • 適切な情報開示と透明性の確保
  • 取締役会の責務
  • 株主との対話

マニュアルでは、コーポレートガバナンス・コードに取り上げられた5つの「基本原則」、30の「原則」、38の「補充原則」について、また企業の中長期的な成長にかかわる経営指標に関して、詳しく解説しています。今回は以上に挙げた5つの基本原則について簡単に解説していきます。

 

株主の権利・平等性の確保

株主の持つ権利とは?

企業が持続的に成長を遂げるためには、資本提供者である株主との協働が出発点となりま す。そこで、株主の信頼を獲得して経営基盤を強化するためにも株主の権利を確保することは絶対条件となります。会社法において、株主は主に以下の 3 つの権利が与えられています

  • 株主総会での議決権など、経営に参加する権利
  • 利益分配を受ける権利
  • 会社が解散した場合など、資産分配を受ける権利

尚、少数株主のみに認められる権利は行使に懸念が生じやすいため、十分に配慮を行う必要があります。

株主の権利を確保するために

企業は、以上に挙げたような株主の権利の重要性を認識し、権利確保のため適切に対応し なければなりません。特に、株主総会においては、定款の変更などの企業の根本に関わる事項、役員人事や株主の利害 に直結する内容について、取り決めを行うので、株主の権利行使に対する十分な対応が求められます。株主の権利と平等性を確保するためにも以下のようなポイントを心がけましょう。

  • 招集通知の早期発送
  • 他の企業との株主総会開催日の分散
  • 電磁的方法による議決権行使の容認
  • 招集通知等の英語版作成

マニュアルでは、株主の権利と平等性を確保するための7つの原則がまとめられており、以上に挙げたのはその一部となります。株主と企業の間で摩擦を起こさずに、円滑に協働していくための術が詳しく記載されていますのでご覧下さい。

関連記事:
年に一度の重大イベント!「定時株主総会」の運営方法、徹底解説!

 

適切な情報開示と透明性の確保

企業は、以下に挙げるような様々な情報を法令に基づき開示することを求められ、投資家 の保護や市場における信頼性の獲得に努めなければいけません。

  • 会社の財政状態
  • 経営成績等の財務情報
  • 経営戦略や経営課題
  • リスクやガバナンスに係る非財務情報

日本では特に非財務情報に関する開示が不十分であると指摘されており、これらに関して も利用者にとって有用性の高い情報を提供することが求められます。適切な情報開示と透明性の確保のために情報開示の充実と外部会計監査人の設置を行うことがポイントです。

情報開示の充実

企業はコーポレート・ガバナンスの実効性を有意的なものにするために次のような情報の開示を株主に対して主体的に行う必要があります。

  • 経営理念、戦略、経営計画
  • コーポレート・ガバナンスに関する考え方と基本方針
  • 経営陣・取締役への報酬を決定する方針と手続
  • 経営陣の選任と、取締役・監査役の指名に関する方針と手続
  • 上記を踏まえた取締役・監査役の、選任・指名に関する説明

海外投資家などの存在も考慮し、合理的な範囲において英語での情報公開をすることも大切です。

外部会計監査人の設置

適正な監査を維持するために、企業は外部会計監査人を設置しなくてはなりません。監査を設置するにあたって、以下の点注意しましょう。

  • 外部会計監査人を評価するための基準
  • 外部会計監査人が独立性・専門性を有している旨の確認
  • 十分な監査時間の確保
  • 外部会計監査人から経営陣へのアクセスの確保
  • 内部監査等との連携
  • 発見した不正に対する対応体制の確立

 

取締役会の責務

企業の取締役会は株主に対する受託者責任と説明責任を踏まえ、経営戦略の方針を示したり、リスクテイクを支える環境を整えたり、経営陣を監督したりする責任があります。具体的な取締役会の責務について解説していきます。

経営戦略の方向明示

経営理念などを基に会社の方向性を定める必要があります。この際に取締役会は次のような機能を満たしている必要があります。

  • 経営陣に委ねる範囲の決定、開示
  • 中期経営計画の実現努力と分析、株主への説明
  • 最高経営責任者の後継者に関する計画

リスクテイクを支える環境整備

取締役会は経営陣のリスクテイクを支える環境を整える必要もあります。このリスクテイクは企業が持続的に成長するため、そして企業価値を損なわないようにするために行います。こうした管理の甲斐もあって初めてコーポレート・ガバナンスが実現されるのです。

経営陣の監督

取締役会は独立した立場から、以下の点において経営陣・取締役を監督することが求められます。

  • 適切な企業業績の評価
  • 業績評価の経営陣人事への反映
  • 内部統制・リスク管理体制の整備
  • 関連当事者と会社間の利益相反の管理

こうした監督による評価や管理はリスクテイクを支える環境整備のための基盤としても働くため、コーポレート・ガバナンスにとってとても重要な観点の1つになります。

関連記事:
「取締役会」の知識・運営方法、徹底解説!

 

株主以外のステークホルダーとの適切な協働

企業の持続的な成長を支援している利害関係者(ステークホルダー)は株主だけではなく、次に挙げるような各主体も含まれています。そこで、企業はこれらの各主体とともに、企業の社会的責任(CSR)等の取り組みについて適切な恊働に努める必要があります。

  • 従業員
  • 顧客
  • 取引先・債権者等の社外関係者
  • 地域社会を始めとした企業の成長基盤

また、経営者・取締役会は、これらのステークホルダーの権利や、協働を促す立場を尊重する企業風土の醸成に貢献し、シーダーシップを発揮しなければなりません。そのような企業風土の醸成、リーダーシップの発揮を行うにあたって、実際の行動としては次のようなものが挙げられます。

女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保

近年問題となっている女性の社会活躍の促進や、経験、技能、属性などの多様性を確保することは企業の生産性を向上する上で以下の点で大きく役立ちます。これらを意識しながら労働環境を整備したり柔軟な働き方を導入したりすることで多様性のある風土作りを推進する必要があります。

  • 属性に関わらない有能な人材の確保
  • 消費者の多様な価値観を反映した市場での有利性向上
  • 創造性の向上による企業競争力の確保
  • ハラスメントの削減

内部通報

企業は、以下に注意した上で内部通報に係る適切な体制整備を行わなければならず、取締役会はその運用状況を監督するべきとされています。

  • 従業員が不利益を被る危険を懸念しないこと
  • 違法、不適切な行為に関して真摯に疑念が伝わること
  • 疑念が客観的に検証されること
  • 経営陣から独立した窓口を設置すること
  • 情報提供者を秘匿し不利益取扱いを禁止すること

 

株主との対話

企業が株主との会話を取り入れる機会は株主総会だけに限りません。例えば、上場企業では株主からの対話、説明申し込みに対して適切に対応し、対話を促進するための体制を整えるべきであると言われています。

対話によって得られる効果は以下のものが挙げられます。

  • 経営の正当性の基盤強化
  • 資本提供者目線からの経営分析や意見を得ること
  • 健全な起業家精神の喚起

以上から分かるように、株主と企業の対話は一方通行のものではなく、企業にとっても利点があります。株主との対話を促進させて企業価値を向上させましょう。

株主の対話については以下の2つの原則が定められています。

株主との建設的な対話に関する方針

企業と株主との間で対話を促進するためには以下の5つの点を記載すべき、と言われています。

  • 建設的な対話に目配りを行う経営陣・取締役の選定
  • 対話を補助するための社内部門との連携
  • 投資家説明会等の機会の充実
  • 株主の意見をフィードバックする方策
  • インサイダー情報の管理

ここから分かるように、対話の機会の確保とそれを支えるための基盤づくりが大切になってきます。

経営戦略や経営計画の策定・公表

収益計画や資本政策等の方針、目標、具体的な実行計画に関して、株主に明確な説明を行う必要があります。

 

マニュアルの内容を詳しく知りたい方は…

コーポレート・ガバナンスマニュアルは、下記からダウンロードできます。本資料をぜひ参考にして、コーポレート・ガバナンスを拡充させましょう!

こちらも読まれています:

*somu-lier(ソムリエ)では書き手を募集しています。
この記事が気に入ったら いいね!しよう
somu-lierから最新の情報をお届けします

この記事に関連する記事