職場環境とは?職場環境を整備、改善する必要性を解説

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公開日:2023.9.12

職場環境とは、照明や空調・音などの室内環境や、同僚・上司などとの人間関係といった、会社で働く上での従業員を取り巻く環境のことを指します。職場を働きやすい環境に整備する事で、従業員の集中力やモチベーションが保たれ作業効率が上がります。また、社員食堂のような従業員同士がコミュニケーションを取れるような施設を導入する事によって、人間関係のトラブルを減らすことも可能になります。

   

なぜ職場環境の整備・改善が必要なのか?

労働者の安全・衛生を確保するため

職場環境の整備・改善は、労働者の安全・衛生を確保するための重要な取り組みです。労働契約法には、事業主の責務として「安全配慮義務」が定義されています。また、労働安全衛生法には「快適な職場環境の形成」が努力義務として定められているため、事業主は労働者の心身の健康と安全を守るための配慮と、職場環境の整備・改善を行わなければなりません。多くの時間を過ごす職場の環境が劣悪だと、労働者の安全・衛生が脅かされ労働災害が増加し、生産性も低下してしまうでしょう。生産性を改善し企業価値を高めるためにも、労働環境の整備・改善は必須の取り組みです。

広義の職場環境には人間関係や労働条件も含む

職場環境は、狭義では温度や湿度、照明、騒音など就業場所における直接的な環境条件を指し、労働環境とほぼ同義に用いられる用語です。しかし、広義では上司や同僚、部下などとの人間関係、賃金や人事制度、労働時間、休憩時間、休日休暇などの労働条件も含みます。職場環境は労働者を取り巻く環境全般を指すため、職場環境の整備・改善は労働環境だけでなく、人間関係や労働条件の改善をも意味するのです。すなわち、快適な職場環境の形成に努める事業主は、労働環境・人間関係・労働条件などを改善する取り組みを行わなければなりません。

職場環境は働きやすさに直結する重要な要素

職場環境が快適ではないと、労働者の安全・衛生が脅かされるだけでなく、集中力やモチベーションが低下し生産性が損なわれてしまうでしょう。例えば、職場が寒かったり、熱かったり、騒音が大きかったり、人間関係がよくなかったりする場合、労働者は能力を最大限発揮できず能率は低下してしまいます。また、安全・衛生や能率の確保だけでなく、働き方改革に伴うワークライフバランスの改善、メンタルヘルス不調の防止などを目的とした取り組みとしても、職場環境の整備・改善は非常に重要です。温度や湿度を適正に管理する、防音設備を備える、休憩室や社員食堂を設置するなどの取り組みは、働きやすさに直結します。

   

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職場環境の整備・改善が必要な3つのケース

労働環境に問題がある

労働環境の問題は、作業効率を高めるために改善しなければならない問題です。労働環境の問題として、気温や気圧などの気候的要因によるものが挙げられます。従業員が不快に感じてしまう室温だと、業務に集中できなくなり、生産性が低下してしまいます。最悪の場合、熱中症などによる健康被害をもたらしてしまうため、率先して快適な職場環境を構築する必要があります。また、騒音や照明といった物理的要因による労働環境の問題も、常態化すると従業員の健康に悪影響を及ぼすため、注意が必要です。

人間関係に問題がある

人間関係の問題もまた、作業効率を高めるために改善しなければならない問題です。コミュニケーションが不足し報告・連絡・相談がしにくい職場は、風通しが悪くなり人間関係のトラブルが生じやすくなります。関係が悪化すると、ハラスメントや職場いじめなどより大きな問題に発展する恐れもあるでしょう。風通しの悪い職場では従業員のモチベーションが低下し、生産性も損なわれます。人間関係の問題が生産性に影響を与えないよう、マネジメント層は率先して風通しの良い職場環境の構築を心がけてください。

労働条件に問題がある

賃金・人事制度・労働時間・休日休暇など、労働条件に関する問題にも注意が必要です。例えば、慢性的な人手不足で日常的に長時間労働が行われている職場では、労働災害が頻発する、有給休暇や産前産後休業・介護休業が取得できないなどの問題が生じます。また、非正規社員の正社員登用制度がないなど、賃金や人事制度への不満も大きな問題です。労働条件への不満は職場環境の悪化につながるため、福利厚生や社内制度を整備・改善し早急に対処する必要があります。

   

職場環境の整備・改善がもたらす効果

従業員エンゲージメントの向上

職場環境を適切に整備・改善することで、従業員エンゲージメントが向上します。従業員エンゲージメントは、従業員の会社に対する愛社精神と言い換えることも可能です。従業員エンゲージメントが高い状態は、従業員が働きやすさや仕事に対する誇りを感じている状態を指します。職場環境の整備・改善によって従業員エンゲージメントが高まると、従業員はやりがいを感じ、モチベーション高く仕事に従事するのが一般的です。また、働きやすい職場には人材が定着するため、離職率は低下し優秀な人材の確保にもつながるでしょう。

生産性の向上

職場環境の整備・改善によって従業員エンゲージメントが高まると、生産性が向上します。モチベーションの高い従業員は、働きやすさややりがいを感じ仕事にまい進するため、能率も向上するのが一般的です。また、職場の温度・湿度・照明、オフィスやデスクまわりの使いやすさ、トイレや洗面所の清潔さ、休憩室や社員食堂の快適さなど、ハード面の対処も作業効率の改善に大きく寄与するでしょう。厚生労働省の調査によると、職場環境の改善にかかる費用は1人当たり7,660円なのに対し、生産性が向上して得られる利益は1人当たり15,200円という結果になっています。職場環境の整備・改善は、費用対効果の高い取り組みなのです。 

企業価値の向上

職場環境の整備・改善で従業員のモチベーションが向上すると、作業品質が高まり商品やサービスの品質も向上します。品質の高い商品・サービスは顧客満足度を高め、顧客エンゲージメントの向上につながるのが一般的です。顧客エンゲージメントは、顧客が企業に感じている愛着や信頼感を意味します。顧客エンゲージメントの向上は購買行動に直結するため、マーケティングにおいては非常に重要な要素です。職場環境の整備・改善は従業員エンゲージメントや顧客エンゲージメントを高め、最終的には企業価値の向上につながります。

    

まとめ

今回は職場環境についてご紹介しました。従業員を雇用する事業主は、安全配慮義務と快適な職場環境を形成する努力義務を負っています。従業員が1日のおよそ3分の1を過ごす職場の環境は、働きやすさに直結する重要な要素です。作業環境の整備・改善は、最終的に企業価値の向上にもつながるため、企業が主体となって積極的に推進しましょう。

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