業務棚卸を行い、人時生産性を向上させましょう!

カテゴリ:総務のおいしい話 投稿日: 2018.1.25 tag: , ,

棚卸というと在庫の数量や原価の把握に用いられるのが一般的ですが、業務フローの改善を目的に「業務棚卸」という形で応用されることがあります。業務棚卸は、業務の洗い出しや用語の統一といった作業を経て、業務の可視化から定着までを行う手法です。今回はそんな業務棚卸について、具体的な手法と得られる効果について解説していきます。

業務棚卸とは

そもそも棚卸とは在庫商品の価格を評価するために、棚から商品を出して数量や品質などを調べることを指します。これらは主に決算日に際して行われ、損益を査定するときに大切な役割を果たしています。

業務棚卸は、この棚卸の方法を業務の評価にあてはめたものです。具体的には、業務内容や業務の種類、どのくらい業務を行なっているのかなどを目に見えるものにすることを言います。業務棚卸によって以下のようなことを明らかにすることができます。

  • どのような業務が存在しているか
  • どれほどの人材をかけているか
  • どれほどの時間をかけているか
  • どれほどのコストをかけているか
  • どのような手順で行なっているか

以上を正確に把握することで、非効率的な部分に関して無駄を減らしたり、アウトソーシングを検討したりすることが可能になります。また、時期ごとにどのような分野に業務が集中しているのかなどを知ることもできるでしょう。そのため、業務棚卸はより効率的かつ効果的な業務フローを目指した改善を行う際によく用いられる手法となっています。

 

業務棚卸の方法について

業務棚卸を行うときには、①目的の設定、②実態の調査、③業務の調仕分け、④業務改善計画策定とその実行、という一連の手順を踏みます。のサイクルを経ることではじめて、業務棚卸を生産性の向上に役立てていくことができます。

①目的の設定

まず、業務棚卸の前に「何のために業務棚卸を行うのか」を明確にしておくことが肝心です。どのようなゴールを設定するかによって、業務棚卸での調査対象が絞り込まれ、項目の比重も変わるためです。具体的には、自社商品の品質を上げたいのか、余計なコストを減らしたいのか、それとも納期のサイクルを早くしたいのか、などの目的が考えられます。くれぐれも業務棚卸を行うこと自体が目的化してはなりません。

②実態の調査

続いて、会社内ではどのような業務が今回設定した目的と関連して行われているのか、その実態を把握するために関連する各部門に調査を行います。業務内容の洗い出しは、調査の規模に応じてアンケートや担当者へのヒアリングなどといった形が取られます。回答対象となる人が多岐にわたる場合が多い場合は、業務調査票というアンケート形式が取られることが多いでしょう。この際、各人の業務内容に関することだけでなく、部署内で共有されている業務フローやリスクコントロールマトリクスなども必要に応じて調査を行います。また、仕事時間やどのくらいのサイクルでその仕事を行なっているのか、についても記入してもらいます。

実態調査を行うにあたって注意すべきことは、調査内容に重複や抜けがないようにすることです。例えば、仕事内容について業務調査票作成者の側で項目を統一して選択式にするなどすれば、同じ業務内容に用いられる複数の名称や、各人によって捉え方の異なる曖昧な仕事単位を統一することができます。このような業務の共通言語化は、どのような組織においても非常に大切ですので、調査票の作成には入念な準備が必要となります。

③業務の仕分け

調査が終わったら、その結果に基づいて業務の仕分けを行います。その際、業務改善のために様々な観点からの検討を行いましょう。例えば、必要性の低い業務を廃止したり、効率化のできるものについてはその業務の頻度を減らしたり、業務を進める上での余分な手続きを簡素化したり、同じような業務は1つの部署に集中させたり、大量のデータを扱う作業などはシステム化したり、業務上の重要性が低く意思決定を伴わないものについてはアウトソーシングを行ったりするなどの措置が考えられます。このように、業務の改善と仕分けは同時的に行うことができます。

④業務改善計画策定とその実行

業務改善計画をつくり、その定着を目指して実行していくところまでが業務棚卸です。この改善計画とその施策が定着してからも、本当に効果のある施策だと言えたのか、など定期的に業務を見直してみることが大切です。そのためには再度業務棚卸を行うこと、つまり定期的に業務棚卸を行う必要があるでしょう。

 

業務棚卸によって得られる効果

経営者にとってのメリット

業務棚卸を適切に行えば、企業には多くのプラス効果がもたらされます。普段は複雑化されている業務の実態を把握できること、つまり可視化できること自体がまず大きな効果であると言えますが、このことには、さらに以下のようなメリットが存在します。

  • 業務を誰がどの範囲まで受け持っているのかを明らかにすることができる
    企業としての共通認識ができるため、別の人にもその業務を割り振ることがより容易になります。これは特定の業務に携わる人が欠勤した場合の対応や、社員の間での業務量の平準化を行う際にとても重要です。業務棚卸による必要な業務と不要な業務の見極めと並んで、この点は企業の社員ひとりひとりが1時間あたりに生み出す利益、すなわち人時生産性を向上させることに繋がります。
  • 繁忙期・閑散期の見極めができる
    業務棚卸によって、業務がどの時期にどのくらいの規模で行われているのかを把握することができます。繁忙期の前には、業務が多くなることを見越して事前に対策を練ることがでます。逆に、普段手の周らない開発や新規開拓のチャンスである閑散期のタイミングを前もって正確に把握しておけば、業務のスムーズな移行ができるようになります。
  • 業務にかかる期間やコストの把握
    各業務に必要な様々なコストから算出して、機械化やアウトソーシングを取り入れた方が良いものを明確にすることが可能になります。これは企業の経営における更なるコスト削減と効率化に直結します。
  • 業務における将来のリスクを特定することができる
    この点も、業務の可視化によってもたらされるメリットになります。業務棚卸を定期的に行うことで蓄積されたデータの傾向の分析し、業界の動向とも比較検討すれば、現状だけでなく将来の業務についてもある程度見通すことができます。

社員にとってのメリット

以上は経営者の視点から見た業務棚卸の話でしたが、それ以外の社員にとっても業務棚卸を行うことには、現状を見つめ直す機会が得られる、自分の業務が企業全体の事業にどのように関るのかを把握できるなどのメリットがあります。これらのことは、社員ひとりひとりの高いモチベーションのもとで業務を行えるかどうか、ひいては企業が体系的な運営を行えるかどうかということに関わります。

 

まとめ

業務フローの改善のための業務棚卸に関して、その方法と効果について詳しく解説してきました。業務棚卸を何のために行うのかを明らかにした上で、今回紹介した手順を踏んで業務棚卸を行えば、様々な面での効率化やスリム化に大きな効果がもたらされることが予想されます。経営戦略において業務の可視化が重要視される今日、適切かつ効果的な業務棚卸による生産性の向上を図ってみませんか。

 

総務業務の脱属人化・効率化のために

バックオフィス業務は、業務内容が幅広く、時期によって内容や頻度も変わってきてしまうので、属人化しやすいという傾向があります。この状態が長く続くと、誰がどのような業務をしているのかが不透明になってしまい、担当者の引き継ぎの際に抜け漏れが生じる、人によって業務量・難易度に偏りが生じるなど、会社に悪影響を及ぼしかねません

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