業務改善助成金を活用して生産性を向上させましょう

カテゴリ:総務のおいしい話 投稿日: 2018.10.9 tag: , ,

中小企業の生産性を向上させるための国の取り組みとして、業務改善助成金があります。業務改善助成金とは、企業が生産性向上のために設備投資を行い、事業場内の最低賃金を引き上げた場合に助成金を受け取ることができる制度です。生産性向上と助成金の受給が同時に行えるため、企業の成長にとって非常に有用なものとなっています。今回は、業務改善助成金を受給する要件や設備投資の実例などについて解説していきます。

業務改善助成金とは

概要

業務改善助成金は、厚生労働省が中小企業の生産性向上および最低賃金の引き上げを支援する制度です。生産性向上のために設備投資やサービス導入などを行うと同時に、最低賃金を一定額以上引き上げた企業を対象に、生産性向上のためにかかった費用の一部が助成されます。

業務改善助成金を利用するメリットはいくつも挙げられます。まず、生産性を向上させることによって企業の成長が望めます。また、最低賃金が上昇することによって労働者のモチベーションを向上させ、より優秀な人材を確保することにも繋がると考えられます。

対象者

業務改善助成金を受給できるのは、事業場内最低賃金が1,000円未満の中小企業・小規模事業者です。過去に業務改善助成金を受給していたとしても対象となります。

助成内容

  • 助成金額
    業務改善助成金では、「生産性向上のための設備投資等にかかった費用の70%の金額」が助成されます。常時使用する労働者数が企業全体で30人以下の場合は、75%が助成されます。
    なお、この設備投資等の生産性向上施策によって、生産性が一定割合以上向上したと認められると助成率が引き上げられます。これを生産性要件といい、通常の場合は70%が75%に、労働者数が30人以下の場合は75%が80%になります。生産性要件の計算方法など、詳細については厚生労働省のウェブサイト(PDF)をご参照ください。
  • 限度額
    最低賃金の引き上げ額と、賃金を引き上げた労働者の数によって受給できる限度額が変わります。
    1.最低賃金を30円以上引き上げた場合
    最低賃金を引き上げた人数が、1~3人の場合は50万円、4~6人の場合は70万円、7人以上の場合は100万円が限度額となります。
    2.最低賃金を40円以上引き上げた場合
    最低賃金を引き上げた人数にかかわらず、70万円が限度額になります。ただしこの場合は、最低賃金が800円以上1,000円未満の中小企業・小規模事業者が対象となることに注意して下さい。

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業務改善助成金の受給要件と支給までの流れ

受給要件

受給するためには以下の要件を満たす必要があります。

  • 賃金引上計画の策定
    事業場内の最低賃金を引き上げる計画を立て、その旨を就業規則等に定める必要があります。
  • 業務改善計画の策定
    設備投資や人材育成のための研修など、生産性向上のための施策を計画します。
  • 引き上げ後の賃金を支払うこと
    引き上げられた最低賃金を実際に支払わなくてはいけません。
  • 業務改善に関する費用を支払うこと
    設備投資など業務改善にかかる費用を実際に支払わなくてはいけません。ただし、単なる経費削減のための経費や、職場環境を改善するための経費、通常の事業活動に伴う経費は含まれません。
  • 諸書類の作成
    助成金交付申請書、事業実績報告書、支払請求書などの書類を作成し、提出しなくてはいけません。
  • 解雇・賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

支給までの流れ

  • 助成金交付申請書を労働局に提出
    賃金引上計画と業務改善計画を記載した助成金交付申請書を、各都道府県の労働局に提出します。労働局の審査により適正と判断されれば交付決定通知がきます。
  • 生産性向上のための施策の実行
    業務改善計画をもとに生産性向上施策に取り組みます。
  • 事業場内の最低賃金を引き上げる
    賃金引上計画をもとに事業場内の最低賃金を引き上げます。
  • 事業実績報告書を労働局に提出
    業務改善計画の実施結果と賃金引き上げ状況を記載した事業実績報告書を、各都道府県の労働局に提出します。労働局の審査により適正と判断されれば助成金額の確定通知がきます。
  • 助成金の受給
    支払請求書を都道府県の労働局に提出することによって助成金を受け取ることができます。

 

業務改善助成金に関する生産性向上施策の例

以下では、生産性向上のために実際に行われた施策の具体例を2つ紹介します。施策以前の課題と施策後の効果も合わせて記載してありますので、参考にしてみてください。

POSレジシステムの導入

レジでお客様と取引した際に顧客情報を一括して管理することができるPOSレジを導入して生産性向上を実現した事例があります。

  • 施策前の課題
    1.ポイント管理・顧客情報管理を手動で行っていたため、レジの操作に要する時間が長い
    2.従業員によって対応が違うので、顧客対応に一貫性を欠く
  • 施策後の効果
    レジ操作にかかる時間を短縮したことで、従業員のスキルアップに使える時間が確保できるようになりました。また、正確かつ迅速な顧客対応が可能になり、顧客満足度も向上しました。

新型高性能機械の導入

従来よりも高性能である新型機械を導入することによって生産性向上を実現した事例があります。

  • 施策前の課題
    1.旧型の機械を利用しているため、従業員が行わなくてはいけない作業負担が多い
    2.性能が低く、生産能力が小さいため、大量生産が難しい
  • 施策後の効果
    従業員の作業負担が減り、柔軟な人材配置が可能となりました。また、大量生産も可能となったため、従来よりも多くの受注を受けることができるようになりました。

 

まとめ

今回は、業務改善助成金について説明してきました。業務改善助成金制度を利用すれば、生産性向上によって企業が利益を伸ばすことが期待できる上に、設備投資にかかる費用を約70%も助成してくれるので、とても大きなメリットがあるといえます。生産性向上施策例などを参考にして、ぜひ助成金の利用を検討してみてください。

 

生産性向上に向けて設備投資を行うためには

厚生労働省が定める助成金は、返済不要の給付金のため財源の調達として非常に有用な手段です。特に、生産性の向上など、企業にとってもメリットのある要件を満たした場合の助成金は、積極的に利用する価値があるものです。

somu-lierでは、厚生労働省が定める雇用関係の助成金のうち、生産性の向上に関わるものについて整理した資料を作成しています。是非、本資料を参考に、助成金の活用についてマスターしましょう。

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