東京オリンピックに向けて受動喫煙防止対策助成金を活用しましょう

カテゴリ:コラム 投稿日: 2018.8.29 tag: , ,

2020年の東京オリンピック開催に向けて、受動喫煙防止対策の本格化が始まりました。その一環として、特定の中小企業が受動喫煙防止対策に取り組んだ場合に助成金が得られる制度が発足しています。国際的な受動喫煙防止運動にあわせて、職場での受動喫煙防止対策に取り組みましょう。今回は助成金の受給要件と内容、手続き方法を解説します。

受動喫煙防止対策とは

受動喫煙防止対策とは、健康増進法第25条により定められた、公共の場における望まない受動喫煙を防止するための措置です。現在、この受動喫煙防止対策は事業者の努力義務となっていますが、同法の改正案が2018年7月に国会で成立したため、2020年4月以降に義務化される予定です。全面施行まではまだ時間がありますが、事業者は今のうちから事業の現場の現状を把握し、実行できそうな対策のうち、最も効果的なものを実施していくと良いでしょう。その際に、政府が受動喫煙防止対策の費用を一部負担してくれる制度があります。以下の受動喫煙防止対策助成金の解説をよく読み、受動喫煙防止対策を行う際には積極的に利用していきましょう。

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受動喫煙防止対策助成金

対象者

受動喫煙防止対策助成金の対象となるは、次の3つすべてに該当する事業者です。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主
  • 以下のいずれかに該当する中小企業事業主
    常時雇用する労働者数が50人以下であるか、資本金または出資額の総額が5,000万円以下の小売業(小売業、飲食店、配達飲食サービス業)
    2. 常時雇用する労働者数が100人以下であるか、資本金または出資額の総額が5,000万円以下のサービス業(物品賃貸業、宿泊業、娯楽業、医療・福祉、複合サービスなど)
    3. 常時雇用する労働者数が100人以下であるか、資本金または出資額の総額が1億円以下の卸売業
    4. 常時雇用する労働者数が300人以下であるか、資本金または出資額の総額が3億円以下のその他の業種(農業、林業、漁業、建設業、製造業、運輸業、金融業、保険業など)
  • 事業場内において、措置を講じた区域以外を禁煙とする事業主

助成対象となる措置

助成金の受給の対象となる措置は以下の通りです。

  • 喫煙室の入口で、喫煙室内に向かう風速が2 m/秒以上の喫煙室の設置・改修
  • 喫煙所での喫煙で、喫煙所の直近の建物の出入口などにおける粉じん濃度が増加しない屋外喫煙所(閉鎖系)の設置・改修
  • 喫煙区域の粉じん濃度が15 mg/㎥以下、または必要換気量が70.3 ×(席数)m3/時間以上となる換気装置の設置

助成の内容

受給対象になる措置にかかる工費、設備費、備品費、機械装置費などの経費の2分の1を、100万円を上限額として助成します。なお、2018年度のみの特別措置として、上限額は変動しませんが飲食店を営んでいる場合は経費の3分の2が助成されます。

ただし、交付は事業場単位で行われ、1事業場につき1回のみの交付になるので注意が必要です。そのため、同じ事業場で複数の場所に措置を講じる場合は、1件の申請としてまとめて申請する必要があります。

 

手続き方法

助成金の手続きの方法は以下の通りになります。書類がいくつか必要になるので、しっかりと準備しましょう。

申請手続きの流れ

  • 申請内容の検討
    交付要綱などを読み、この助成金の制度を把握し、申請書の作成、関係資料を準備します。都道府県労働局や相談支援事業の相談ダイヤルがあるので、不明点があれば聞いてみることをお勧めします。
  • 交付申請
    申請書類を2部ずつ、所轄の労働局(雇用環境・均等部企画課または雇用環境・均等室)に提出します。労働局での審査期間は 原則1か月以内です。
  • 交付決定通知書の受領
    助成金の交付が適当と認められると、労働局から「受動喫煙防止対策助成金交付決定通知書」が発行されます。この交付決定通知書を受領してから工事に着手するようにしましょう。
  • 工事の発注・施工
    交付決定の内容に従って工事を実施します。もし事業内容を変更したい場合は、「交付決定内容変更承認申請書」を所轄の労働局に提出し、承認を受けなければなりません。
  • 工事費用の支払い
    工事が完了したら費用を支払い、領収書と明細を受領します。ただし分割払いやリース契約による支払いの場合には、助成金の交付対象にはならないので注意が必要です。
  • 事業実績報告
    報告書類を2部ずつ、所轄の労働局(労働基準部健康課または健康安全課)に提出して、実績報告をします。 報告は交付決定の際に指定された期日までに行う必要があります。
  • 交付額確定通知書の受領
    助成金の交付が適当と認められると労働局から発行される、「受動喫煙防止対策助成金交付額確定通知書」を受け取ります。
  • 請求書の提出
    所定の様式の請求書に、助成金の振込先として指定する口座等の情報を記載し、所轄の労働局(労働基準部健康課または健康安全課)に提出します。
  • 助成金の受領
    請求書の提出時に指定した口座に、助成金が振り込まれます。
  • 消費税仕入控除税額の確定に伴う助成金の返還・実施状況報告
    この助成金にかかわる仕入控除税額が確定したら、遅くとも助成事業完了日の属する年度の翌々年度6月30 日までに所轄の労働局(労働基準部健康課または健康安全課)に提出します。これには仕入控除税額が0円の場合も含まれます。また、設置した設備の運用状況や帳簿・書類の保存状況を所轄の労働局(労働基準部健康 課または健康安全課)に報告する必要があります。

交付申請に必要な書類

  • 受動喫煙防止対策助成金交付申請書
  • 受動喫煙防止対策についての事業計画
  • 交付要件に該当する旨及び不交付要件には該当しない旨の申立を行う書類
  • 措置を講じる場所の工事前の写真(申請日から3か月以内に撮影したもの)
  • 設置を予定している喫煙室や換気装置の場所など助成事業の詳細を確認できる資料
  • 講じる措置が要件を満たして設計されていることが確認できる資料
  • 事業場の室内とそれに準ずる環境で、措置を講じる区域以外での喫煙を禁止する旨を説明する書類
  • 講じる措置に関する施工業者からの見積書の写し(2業者以上必要)
  • その他都道府県労働局長が必要と認める書類

事業実績報告に必要な書類

  • 受動喫煙防止対策助成金事業実績報告書
  • 受動喫煙防止対策についての事業結果概要報告書
  • 受動喫煙防止対策助成金交付決定通知書の写し
  • 交付決定内容を変更した場合、受動喫煙防止対策助成金交付決定内容変更承認通知書の写し(複数回変更している場合は、すべての写し)
  • 工事に関しての領収書、経費についての内訳の写し
  • 措置を講じた場所や受動喫煙を防止するための設備・備品の詳細を確認できる写真(工事終了後速やかに撮影したもの)
  • 交付決定を受けた内容と実際に実施した事業が相違ないことを説明する書類
  • 講じた措置が要件を満たしていることが確認できる資料
  • その他都道府県労働局長が必要と認める書類

 

まとめ

東京オリンピックの開催を控え、現在は努力義務とされる受動喫煙防止対策は、今後多くの事業者が取りかからなければならない課題となることが見込まれます。せっかくの助成金制度を利用しない手はありませんので、まずは給付条件を把握し、対象となる場合は必要書類を用意した上でしっかりと手続きを踏みましょう。

 

生産性向上に向けて設備投資を行うためには

厚生労働省が定める助成金は、返済不要の給付金のため財源の調達として非常に有用な手段です。特に、生産性の向上など、企業にとってもメリットのある要件を満たした場合の助成金は、積極的に利用する価値があるものです。

somu-lierでは、厚生労働省が定める雇用関係の助成金のうち、生産性の向上に関わるものについて整理した資料を作成しています。是非、本資料を参考に、助成金の活用についてマスターしましょう。

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