CHROとは?CHROの役割や人事部長との違いについて解説します。

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公開日:2022.11.7

CHROとは、Chief Human Resources Officersの略称であり、最高人財責任者のことを指します。CHROは人事の視点から経営をサポートするCEO(最高経営責任者)のパートナーのような存在です。少子高齢化によって人材確保が難しくなっている今、経営戦略に合った採用が必須となるでしょう。そのため、人事の観点と経営の観点を持ちあわせたCHROはなくてはならない存在です。今回は、CHROの概要や役割、人事部長との違い、CHROを育成する際のポイントについて詳しく解説します。

CHROが日本でも浸透し始めている

CHROとは

CHROとは、Chief Human Resources Officers の略で、「最高人財責任者」と訳されます。CEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)のように「Chief(最高)」「Officers(責任者)」の言葉がつく役職のうち、人事の最高責任者であるのがCHROです。CHROは、企業の3要素である「ヒト、モノ、カネ」のうち「ヒト」について、経営者レベルの判断を含めた意思決定を行います。

人事部長との違い

企業の各部署に必要な人材の募集、応募者の選考、採用などに関するさまざまな業務や、人材育成、労務管理の業務など、人事労務関連部署の長が人事部長です。人事部長は人事労務のプロであり、社内の人事業務を監督する立場にありますが、人事の立場から経営に対する意見を述べることはできません。一方のCHROは人事労務のプロであると同時に経営にも携わり、組織を変えていく役割も担います。

CHROが必要とされる背景

日本では少子高齢化社会が進むことで、働く世代の人口は毎年減少しています。そのため、企業にとって人材確保の難易度は年々上昇しており、喫緊の課題と言えるでしょう。この問題の解決には戦略的な人材確保への取り組みが必要です。また、パンデミックの発生など、世の中はますます変化を予測できない事態となっています。その中で企業にはテレワークや時差通勤、採用の際のオンライン面接など柔軟な対応が求められています。こうした厳しい時代にあっても、経営者は企業理念の実現に必要な人材を獲得し、企業が守ってきた風土や文化を時代に合わせて向上させねばなりません。そのためには経営戦略に絡めた柔軟な人事マネジメントが不可欠です。これらの背景から、経営層と人事のパイプ役となり、スムーズに問題に対処する事が可能なCHROが必要とされています。

    

CHROの役割

人事視点から経営に携わる

役割の1つは、人事の最高責任者として企業の経営理念や目標を達成するための人事マネジメントです。業務効率や成果の上がる人員の配置、どの部署にどれだけの人員が必要か、足りない部署はどこか、などを判断し経営陣に提案します。また、経営理念を実現するために必要な人材が足りなければ、ヘッドハンティングや採用活動などの提案も行います。これまでの「管理する人事」ではなく、経営理念実現のための人員配置を「デザインする人事」と言ってもいいでしょう。

人事評価制度を整える

従来の人事評価制度を経営戦略に合った制度かどうか見直し、必要に応じて再構築し運用するのもCHROの大切な仕事です。経営者と従業員が一丸となって企業の変革を実現しようとしているときに、人事評価に不満があったのでは従業員の協力は得られません。特に、営業や販売などのように数字で評価することのできない部署では、従業員のモチベーションを維持、向上させる方法を考える必要があります。

社員育成を推進する

社員育成に関しても、CHROが手がけることがあります。通常の業務に関する教育やマナー教育、安全に関する教育など、これまでも各部署で社員教育は行われてきました。ですが、中には社内の部署を横断して教育を行った方が効率的な場合があります。例えば、企業の経営戦略に沿った考え方や業務の進め方などを、管理職をはじめとしたより多くの従業員に浸透させることが出来れば、組織力を向上させることが可能です。また、ほしい人材を外から連れてくるだけではなく、社内で育成する、という取り組みも部署に関係なく行えます。このように、経営理念、経営戦略を念頭に、企業全体を見渡して必要な人材を育成することもCHROの仕事です。

理念やビジョンの浸透を促す

CHROには、経営理念や経営ビジョンを、人事を動かす事で実現するという役割があります。企業の重要な資源である従業員と経営陣の橋渡し役として、人事を通して理念やビジョンを従業員に伝えていくのです。また、従業員のモチベーションに関係する「労働環境」にも目を配ります。例えば、法令違反の時間外労働など悪い習慣が生まれていないか、部署内の風通しはよいか、ハラスメントなどは発生していないか、などです。

    

CHROを育成するポイント

ソフトスキルを伸ばす

経営にも参画し、人事部門の最高責任者としても実力を発揮するには、「ソフトスキル」が重要です。これにはさまざまな人とのコミュニケーションや、従業員のモチベーションコントロール(共感力)、リーダーシップや問題解決能力などが含まれます。誠実さや信頼性、発想の豊かさなど、もともと持っている素質によるものも大きいですが、ワークショップなどを活用することで伸ばしていくことが可能です。

事業部門で経験をさせる

CHROは人事の立場から経営に参画するため、人事労務の知識と経験は当然必要となります。人事労務は法令の改正が非常に多い分野です。一度習得した人事労務の業務だけでは務まりません。常に新しい情報をチェックしておく必要があります。また、人事労務に詳しいだけでは、経営陣に意見することはできません。経営に関する知識はもちろんですが、自社の事業をすべて把握しておく必要があります。すべての事業部門をある程度経験させることで、社内全体を見渡せるようになるでしょう。

社外で学ぶ

徐々に浸透しつつあるとはいえ、CHROの考え方は国内ではまだまだ少数派です。そのためCHROについて学ぶ機会もそれほど多くはありません。日本CHRO協会では、メールマガジンによる情報発信や定期的なフォーラムやセミナーの開催を行い、CHROの周知や人材育成に努めています。それらのフォーラムやセミナーへ積極的に参加して知見を深め、参加者と交流することが良い学びの機会となるでしょう。

アジャイル思考を身に付けさせる

アジャイル思考とは、一気に100%のことをやりとげるのではなく、例えば20%程度の小さな成功を繰り返して成功させ、最終的に100%にたどり着く、という思考のことです。小さなトライは、失敗も小さくて済み、素早くリカバリーできます。小さな成功を繰り返すことで、結果的に早く大きな成功にたどり着くことが可能です。判断の速さや確実性を求められるCHROでは、スピード感を持って目的を達成できるアジャイル思考が身についていると強みになるでしょう。

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まとめ

CHROは、人事面から経営に参画し企業を支える最高人財責任者です。社会の大きな変革に加えて、働き方改革などの国の動きもあり、従業員と密接な関係のある人事労務部門が経営判断に与える影響は大きくなっています。人事部門を取り仕切るだけではなく、人事の立場から経営陣にものが言える立場として、今後はCHROの重要性を認識し、導入する企業が増えていくでしょう。

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