リテンションマネジメントで優秀な人材をつなぎ止める

カテゴリ:コラム 投稿日: 2018.8.15 tag: , ,

転職などによる優秀な人材の流失は、企業にとって大きな痛手となります。近年では優秀な従業員の待遇を向上し、また企業風土や理念などの魅力をアピールすることで、企業と従業員のパイプを強固にするリテンションマネジメントに注目が集まっています。今回は、リテンションマネジメントを行うメリットや方法について解説していきます。

リテンションマネジメントとは

リテンション(retention)とは、「維持すること」や「引き留めること」を意味する英単語です。ビジネスの文脈では一般に、獲得した顧客との関係をどのように維持し、顧客であり続けてもらうかの戦略という意味合いで使われます。その一方で人事戦略においては、いかに従業員のモチベーションを向上させ、会社と良好な関係性を築いて働き続けてもらうかという戦略を指します。

もともと終身雇用制が主流であった日本では人材の流動性が低く、従業員の他社への転職がそこまで多くありません。そのため、これまではリテンションの重要性が認識されずにいました。しかしながら、転職市場が活発化している近年、他の会社でも欲しがられる優秀な人材は、企業側が積極的な施策を行わなければ定着しにくくなっています。今後キャリア採用の市場がより活発化し、人材の流動性が高まるものと予想されることを考えると、日本においてもリテンションマネジメントの重要性はより増していくでしょう。

 

リテンションマネジメントのメリット

リテンションマネジメントによって優れた人材が会社に長い間残ってくれれば、以下のようなメリットが生じます。

離職や採用に伴うコストの低下

優れた人材に限らず、社員の離職が相次げば様々なコストが発生します。特に、中途採用市場で優れた人材を採用するには、人材紹介会社などに高額な手数料を払う必要があります。その他にも、離職者や採用者に関わる事務コストや、引き継ぎによって発生するコストやロスもあるため、採用のプロセスに要するコストは軽視できません。リテンションマネジメントによって社員の離職を防ぐことができれば、このようなコストを引き下げることができます。

また、実際にリテンションマネジメントによって離職率を下げることができれば、その数値によって社員が長く働きやすい会社であることを客観的に示せるので、労働環境や働き方が重視される採用市場において、大きなアピールポイントとなり得るでしょう。

ノウハウやネットワークの蓄積

どれだけ業務の属人化を防ごうとシステム化を徹底しても、社内のノウハウや、他社または顧客とのネットワークを完全に各社員の特性から切り離すことは、原理的に不可能であると言ってよいでしょう。社員が頻繁に交替しなければ、優れた社員が積み重ねてきたノウハウやネットワークが流出せず、安定的にノウハウや人脈を維持することできます。

長期的事業戦略の立てやすさ

事業戦略の前提として、どのような事業であってもその事業をマネジメントできる人がすでに社内にいるかどうか、あるいは獲得が見込めるかどうかを考えなければなりません。これを行うには、それぞれの人材の適性を正確に把握することが必須となりますが、人材が頻繁に流出しなければ長期間の観察に基づく評価が可能となるため、人材配置の確実性が増加します。また、経営陣や上司と部下の間の信頼関係も醸成されるので、結果として長期的な事業戦略をより安定的に立案・遂行することが可能になります。

 

リテンションマネジメントの方法

適切な評価給与体系の設定

社員を定着させるために一番簡単な方法は、わかりやすいインセンティブを与えること、すなわち給与を引き上げることです。ただし当然ながら、これは単に給与を上げればいいというわけではなく、昇給へと至った明確な理由を示して、社員の意欲と会社への満足度を引き上げていくことが重要です。

そのために重要なのは、適切な人事評価システムを設計することです。誰にとっても納得のできる評価制度であることが望ましいので、会社が一方的に決めるのではなく、社員の意見もよく聞いて決めるといいでしょう。また、そうして導入した人事評価システムでも、運用次第ではすぐにブラックボックス化していまいます。企業としてそれぞれの評価に説明責任を果たしていく姿勢が大切です。

社内のコミュニュティ活性化

給与を引き上げる以外にもリテンションを行う方法があります。それは、社員に会社への所属意識を持たせ、会社のメンバーとしての強固なアイデンティティを持たせることです。終身雇用制により1つの会社に生涯尽くし続けることが一般的だった頃は、社員が自然と自社への所属意識を強く持てたと言われます。それと同様の意識を、現代の様々なバックグラウンドを持つ多様な社員に対しても根付かせなければなりません。そのために有効な方法が、社員同士の交流を促進してコミュニティ意識を持たせることです。例えば、会社側が社員同士のランチや飲み会に補助を出したり、運動会を企画したりするなどといった方法があります。その際、一方的に押し付けるのではなく、社員のニーズとも合致するような取り組みを見極めることが重要です。

社員のモチベーションと自主性の尊重

社員が自身の成長を感じたり、仕事にやりがいを感じたりできるようにすることも、リテンションマネジメントの1つです。部下と上司で定期的な面談をセットし、部下が現状の仕事についてどう思っているかを対面で率直に話し合う機会(いわゆる1 on 1セッション)を用意することが有効な方法となるでしょう。

また、若手社員も含めて社員の1人ひとりに権限を委譲して自主的に動けるようにすることも、仕事への満足度を高めるためには大切です。任せられているという意識を社員が感じることができれば、その社員は責任感と仕事への意欲をより持てるでしょう。それぞれが能動的に動ける環境を形成した上で、先述のような評価体系と整合性を持たせていかなければなりません。

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まとめ

人材は企業の基盤です。リテンションマネジメントは、短期的にはコストもかかり骨の折れる作業かもしれませんが、長期的に見れば、優秀な従業員が離れないような積極的な施策は企業の業績に大きく貢献するはずです。様々な方法をうまく組み合わせながら、持続性のある形で多くの従業員の満足度を上げ、離職率を下げましょう。

 

企業風土を活性化させるには

目まぐるしく変化するビジネスシーンの中で、組織である企業は常にその形を変えて活性化させる必要があります。そのためには、企業の独自の風習である企業風土を改革させる取り組みを行うことが求められます。

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