「うちが第一志望?」は逆効果質問!大手企業に負けない中小企業の採用質問術とは

カテゴリ:コラム 投稿日: 2016.1.20 tag:

面接中に手を組む面接官

中小・ベンチャー企業を中心に、採用難が深刻な経営課題となりつつあります。「中小企業にいい人は来ないよ」と悩む採用担当者もいるかもしれません。でも、せっかく面接に足を運んでくれた応募者への、ちょっとしたアプローチや心遣いで、採用力をアップさせることができます。

絶対にNG!応募者の警戒レベルを引き上げ、本音を閉ざしてしまう質問って?

「うちは第一志望ですか?」
「選考中の企業の中でうちへの志望度はどのくらい高いですか?」

面接でよく使われるフレーズのため、あまり違和感を持たずにこうした質問をしてしまう面接官もいるのではないでしょうか? ところが、応募者にとっては、面接官への警戒レベルを引き上げる質問にほかなりません。結果、実際の志望度に関わらず、「御社が第一志望です」「御社は第一志望群の中の一社です」といった無難な回答をせざるをえなくなり、応募者は一気に心を閉ざしてしまいます。

まずは採用面接の場でしてしまいがちな質問を見てみましょう

「うちは第一志望ですか?」
(応募者:「はい」と答えるしかないでしょ…)

「ほかに受けている会社はどこですか?」
(応募者:え、企業名まで教えるの?)

「内定を出したら、入社してもらえますか?」
(応募者:これも「はい」と答えるしかないでしょ…)

「うちが内定を出したら、就活は終了してもらえますよね?」
(応募者:あとで内定辞退したら怒られるだろうな…)

「希望する部署に配属されなくても、頑張れそうですか?」
(応募者:取りあえず「頑張ります」としか言えません…)

応募者が本音で語ってくれないという課題は大手も中小も同じ。しかし、中小企業では、採用した一人ひとりの会社に与えるインパクトが大手よりも大きく、採用を間違えるわけにはいきません。それゆえ、「せっかくいい人が応募してきてくれたのに、みすみす逃したくない」という思いから、「うちに来てくれるよね? そうだよね?」とつい前のめりになってしまうことも。面接官の熱意ゆえの質問でもありますね。これは決して間違っているわけではありません。ただ、ほんの少しアプローチを変えることが必要です。

中小企業は大手ができないことをやる!質問よりも「あたたかいアプローチ」を

「あなたは●●や●●といった素晴らしいご経歴やお人柄をお持ちですね」

面接の場で「採用したい」と感じた応募者には、まずその強みや魅力をしっかりほめて「口説き」にかかりましょう。その上で、

「あなたはうちの第一志望人材ですが、あなたにとってうちが第一志望でなくてもいいんですよ」

「たとえうちが第一志望でなくても、あなたへの評価や期待は変わりません」

「万が一、あなたの第一志望の選考がうまくいかなかった場合も、うちはあなたを待っていますから!」

「第一志望の選考結果がいつ出るか、差し支えなければ教えていただけますか?」

ということを伝えましょう。こうしたアプローチによって、応募者は他社の選考を受ける罪悪感や面接官への心理的な警戒感から解放されます。そして「他社と迷っています…」という悩みや、「来週末まで待ってください」「第一志望に落ちたとき、御社のお世話になってもいいですか?」といった本音を打ち明けてくれる可能性が一気に高まります。

さらに面接後、応募者へのフォローメール(次回選考や内定のお知らせ)を可能な限り早いタイミングで送りましょう。その際には、応募者のすばらしさを認めていることや、「あなたこそ、弊社の求めている人財です」という「口説き」の内容をあらためて伝えます。「社交辞令じゃなかったんだ」「自分はこの会社に本当に求められているんだ」と、応募者に実感してもらうことができるからです。

こうした個々の応募者へのアプローチには非常に手間や労力がかかり、忍耐力が求められます。しかし、それは同時に、玉石混淆な多数の応募者を抱える大手企業には、真似のできない手法でもあります。だからこそ、中小企業にとって、大きなチャンスを秘めた手法なのです。

それでも応募者の本音を引き出せないときはどうする?

応募者が多少なりとも入社する気持ちを持っていれば、前述のようなアプローチにより、心が通じる会話ができるはずです。一方、残念ながら、本音を引き出せないときもあることでしょう。例えば、他社の選考状況について、かたくなに語ろうとしないときなどです。これは、雄弁なる無言(=本音で話してくれないのは、会社に対する前向きな思いがない、と言っているようなもの)です。入社の可能性は低いと判断し、他の応募者に内定を出したり、会社説明会や面接を追加で実施したりと、次の一手を打つ機会としていきましょう。

たとえ採用に至らなくても、応募者は自社のブランド価値を上げてくれる

こうしたアプローチを尽くした末、万が一、自社にとって「第一志望群」の人材を採用できなかったとしても、「時間や労力を無駄にしてしまった…」と落ち込む必要はありません。なぜなら、既に少なくとも、「●●社は、人を大事にする優良企業だ」という印象を応募者たちに残すことができているからです。

これはとても重要なことではないでしょうか。例えば、同じように転職活動をしている仲間に、「●●社はすごくいい企業だよ」と勧めてくれたり、ネット上の口コミサイトやSNS(FacebookやTwitter)などに高い評価のコメントを残してくれたりと、「広告塔」として自社のブランド価値を上げるアクションをとってくれるかもしれないからです。また、カスタマーとして自社の商品・サービスについてより深い関心を持ってくれる可能性も期待できます。

中小企業の採用面接における大原則!「急がば回れ」

近年、人材の確保に焦るあまり、「強引に応募者を入社させようとしてしまう」イソップ寓話「北風と太陽の」北風のような状態に陥る企業が増えています。これがエスカレートすると、過度な圧迫面接や、他社の就職活動を終わらせるように強く迫る、いわゆるオワハラに発展していきます。

そんなことをすれば、「入社意欲が低下する」「入社直後に退職する」などの事態が起こりうることに加え、口コミサイトやSNSに悪評を書き込む「クレーマー」を生み出し、自社のブランド価値を一気に下げてしまうことにもなりかねません。残念ながら、採用の世界は、このような逆効果の対応であふれています。

でもこの記事をご覧になった採用担当者様はもうお気づきでしょう。
「急がば回れ」というスタンス、ゆっくり着実に相手に寄り添う「太陽」側にまわることの重要さを。今からでも決して遅くはありません。

「あなたは素晴らしいご経歴やお人柄の持ち主ですね」
「うちが第一志望でなくてもいいんですよ」
「うちはあなたを待っていますから」

まずはそんな言葉をかけるところから始めてみましょう!

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