法務とは何か?法務部の具体的な仕事内容と理想像に迫る

カテゴリ:クローズアップ , コラム 投稿日: 2017.8.30 tag:

近年コンプライアンスの徹底が企業に強く求められる中、法務が担う役割の重要性は増しています。法務は法律に関連した業務一般に携わり、企業の規模が拡大するほど企業において重宝されます。

今回は、そもそもなぜ法務が必要とされるのか、また日常的に行う仕事内容や求められる人物像について解説します。

 

法務部が果たす役割〜企業のアクセルとブレーキ〜

企業活動に伴う法律に関連した業務を担う法務部ですが、その業務は多岐に渡ります。企業において法務部が必要とされる理由は、法律関係のプロとしての役割を果たすことによって、以下の2つのメリットがあるためです。

  • 企業活動の「アクセル」

企業としては、儲けを出すためにあらゆる手段をもって売り上げの上昇やコストの削減を目指しますが、法務部は法律を武器とし、有利な企業活動を後押しする立場になりえます。

  • 企業活動の「ブレーキ」

営業部などの部署はビジネスチャンスを逃すまいという方向での提案を行うことが多いですが、場合によっては社外と法的なトラブルが発生し、企業に不利益が生まれる事態が考えられます。そんな時にブレーキをかけリスクヘッジの機能を果たすのが法務部の役割です。

 

企業によっては顧問弁護士をつけている場合がありますが、「適法か違法か」の判断をするのみであれば、顧問弁護士が役割を十分に果たします。

一方で企業の法務部は、顧問弁護士と違って企業の一部です。つまり、「アクセル」と「ブレーキ」どちらにおいても、法務部は企業にとって有利となるように導き、企業の成長に大きく貢献する部署となるということです。

その分法務担当者は、法律の境界と企業の利益の双方を踏まえた判断が必要とされ、それを導く高いバランス感覚を問われることとなります。

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多岐にわたる法務の仕事内容

契約・取引法務

企業活動において、他社との取引の際に必要となるのが「契約」です。契約・取引に関わる業務は法務部におけるもっとも重要な仕事で、民法や商法、割賦販売法や借地借家法などの契約法を踏まえた、契約書の作成から審査までを担います。

契約書に関連する用語として、「リーガルチェック」と呼ばれるものがあります。これは契約書が法的に妥当かどうかをチェックする作業です。その企業の取引先となるあらゆる企業と契約を行うため、日本語英語を問わずリーガルチェックを行うことになります。

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機関法務

株主総会や取締役会などの会社内部の機関を合法的に行われるよう、運営することを目的とする業務です。利用する主な法律としては会社法などが挙げられます。このほかにも株式の発行や分割、子会社の設立などの業務にも深く関わっています。

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法務相談

法務部以外の社員が、必ずしも法律に詳しいとは限りません。法務部は、社内の法律のプロとして法律に詳しくない社員のためのサポートも行います。相談相手の社員が所属する部署に応じて必要な法律が異なるため、幅広い法律知識が求められることとなります。

 

紛争訴訟対応

自社と取引企業の間でのトラブルや顧客からのクレームがあった際に、法務部が対応することがあります。いわゆるB to Cの企業では、カスタマーセンターやお客様相談室といった部があるのはよく知られているかもしれません。

ただし法務部が積極的に動くようになる場面は、訴訟などの法的な手段を選択する場合が多いです。

 

法制度調査

法制度は時代の流れに伴って少しずつ変化を遂げていきます。各企業はこのような法律の変化に対応していかなければならず、その調査や周知についても法務部の仕事となります。企業によっては、国内のみならず海外の法制度についても調査をすることもあります。

 

コンプライアンス・社内規定

企業の信頼性を維持するためにも、コンプライアンスの周知徹底は必要不可欠であり、そのためには社内研修や相談窓口の設置が必要になります。また、社内ルールを明文化し、社内の秩序を保つのも法務部の仕事の一つといえるでしょう。

 

企業が求める法務部の人物像

コミュニケーション力

先に述べたように、法務部が必要とされる最も大きな理由は、会社にとって有利となるような選択を、バランス感をもって判断することにあります。したがって、適法と違法の範囲について社員にプレゼンできるだけのコミュニケーション力、法律の解釈力が第一に求められます。

つまり、企業活動をよりよい方向へ進めるためには周囲をうまく説得し、協調して進んでいく必要があるということです。

 

高い専門スキル

一方で実務的な観点からみると、海外企業との取引などを想定した英語力や、適用法律を調べるリサーチ能力、契約書作成に係る文書作成能力など、様々な専門スキルが求められます。そのため、法務部においてキャリアを積んだ社員は、別部署に異動しても優秀なビジネスパーソンとしての働きが期待される場合が多いです。

 

まとめ

法務部は高い専門スキルとコミュニケーション力を必要とされ、時にアクセルとブレーキを踏み変えながら企業の成長に大きく貢献する部署です。

決して企業の「裏方」ではない法務部、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

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