賞与支払届の提出を忘れていませんか? 賞与にも社会保険料が発生します

カテゴリ:コラム 投稿日: 2017.11.30 tag: , ,

12月は、一般的に冬のボーナス(賞与)の時期といわれていますが、賞与にも社会保険料が発生することをご存知ですか? 賞与の保険料は、標準賞与額に保険料率を掛け合わせることで算出され、将来受給する年金の計算の基礎となります。また労務担当者は、賞与を支払った旨を「賞与支払届」として、年金事務所に忘れずに届け出る必要があります。今回は、賞与に発生する社会保険料に関する標準賞与額の計算方法について、そして賞与支払届の提出方法について解説します。

賞与とは?

一般的にボーナスと呼称されることが多い賞与ですが、賃金、給料といった名前に関係なく、労働の対価として受け取るもののうち年3回以下支給されるものを指しています。これには現物支給も含みます。賞与にも社会保険料が発生し、「標準賞与額」に保険料率を掛け合わせることで算出されます。

ただし年4回以上支給されるものは、毎月の給料と同様の「標準報酬月額」の対象となり、賞与とは異なる報酬の扱いとなります。また、結婚祝金や見舞金などは労働の対価としてはみなされないため賞与の対象外です。

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保険料の具体的な計算方法

計算方法

賞与の保険料は、先程述べたように「標準賞与額」に「保険料率」を掛け合わせた金額です。保険料率は年金制度が改正されるに従い変化してきましたが、厚生年金保険の場合、平成29年10月より18.3%で固定されることになりました。すなわち、

厚生年金の保険料=標準賞与額×18.3%

で計算できるということになります。
一方で健康保険の場合、住んでいる都道府県ごとに、また40歳以上64歳以下の方を指す「介護保険第2号被保険者」に該当するかどうかで割合が変化します。詳しい割合は日本年金機構や全国健康保険協会などが発表している保険料額表を参照してください。

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標準賞与額とは?

賞与の保険料の計算の基礎となる標準賞与額とは、実際に税引きされる前の賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた額を指しています。ただし月に2回以上支給される場合は合算した金額で考えます。厚生年金では1回の支給につき150万円が上限となり、超える場合には150万円として計算されます。
健康保険では、年間の累計額573万円が上限です。この計算は毎年4月1日から翌年3月31日までの累計額となります。

それでは、東京都在住の方の賞与を例に挙げて考えてみましょう。

例1:30代男性の場合

例えば東京都に在住の30代男性が50万円の賞与を2回もらった場合、

  • 健康保険料
    累計額の100万円は上限の573万円を下回っているため、
    100万円×保険料率91%=99,100円
  • 厚生年金保険料
    毎回の金額50万円が150万円を下回っているため、
    50万円×保険料率3%×2回=183,000円

合計で28万円程度となります。

例2:50代男性の場合

東京都在住の50代男性が、200万円の賞与を3回もらった場合、

  • 健康保険料
    累計額600万円は上限573万円を上回っているため、
    573万円×保険料率56%=662,388円
  • 厚生年金保険料
    毎回の金額200万円は上限150万円を上回っているため、
    150万円×保険料率3%×3回=823,500円

合計で149万円程度となります。
ただし、ここでは基金の違いによる細かい控除などは考慮していませんので注意してください。

 

手続きの時期、方法は?

事業主が被保険者に賞与を支払った場合、賞与支払日から5日以内に「賞与支払届」を所定の年金事務所に提出しなければなりません。この届け出によって被保険者の年金額が決定されるため、適切な提出が必要となります。

提出方法には以下の種類があります。

  • 日本年金機構から送付された被保険者賞与支払届に記入し提出
  • 電子媒体(CD-RW又はDVD)で提出
  • e-Govより電子申請しオンライン提出

被保険者が多い場合には手書きでの記入は非常に大変です。そのような場合はパソコンを用いて作った支払届を提出できます。

電子媒体で提出する場合、作成に必要な仕様書やプログラムは日本年金機構が配布しているため容易に取得でき、事務所のパソコンでデータを管理できるため、同様の届出を行う際も以前のデータを利用して作成できます。
さらに、事務所内の人事、給与などを管理した他のシステムと連動させることで手間を省くことができ、この届出は機械的にチェックすることができるためミスも大きく減らせます。現在、賞与支払届の半数はCD、DVD提出で行われており、パソコンを使った届出書の作成が一般的になっています。作成にかかる時間が減らせますしミスも大きく減るため、是非有効活用しましょう。

まとめ

賞与支払届の計算はそれほど複雑ではありませんが、提出までの期間は短い上に頻度も年3回ほどと少ないため、提出忘れには十分注意が必要です。電子化が進み、書類作成の負担も手間も大きく削減されているので、担当者は早めの書類作成と提出を心がけましょう。

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