仕事を理由に諦めていませんか? ゆう活で夕方以降を楽しく過ごすコツ

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公開日:2018.7.4

政府が推奨している「ゆう活」は、日照時間が長い夏の間、朝早くから働き始めて夕方以降を家族や友人と過ごすという、新たな夏の生活スタイルです。ゆう活の導入をきっかけに、業務の効率化と働き方の見直しを行いましょう! 今回は、ゆう活の導入の意義や導入事例、方法を紹介していきます。

ゆう活とは

ゆう活は、夏の日照時間の長さを利用し、朝早くに始業して明るさの残る時間帯に仕事を終わらせることで、夕方以降の時間の有効活用を推し進める運動です。ゆう活の「ゆう」には、単に夕方という意味だけでなく、以下のような意味が込められています。

  • 「夕」やけ時に
  • 「悠」々とした時間が生まれる
  • 「友」人と会える
  • 「遊」ぶ時間が増える
  • 家族で過ごす「優」しい時間ができる
  • 新しい人・モノ・ことと自分が「結」ばれる

ゆう活は海外のサマータイム制度と類似した発想ですが、「ゆう」に込められている意味をみれば分かるように、ワークライフバランスの向上実現を主眼としています。そのため、夕方以降は友人や家族と時間を過ごすことが推奨されます。

 

企業へのゆう活のメリット

社員にとって、ゆう活はワークライフバランスを見直して、生活の質を向上させる良い契機となります。また企業側にとっても、ゆう活を有効に活用すれば以下のような大きなメリットが望めます。

社員のモチベーション向上

ゆう活の導入によって社員のワークライフバランスが向上すれば、職場への満足度が高まると同時に、より意欲的に仕事に取り組めるようになるでしょう。それに伴いって離職率が下がるので、採用・研修コストの抑制にもつながります。

意識改革による労働生産性の向上

日本の労働生産性はOECDに加盟国の中でも中央より下位に位置しており、まだまだ伸び代があることが知られています。ゆう活によって夕方明るいうちに仕事を終わらせるという意識を社員に根付かせることができれば、仕事の効率化について各人が考える契機となり、それは生産性向上の大きな一歩となるでしょう。

労働環境と企業文化の改善

ゆう活を社内で呼びかけて始業時間を早めたとしても、残業が多ければその効果は望めず、ただ業務時間を前倒しにしたというだけで終わってしまいます。日本では過剰な業務量や不適切な配分により仕事が通常の業務時間内に終わらない企業が少なくありません。また業務がなかったとしても周囲や上司の目を気にしてしまい早く帰れないままでいる社員もいます。ゆう活の運動は、このような働き方全体に切り込んで初めて効果を発揮します。残業が当然となっている職場では単純に業務開始時間を早めるのではなく、業務の効率化を根本から進めて行くことが重要です。

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ゆう活の導入方法と事例

社員の理解を得た上での導入

大手製造業のユニ・チャーム株式会社は現在ゆう活を導入している企業の1つですが、最初から容易に社員の同意を取り付けられたわけではありませんでした。ユニ・チャームは2009年からサマータイム制度の導入によって始業時間を1時間早めることを検討していました。しかし社員アンケートの結果では、時間外労働の増加や顧客との時間のすり合わせが難しくなるという懸念から6割が反対し、賛成したのはわずか4割でした。しかし、2011年の東日本大震災を受けて、各企業に電力削減の要請が行われたことをきっかけに事態が一転しました。深夜まで働き続けることで電力を消費しており、それを削減するためには働き方自体を見直すべきであるという考えが社内でまとまりました。その結果、7割の社員の賛同を得て、サマータイム制度を試験的に導入することとなったのです。

このように、ゆう活は業務に大きく影響のある施策であるため、導入の際にはその影響を受ける社員の理解が不可欠です。特に時間外労働の増加につながるという懸念を招きやすいため、その点について十分な説明と話し合いが必要となるでしょう。

時間外労働短縮の具体的施策を実行

時間外労働は呼びかけるだけではなかなかなくならないものです。企業側が能動的になって、社員に強く働きかける必要があります。西武鉄道株式会社は、サマータイム制度の導入と並行して具体的な時間外労働短縮の施策を行っている企業です。サマータイム制度導入後に出退勤のシステムを改修し、自部署の社員については、時間外労働が37時間、52時間を超過している者を管理者がいつでも把握できるような仕組みにしています。リアルタイムで労働時間を意識できるシステムを全社的に整えることで、管理職によるマネジメントの効率化が可能となりました。

朝食ミーティングを活用

始業時間を早めることを活かして、社内で朝食ミーティングを行うという手法もすでに行われています。訪問介護事業を行なっている大阪市の中小企業、株式会社LOOPの事例を見てみましょう。同社の社員の多くは訪問介護のヘルパーであり、仕事の性質上、在社時間や終業時間はヘルパーによってまちまちであるため、これまで引継ぎの際の情報伝達の手段としてノートへの書き込みを行っていました。しかしこの方式は、伝え忘れやコミュニケーション不足による伝達漏れの発生を招いていました。そこで始業時間を30分早めて、全社員が集まる朝のタイミングで、朝食を食べながら情報共有のためのミーティングをカジュアルに行うようにしたところ、社員同士のコミュニュケーションが活発化し、業務の効率化に成功しました。

このように朝食をともにするのは、社員数が少ない中小企業ならではかもしれませんが、集中力の高い朝の時間帯に社員がコミュニュケーションを取り合えるようにすることは1つの有効な手法と言えるでしょう。

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まとめ

ゆう活は、その導入をきっかけにして業務の効率化と働き方の見直しを行うことこそが重要です。呼びかけるだけで運動が形骸化しないよう、本質的な改革を行っていきましょう。

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