OODAループとは?OODAループの具体的な4ステップとともに解説

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公開日:2024.4.10

OODAループとは、「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」の4つから構成された、迅速な意思決定や行動を行うためのフレームワークのことを指します。「Observe(観察)」では、市場や顧客、競合などの対象を観察します。「Orient(状況判断)」では、Observeで集めた情報を分析し、現状の判断を行います。「Decide(意思決定)」では、これからどういった行動を取るか具体的に決めます。「Act(実行)」では、Decideで決めた方針に基づき、実際に行動することを指します。

     

OODAループを導入しよう

OODAループとは

OODA(ウーダ)ループとは、アメリカ空軍のジョン・ボイド氏によって提唱された意思決定の考え方です。 「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(意思決定)」「Act(行動)」これら4つのステップを繰り返しながら課題解決を図ります。この考え方は「観察」から始まるため、変化が速い状況に対応しやすいことが特徴です。変化が起こりやすく、変化のスピードが速い環境やスピーディな意思決定に適しています。一方、個人の判断で行動する部分が多く、明確な目標やメンバー間の認識のズレなどがある組織では実施しても成果が出にくい点に留意しなければなりません。

OODAループの強み

状況に応じて即座に対応できる点がOODAループの強みです。この考え方を活用することで、問題が発生した際に上司の指示を仰がなくても個人がある程度の裁量を持って意思決定できるため、迅速に行動に移せます。また、計画を立案せずに仮説から入ることから結果が出るまで時間が早い点も特長です。緊急時やトラブル発生時に高い効果の発揮が期待できます。

OODAループが注目を集める背景

技術革新やグローバル化の進展、SNSの普及、サスティナビリティへの関心の高まりなど経営環境が急速に変化したことで、不確実性の高い状態が続いています。 このような経営環境の変化に伴い、企業は速やかな意思決定と対応が求められるようになりました。安定した環境での品質管理や一定期間かける取り組みなどに適したPDCAサイクルを回すだけでは対応できなくなりつつあります。その結果、変化のスピードが速い環境やスピーディな意思決定に適したOODAループという概念が注目されるようになったのです。

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OODAループとPDCAサイクルの違い

サイクルの起点

PDCAサイクルはPlan(計画)を、OODAループはObserve(観察)で把握した事実を起点とします。PDCAは計画を起点とするのに対し、OODAループは事実を起点とするのです。PDCAサイクルは、計画を起点とするため、途中で問題が発生しても「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「 Action(改善)」という一連のプロセスを踏まなければなりません。一方、ODDAループは、事実を起点とするため、状況に応じて途中で後戻りしたり、必要なステップから始めたりすることが可能です。

意思決定者

PDCAサイクルでは上位職、OODAループでは現場担当者が意思決定を行います。PDCAサイクルは、一定の周期でDo(実行)した結果をCheck(分析)し、現場担当者が上位職へ報告し、上位職の判断に基づきAction(改善)を図ることが一般的です。これに対して、OODAループは、現場担当者が適宜意思決定を行います。メンバー間で方向性が定まっており、Observe(観察)とOrient(状況判断)が十分に行われていれば、どのようにAct(実行)すべきか判断できます。現場担当者が状況に応じてその場で意思決定を行えることで、緊急時やトラブル発生時にも即座に対応できるのです。

対応のタイミング

PDCAサイクルは事前に目標設定を行うため事象が発生前の事前対応となりますが、OODAループは問題が発生してから対応するため事後対応となります。このように、両者は対応のタイミングが異なります。PDCAは予測可能な将来において発生し得る課題に対して事前に対策を講じられ、OODAループは問題が発生した際にその場で対応できるという点が大きな違いです。

OODAループとPDCAサイクルを状況に応じて使い分けることが理想

OODA ループとPDCA サイクルは目的や状況に応じて使い分けるようにしましょう。 具体的には、将来が予測困難な状況であればOODAループを、将来が予測可能な状況であればPDCAサイクルを活用します。なお、OODAループを活用する際は直近の事態の対応に集中し、中長期の経営環境の変化への対応が遅れないように留意しなければなりません。

    

OODAループの具体的な4ステップ

 Observe(観察)

市場調査や顧客調査などを行い、自分の周囲の状況を観察して生のデータを集めるステップです。市場や顧客、競合に関する変化がないか、店舗の集客範囲に変化がないか、何がトレンドとなっているのか、新しい技術や商品がないか、といったことを自身で観察しましょう。この観察がなければ、的外れの施策を繰り返してしまうかもしれません。

 Orient(状況判断)

集めた生データから、なぜそのような状況が起こっているのかを考察するステップです。方向性を考えるステップのため、判断を下す必要はありません。これまでに実施したことや判断したことを振り返り、問題なかったかどうか検証しましょう。問題に気が付いた場合、新たな仮説を立てることで現状の打破につながっていきます。

 Decide(意思決定)

Orient(状況判断)に基づき、どのようなAct(行動)をとるかを決定するステップです。PDCAサイクルのように目標を明確にして計画を立てるのではなく、速やかに行動して最大限の効果を得られるようにすることがポイントです。従って、試験的な導入や入念な作り込みは必要ありません。 変化のスピードが速い環境で即決して成果を出すことに注力しましょう。

Act(行動)

Decide(意思決定)のステップで決めたことを実行するステップです。より大きな成果を得るためには、OODAループを短い期間でスピーディに回す必要があります。一巡したら観察(Observe)に戻り軌道修正を行いますが、状況に応じて1つ前のステップに戻ったり、必要と判断したステップから始めたりするようにしましょう。

     

まとめ

今回は、OODAループの概要やPDCAサイクルとの違い、4つのステップについて解説しました。OODAループとPDCAサイクルのそれぞれの特徴やメリット・デメリットを把握し、目的や状況に応じて使い分けることが大切です。OODAループを活用する際は、メンバー間の認識のズレがないようにしておく必要があります。不確実な経営環境に対応するためにも、OODAループを導入しましょう。

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