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母性健康管理措置で女性が働きやすい環境作りを解説!

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公開日:2021.5.26

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、感染への心理的ストレスから母体や胎児の健康に悪影響が及ぶ可能性があるとして母性健康管理措置が改正されました。これにより企業は、医師または助産師から指導を受けた妊婦が申し出た場合、作業や出勤の制限を行う義務が発生します。正規、非正規雇用問わず妊娠中の女性労働者に、母性健康管理措置によって有給休暇を取得させた企業には助成金が支払われるので実行しましょう。今回は母性健康管理措置の内容や期限、母性健康管理指導事項連絡カードとは何か、助成対象と要件、助成金の申請期限について解説していきます。

母性健康管理措置について

母性健康管理措置の概要

母性健康管理措置とは、男女雇用機会均等法に基づき、女性労働者の健全な働き方を支える制度です。妊娠中や出産後1年以内の女性労働者が、保健指導や健康診査の際に主治医や助産師から指導を受け、企業に申し出た場合は、企業はその指導事項を守るために必要な措置を行う義務があります。母性健康管理措置制度は、新型コロナウイルス流行の影響を受け、一部改正が行われました。具体的には、以下のような内容が定められています。

  • 保健指導または健康診査を受けるための時間の確保
    企業は、妊産婦が保健指導または健康診査を受診するために必要な時間の確保に努めなければなりません。必要な時間とは、妊娠23週目までは4週間に1回、24~35週目までは2週間に1回、36週目以降出産までは1週間に1回、最低限確保しなければならないと規定されています。これに加え、医師の指示があった場合は、その指示に従って時間を確保しなければなりません。
  • 保健指導の内容を守ることができるようにするための措置
    企業は、下記のような措置についても、作業の制限や勤務時間の短縮といった措置を適切に講じなければならないとされています。
  1. 妊娠中の通勤緩和
  2. 妊娠中の休憩に関する措置
  3. 妊娠中または出産後の症状などに関する措置

    上記に加え、今回の改正では、以下のような項目が追加されました。
  4. 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置
  • 妊娠や出産などを理由とする不利益取扱いの禁止
    企業は、妊娠中や出産後の女性労働者に対し、以下のような不利益な扱いをしてはなりません。
  1. 解雇すること
  2. 降格させること
  3. 就業環境を害すること
  4. 不利益な自宅待機を命ずること

新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置

今回の改正で追加された、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置とはどのようなものなのでしょうか。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、多くの人が日常生活に不安を抱えています。ましてや、働く妊婦の方の不安は計り知れません。そのため、妊娠中や出産後の女性労働者が、業務上における、新型コロナウイルス感染症への感染のリスクに関する心理的なストレスや、母体または胎児の健康保持に影響があるとされ、それを会社に申し出た場合に、会社には休業など必要な措置を行うことが義務付けられるようになりました。ただし、適用期間は2020年5月7日から2022年1月31日までですので注意しましょう。

新型コロナウイルス感染症の母体への影響

  • 胎児への影響
    現時点では、新型コロナウイルスに感染した妊婦から、胎児への感染は稀だと考えられています。また、ウイルスに起因して、胎児に先天異常が起こる可能性や、流産のリスクも低いでしょう。しかし、中後期の感染では、早産(37週未満)のリスクが高まり、新生児についてはNICU(新生児集中治療室)への入室が必要になる事例が多いと報告されています。
  • 重症化リスク
    妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合、重症化リスクが高まる可能性があります。高年齢での妊娠や、糖尿病・高血圧・肥満などがある場合は、特に注意が必要ですが、基礎疾患のない妊婦であっても、妊娠に伴い心肺機能や内分泌機能、血液凝固能などが変化していることが多く、これらによって重症化に繋がる可能性があるようです。

企業が講じるべき措置

改正により追加された、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置では、「感染リスクに関する心理的なストレス」や、「母体または胎児の健康保持に影響」がある場合に、母性健康管理の措置を講じることを定めていますが、未知のウイルスの脅威は上記二点に当てはまることは周知のとおりです。企業には、一日も早い対策が求められているといっても良いでしょう。

  • 感染のおそれの低い作業への転換
    接客など、人との接触が多い業務の場合、事務作業など感染リスクの低い作業への配置転換をすることなども有効な措置です。また、営業活動や接客を行う際は、オンラインを導入するなど、業務をするうえで感染リスクを低減させる努力をしましょう。
  • 出勤の制限(在宅勤務・休業)の措置
    在宅勤務や休業など、労働者の希望に合わせ柔軟に対応しましょう。

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母性健康管理指導事項連絡カードについて

カードの概要

母性健康管理指導事項連絡カードは、主治医や助産師からの指導事項の内容を、企業に伝達するためのカードです。企業が母性健康管理措置を適切に行うためには、指導事項の内容を正しく理解し、必要とされる措置が明確であることが大切です。母性健康管理指導事項連絡カードの様式は、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。また、各自治体で発行される母子健康手帳の多くに同様の様式が記載または添付されているので、これをコピーして使用することも可能です。

カードの使い方

カードは妊娠中や出産後の健康診査などを受診する際に持参しましょう。主治医や助産師などが健康診査を行った結果、勤務時間短縮や通勤緩和などの措置が必要であると判断した場合は、カードに必要な事項を記載してもらえます。その場合、妊娠中の女性労働者はカードを会社に提出することで必要な措置を申告でき、会社はカードの記載事項を確認し、勤務時間短縮などの措置を実施します。

カードの見方

カードには、つわりや貧血、高血圧、胎児の発達遅滞など、妊娠に関連する主な指導項目と、それに対応する標準措置が一覧となっています。健康診査などの結果、必要とされる措置がある場合は、主治医や助産師がチェックを付けます。新型コロナウイルスに関連する母性健康管理措置が必要な場合は、カード裏面の「特記事項」の欄に指導内容が記入されるため、見逃さないようにしましょう。通勤緩和や休憩の措置が医学的に必要な場合も明記されるので、企業は内容をよく確認し、感染対策を講じる参考にしましょう。

 

母性健康管理措置に関連する助成金について

休暇制度導入のための助成金

新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、休業が必要と判断される妊娠中や出産後の女性労働者が取得可能な有給の休暇制度を整備し、以下の要件を満たしている企業には、休暇制度導入のための助成金として、一事業場につき一回限り15万円が支給されます。

  • 年次有給休暇の賃金相当額の6割以上が支払われる休暇制度であること
  • 2021年4月1日から2022年1月31日までの間に、当該休暇を合計して5日以上労働者に取得させること

※申請期限は対象労働者の有給休暇の延べ日数が、合計5日に達した日の翌日から2022年2月28日までです。

休暇取得支援のための助成金

導入のための助成金の要件に加え、2020年5月7日から2022年1月31日までの間に、当該休暇を合計して20日以上取得させた場合、対象労働者1人につき28.5万円が助成されます。休暇取得支援のための助成金は、1事業所あたり5人までの制限があるため注意しましょう。

※申請期限は対象労働者の有給休暇の延べ日数が、合計20日に達した日の翌日から2022年2月28日までです。

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まとめ

現在は新型コロナウイルスの流行により、妊娠中や出産後の女性は、特に大きな不安を感じていることでしょう。未知のウイルスの脅威はテレビやニュースで連日報道されており、一般の人であっても、精神的な負担や健康面へのリスクは軽視できません。妊産婦ともなれば、できる限り感染リスクを低減させる配慮が必要でしょう。日本社会全体で女性活躍が推進される中、多くの企業で、産休や育休取得への理解は深まってきました。しかし、ただ休暇をとれば良いというだけではありません。産後の職場復帰の一番の近道は母子がともに元気であることです。そのため、母性健康管理措置について認識を深め、妊娠中や産後の女性が心安らかに過ごせるようサポート体制を構築しましょう。

 

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