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65歳超雇用推進助成金を受給し、高齢者の雇用環境整備を進めましょう!

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公開日:2021.3.3

65歳超雇用推進助成金は、65歳以上への定年引き上げや高年齢者の雇用環境の整備などを行うことで受け取れる助成金です。この助成金は3つのコースに分けられており、どのコースもシニア活用を進める上で重要な施策について資金が支給されるため、上手に活用しましょう。今回は、65歳超雇用推進助成金の3つのコースの内容や支給要件、支給額、助成金を受け取るメリットについて解説していきます。

65歳超雇用推進助成金とは

65歳超雇用推進助成金とは、定年引上げや高年齢者の雇用管理制度の整備など、高年齢者を無期雇用するための施策を取り入れた事業主に対する助成金です。支給要件や支給額が異なる3つのコースから構成されています。申請には、以下に述べる各コースの必要要件を満たさなければならないほか、事業自体に関する要件があるため、専門家へ相談すると安心です。

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65歳超継続雇用促進コース

以下の要件をすべて満たすことにより適用される助成金です。支給は1事業主に対して1度限りです。

  • 労働協約または就業規則により「65歳以上への定年引上げ」、「定年の廃止」、「希望者全員を66歳以上まで雇用する継続雇用制度の導入」のうち、いずれかの制度を実施した
  • 65歳以上への定年引上げの制度を整えた際に経費を要した
  • 65歳以上への定年引上げの制度を組み込んだ労働協約または就業規則を設けた
  • 申請日の前日に、高年齢者雇用推進員の指名および高年齢者雇用管理に関する対応を実施している事業主
  • 65歳以上への定年引上げの実施日より1年前から申請日の前日までの間に、高年齢者雇用安定法の対象規定に違反していない
  • 申請日の前日に、事業所に1年以上継続して雇用している60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いる(「60歳以上の雇用保険被保険者」とは、無期限の労働契約を結ぶ労働者や定年後に継続雇用制度に基づいて引き続き雇用している労働者に限ります。短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者は人数の対象にならないことに注意しましょう。)

受給額は、労働協約または就業規則に基づいて実行した対策の内容や年齢の引上げ水準、60歳以上の雇用保険被保険者数に応じて異なります。なお、定年引上げと、継続雇用制度の導入を両方とも実施した場合はいずれか高い額のみが支給されます。詳細は以下のとおりです。

60歳以上
被保険者数
65歳以上への定年引上げ 定年の
廃止
65歳まで引き上げ 66歳以上に引き上げ
(5歳未満) (5歳) (5歳未満) (5歳以上)
1~2人 10万円 15万円 15万円 20万円 20万円
3~9人 25万円 100万円 30万円 120万円 120万円
10人以上 30万円 150万円 35万円 160万円 160万円
60歳以上
被保険者数
66歳以上の継続雇用制度の導入
66~69歳まで 70歳以上
(4歳未満) (4歳) (5歳未満) (5歳以上)
1~2人 5万円 10万円 10万円 15万円
3~9人 15万円 60万円 20万円 80万円
10人以上 20万円 80万円 25万円 100万円

 

高年齢者評価制度等雇用管理改善コース

高年齢者の雇用管理制度に関する規定を労働協約または就業規則に規定し、以下を実施した場合に適用されるコースです。

  • 雇用管理整備計画の認定を受ける
    高年齢者が働く機会を得られるように能力開発や能力評価、賃金体系、労働時間などの雇用管理制度の見直しか導入を行うか、医師もしくは歯科医師による健康診断を行う制度を導入するか、どちらかの施策について計画をまとめた「雇用管理整備計画」を作成します。この計画を独立行政法人「高齢・障害・求職者支援機構」理事長に提出し、その認定を受ける必要があります。
  • 高年齢者雇用管理整備の対策を実行する
    認定を受けた「雇用管理整備計画」に基づき、期間内に高年齢者雇用管理整備の対策を実行します。

受給額は雇用管理制度の導入の際に専門家に委託・相談などに要した経費のほか、機器やシステムなどの導入に要した経費に下表の助成率を乗じた額です。なお、対象経費は初回に限り50万円とみなされ、2回目以降は50万円を上限とする経費の実費を対象とします。

  中小企業事業主の助成率 中小企業事業主以外の助成率
生産性要件を
満たした場合
75% 60%
生産性要件を
満たさなかった場合
60% 45%

なお、上記の「生産性要件」とは、助成金の申請を行う会計年度の「生産性」が、3年度前と比較して6%以上伸びている、または3年度前と比較して1%以上(6%未満)伸びていることを指します。

 

高年齢者無期雇用転換コース

以下の計画を作成し実施することによって、50歳以上で定年年齢に満たない労働者を有期契約から無期雇用に変更した場合に適用されるコースです。

  • 無期雇用転換計画の認定を受ける
    「無期雇用転換計画」を作成し、独立行政法人「高齢・障害・求職者支援機構」理事長に提出し、その認定を受けます。
  • 無期雇用転換措置を実行する
    認定を受けた「無期雇用転換計画」に基づき、期間内に高年齢の労働者を有期契約から無期雇用に変更します。

助成金は、無期雇用転換計画期間内に高年齢の労働者を有期契約から無期雇用に変更した際に1人につき48万円(中小企業以外は38万円)支給されます。生産性要件を満たした事業主は対象労働者1人につき60万円(中小企業以外は48万円)が支給されます。ただし、支給申請年度に支給対象となるのは1事業所あたり10人までです。

 

助成金を受け取るメリット

助成金を受け取ることによって導入に伴い支払った費用を一部補填できることはもちろん、政府の推進する「働き方改革」の方針に従い、「高年齢者が年齢に関わりなく働ける職場づくり」に取り組む企業としてアピールすることができます。労働力を確保しながらにして助成金も受け取れるだけでなく、高年齢者がいきいきと働く企業としてイメージアップにも繋がることは大きなメリットといえるでしょう。

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まとめ

超高齢化社会を迎える日本にとって、働く意欲と能力のある高年齢者は貴重な労働力とみなされる時代となりました。高年齢者にとっても、年齢に制限されることなく意欲や能力を存分に発揮することができる制度が整いつつあります。
このような「65歳超現役社会」への過渡期ともいえる現在、受けられる助成金を利用し、豊かな経験と能力を持った高年齢労働者が活躍できる職場づくりをすることは、日本の将来に貢献するだけでなく、企業経営にも良い影響をあたえてくれるでしょう。

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