中小法人で最大200万円! 持続化給付金の申請方法まとめ

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公開日:2020.7.3

新型コロナウイルスで影響を受けた事業者に対して、事業の継続をサポートするため、持続化給付金が新設されました。給付額は昨年の売上からの減少分を上限とし、中小法人では最大200万円、個人事業主では最大100万円です。申請は基本的に電子申請のみとされていますが、方法がわからない方には申請サポート会場にて入力サポートが行われています。今回は、持続化給付金の給付内容や対象となる方の要件、申請書類や申請方法、計算例について解説していきます。

持続化給付金とは

給付内容

持続化給付金の対象者は「中小法人等」と「個人事業者等」の2種類があります。いずれの場合も、対象月の属する事業年度の直前事業年度の年間事業収入から、「対象月」(2020年1月から12月までの間で事業者が選択した、月間事業収入が前年導月比で半分以下となる月)の月間事業収入に12を掛けた金額を差し引いた金額がコロナウイルスの影響で売上が減少した分だとみなされます。その減少分について、中小企業等の場合は上限200万円の範囲内で、個人事業者等の場合は上限100万円の範囲内で給付されるのが持続化給付金です。個人事業主の場合、決算月は12月なので、2019年の年間事業収入との差額を見ることになります。

対象となる方の要件

「中小法人等」には医療法人や農業法人、NPO法人など会社以外の法人が、「個人事業者等」にはフリーランスが含まれます。両者に共通する給付対象者の要件は、

  • 2019年以前から事業収入があり、事業継続の意思がある
  • 2020年1月以降前年導月比の事業収入が半分以下になった月がある

の2点です。「中小法人等」の場合は、給付対象者の要件としてさらに

  • 資本金の総額が10億円未満(総額が定められていない場合は従業員数が2,000人以下)

が加わります。

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持続化給付金の申請方法

持続化給付金の申請はWeb上で申請する「電子申請」が基本です。申請作業が難しい方のために「申請サポート会場」も開設されています。
電子申請のため、書類はスキャンした画像やデジカメ・スマホで撮影した写真で提出することになります。データ形式はPDF・JPG・PNGのいずれかです。書類1つにつき1つのファイルを用意します。

申請に必要な書類

  • 確定申告書類
    中小法人等の場合は法人税の確定申告書別表一の控え1枚と法人事業概況説明書の控え2枚が、個人事業者等の場合は所得税の確定申告書別表一の控え1枚と所得税青色申告決算書の控え2枚が必要です。白色申告の場合は所得税の確定申告書別表一の控え1枚だけが必要になります。確定申告書別表一の控えには収受日付印が押されていなければなりません。E-Taxで確定申告している場合は、収受日付印の代わりに受信通知1枚を画像で提出します。
  • 対象月の売上台帳等
    自分で選んだ対象月の事業収入額がわかる売上台帳などを提出します。形式の指定はなく、経理ソフトから抽出したデータやExcelのデータ、手書きの売上帳でも問題ありません。提出する書類には売上月と売上額の合計を記載する必要があります。
  • 通帳の写し
    支給金額を振り込むための口座について確認するために、通帳の写しを提出します。写しの中で銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・名義人が確認できるようにする必要があるため、必要に応じて通帳の表面と開いた1、2ページ目の両方を提出します。電子通帳の場合は画面コピーの画像を提出します。
  • 本人確認書類
    個人事業者等の場合は、運転免許証や個人番号カードなどの写しについて、住所・氏名・顔写真がわかるように提出します。

申請手順

持続化給付金の電子申請は、パソコン・スマートフォン・タブレットを使って行うことができます。パソコンとスマートフォンを使った電子申請の手順については動画が公開されていますが、電子申請から入金までの流れは以下のとおりです。

  1. 申請要件を確認し、提出する書類を画像で準備する
  2. 持続化給付金サイトで「申請する」ボタンを押し、メールアドレスなどを入力して仮登録する
  3. メールアドレスに届くメールを確認し本登録する
  4. ID・パスワードを入力して「マイページ」を作成する
  5. マイページで申請情報を入力し、書類をアップロードして申請する
  6. 持続化給付金事務局が申請内容を確認する(不備があるとメールとマイページで連絡がくる)
  7. 通常2週間程度で給付通知書が発送され、登録した銀行口座に入金される

 

持続化給付金の計算例

ここでは中小企業について、標準的な場合と特例の場合について計算例をご紹介します。持続化給付金サイトから計算用のExcelファイルをダウンロードすることができるため、自社に合わせてシミュレーションすることも可能です。

受給例1:中小企業等、標準的な場合

12月決算の中小企業で昨年の確定申告が終わっているとしましょう。昨年の1年間、毎月100万円の売上があったとします。今年も1月から4月までは100万円の売上があり、5月の売上が50万円に落ち込んだとします。その場合、今年5月の売上が昨年5月の半分なので、売上の条件を満たすことになります。昨年の売上は1,200万円。これと50万円を12倍した600万円の差額は600万円なので、上限である200万円が給付されることになります。

受給例2:中小企業等、創業特例の場合

2019年1月から12月までに法人を設立した場合は、対象月の事業収入が2019年の月平均の事業収入に比べて半分以下になると給付要件を満たします。その場合、2019年の月平均収入を12倍した額から、対象月の収入を12倍した額を差し引いた額を、200万円を上限として給付します。
2019年11月に創業し、11月と12月の売上がそれぞれ10万円、12万円、今年の1月の売上が5万円、その後5月まで毎月10万円だったとしましょう。この場合、2019年の毎月の平均売上は11万円なので、今年1月を対象月として選ぶことができます。2019年の平均売上を12倍した金額は132,000円、5万円を12倍した金額は60万円で差額は72万円となるので、差額全額の72万円が給付されることになります。

受給例3:中小企業等、季節性収入特例の場合

特定期間に収入が集中する企業の場合、季節性収入特例を選択することができます。この特例の適用条件は、

  • 2020年の任意の月を含む連続した3か月の収入が、前年同期間の3か月と比べて半分以下である
  • その期間の収入が1年間の収入の半分以上を占める

これら2点です。この場合、200万円を上限として、対象となった3か月の収入の差額が給付されます。海の家など、夏に収入が集中する会社を考えてみましょう。去年は7月と8月の収入が1,000万円、9月の収入が500万円、他の月の収入が0円、そして今年は夏も収入がなかったとしましょう。この場合は季節性収入特例の要件を満たすので、計算式により上限の200万円が給付されます。

 

まとめ

持続化給付金は新型コロナウイルス対策として広く給付を行き渡らせることを目的として作られた給付金であるため、申請のハードルはかなり低いといえます。給付金額に上限がありますが、事業継続の一助として、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

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