社名変更手続きの流れを解説

カテゴリ:コラム 投稿日: 2018.6.13 tag: , ,

会社法の規定により、会社名や商号を変更する際には、様々な内部的手続きや外部への届け出を行う必要があります。今回の記事では、社名変更に必要となる手続きについて、具体的な流れや必要書類について解説していきます。

社名変更手続きの流れ

株主総会

会社名は定款に必ず記載しなければならない事項です。したがって社名変更に伴い、株主総会を開いて定款変更の決議を行う必要があります。定款変更の決議は特別決議によらなくてはならないため、議決権の過半数を保有する株主が株主総会に参加をして議決権の3分の2をもって決議をし、議事録に記載しておく必要があります。

法務局

株主総会で会社名変更の承認を得た後、本社の所在地を管轄する法務局に会社名の変更登記を申請する必要があります。登記期間は、株主総会での特別決議の日の翌日から2週間以内となっています。なお、社名変更の登記にかかる登録免許税は3万円です。

税務署

納税地を管轄する税務署に対して、「異動事項に関する届出」を提出する必要があります。会社名変更後、速やかに届出を管轄税務署に持参または送付します。また、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用してオンラインで申請することもできます。

都道府県税事務所

地方税に関して、各都道府県税事務所に対して法人異動届を提出する必要があります。様式や提出期限など、届出の詳細は会社の所在地の税事務所へ問い合わせるか、各都道府県のウェブサイトで確認できます。

市町村

地方税に関して、都道府県税事務所と同様に市町村に対して法人異動届を提出する必要があります。こちらも、詳細は各市町村のウェブサイトから確認できます。

年金事務所

社会保険料に関して、各年金事務所に対して「健康保険・厚生年金保険適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」を提出する必要があります。詳細については各年金事務所のウェブサイトから確認できます。こちらの提出期限は「会社名変更の事実の発生から5日以内」です。なお、e-Govという政府の電子申請システムを利用してオンラインで申請することもできます。

労働基準監督署

労災保険に関して、労働基準監督署に対して「労働保険名称、所在地等変更届」を提出する必要があります。この届出は所定の用紙が必要なので、窓口へ取りに行かなければなりません。また提出時に変更内容を確認できる資料(商業登記簿謄本等)求められることがあるので、労働基準監督署に事前に連絡して必要な資料を確認することをお勧めします。提出期限は「会社名変更の事実が発生した日の翌日から10日以内」となっています。なお、こちらも上記のe-Govを利用したオンライン申請が可能です。

公共職業安定所(ハローワーク)

雇用保険に関して、公共職業安定所(ハローワーク)に「雇用保険事業主事業所各種変更届」を提出する必要があります。届出の様式・書式は窓口でもらうか、ハローワークのウェブサイトからダウンロードすることができます。提出期限は「会社名変更があった日の翌日から起算して10日以内」となっています。労働基準監督署で交付される「労働保険名称、所在地等変更届の事業主控」が必要なため、ハローワークの前に労働基準監督署への手続きを済ませておく必要があります。なお、e-Govでのオンライン申請もできます。

その他の手続き

上記の他にも、会社名変更に伴って必要な手続きとして以下のものが挙げられます。

  • 銀行等の金融機関の口座名義変更
  • 保険会社への手続き
  • 不動産管理会社への手続き
  • 公共料金の手続き
  • 通信会社への手続き
  • 社用車の所有者名称変更
  • 許認可を受けている場合の商号変更届

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注意点

商号調査を行う

同一住所に同じ商号(会社名)があると誤解を招いてしまうため、登記自体を行うことができません。そのため、事前に同じ商号が登記されていないか調査を行う必要があります。大型商業施設等の多くのテナントが入っている場所に店を構える場合はとりわけ注意する必要があります。商号調査の手段としては、

  • 管轄の法務局にある「商号調査簿」を閲覧する
  • インターネット登記情報提供サービスを利用する

の2つの方法があります。

調査の結果、同じ商号があっても本店所在地が異なっていれば変更は可能です。しかしながら、不正の目的をもって他の会社と同じような類似している商号を使用した場合、会社法8条2項や不正競争防止法の規定を基に、商号の使用停止や損害賠償の訴訟を起こされる場合があります。このようなリスクを避けるためにも商号調査は慎重に行いましょう。

法人実印を改印する

会社名を変更した際、多くの場合は法人実印も変更します。法人実印は法務局に対して印鑑登記を行っているので、変更の際には改印の届出を行う必要があります。

文字の制限

会社名の登記に関して用いることのできる文字は、法務大臣の告示により指定されています。通常の日本文字以外で使用できる文字は、

  • ローマ字(大文字及び小文字)
  • アラビア数字
  • その他特殊記号:
    「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィ)、「,」(コンマ)、「-」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点)

3つ目の各符号については、字句を区切る際の符号として使用する場合に限り用いることができます。ただし、「.」(ピリオド)については省略を表すものとして商号の末尾に用いることができます。なお、ローマ字と日本語の組み合わせや数字だけの称号もOKです。

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まとめ

会社名を変更するのには内部での手続きや各種申請など、多くの作業が必要となります。事前に手続きについて調べておき、必要書類を漏れなく準備することが欠かせません。社名は企業のイメージを左右する重要な要素の1つです。しっかりと準備を行って会社名の変更手続きに臨みましょう。

 

登記申請を適切に行うには

一定の事項を公に示すため帳簿に記載する「登記」は、会社の設立や本店の移転、役員の変更など、多くの場面で登記申請を行うことが求められます。一方で、それぞれの手続きも複雑である場合が多々あり、担当者はその方法を熟知している必要があります。

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