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グレーゾーン解消制度とは何?新規事業の不安を解消する制度を紹介します!

カテゴリ:コラム , お役立ち資料
公開日:2021.6.22

グレーゾーン解消制度とは、事業者が新規事業を行う際、現行の法規制の適用範囲が不明確な場合に、具体的な事業計画に対する規制の有無を確認できる制度です。事業者としては新規事業を行う際に懸念点となる法規制に対して、規制の有無の公的見解を事前に得られるというメリットがあります。今回はグレーゾーン解消制度の内容やメリット、ノーアクションレター制度との違い、利用方法について解説します。

グレーゾーン解消制度について

グレーゾーン解消制度とは

事業者が新規に事業を始めようとするとき、事業計画の内容が法規制に抵触せず、関係法令や規定に準じているかどうか判断が難しい場合があります。そういった個別の案件について、関連する法規制について省庁に照会することができる制度が、グレーゾーン解消制度です。グレーゾーン解消制度では、事業者が所管省庁に照会の申請をすると、事業所管省庁から適切な規制所管省庁に問い合わせをし、回答を得ることができます。回答は照会を申請した規制についてのみですが、事業所管省庁が窓口となって、さまざまな法令に基づく規制について照会することができます。

グレーゾーン解消制度活用事例

グレーゾーン解消制度はどのように活用されているのでしょうか。事例を2例ご紹介しましょう。

  • 衛生検査所を運営する企業
    照会内容:検体を衛生検査所の従業員が医療機関で受け取り、搬送するのではなく、医療機関から直接宅配便などで送付する方式を採用したいが、「臨床検査技師等に関する法律等」の規定に違反しないか。
    回答:衛生検査所が責任をもって、検体を搬送する業者に、搬送時の検体の精度管理方法などを示した「衛生検査所指導要領」を遵守させるのであれば、違反しない。(医政局指導課)
  • 労務管理ツールを開発している企業
    照会内容:パソコンの起動・終了時刻や入退出時刻の記録、メールの送受信時刻などから自動的に労働時間を算出する勤怠管理ツールの開発を考えているが、「労働基準法」に基づく労働時間の把握(記録)方法として適切なものであるか。
    回答:この勤怠管理ツールでは、客観的な記録を基礎としつつ、ずれが生ずるなどやむを得ない場合に限り労働者が自らの労働時間を自己申告できるものであり、労働基準法にある「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を満たすものであり、労働基準法の違反はない。(労働基準局監督課)

このように、グレーゾーン解消制度では、法律の条文を一読しただけでは判断が付かない事項について、所管の省庁からの明確な返答を得ることができます。

  

グレーゾーン解消制度のメリット

グレーゾーン解消制度には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
まず、グレーゾーン解消制度で照会できる法律には制限がありません。事業者が不安に思う部分に関するあらゆる法律について照会の申請ができます。また、正式な申請から原則1ヶ月程度で回答を得られるため、事業計画を中断せずに済みます。
なお、グレーゾーン解消制度の窓口は事業所管省庁であり、直接規制所管省庁に相談する必要がありません。そのため、自社事業の所管省庁で事業計画の課題点や法令違反となりやすい注意点などのアドバイスを受けることができ、相談しながら事業計画を進めていくことができます。グレーゾーン解消制度の回答が「規制の適用を受けない」という回答だった場合は、省庁のお墨付きをもらったという証明にもなるため、安心して事業を展開できるでしょう。

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グレーゾーン解消制度の利用方法

手続きの流れ

グレーゾーン解消制度を利用する事業主が最初に行うのは、新規事業の事業計画と確認したい事項を整理し、事業所管省庁に相談することです。事業所管省庁は、相談者が知りたいと思っていることについて明確な回答をもらえるように、照会の内容を整理し、手続きをサポートします。その後、事業所管省庁が作成された照会書を規制所管省庁に送付し、回答を求めます。
ここで注意が必要なのは、この制度の回答は、照会手続きを行った法令に限定されるということです。ほかの法令についても照会したい場合には、別に手続きが必要になります。また、照会を行った法令について違反しないと回答があった場合も、ほかの法令に違反しないと証明するものではありません。

照会書の記載事項

照会書を作成する際に必要な記載事項は、以下のとおりです。

  • 新事業活動及びこれに関連する事業活動の目標
  1. 事業目標の要約
  2. 生産性の向上又は新たな需要の獲得の見込み
  • 新事業活動及びこれに関連する事業活動の内容
  1. 事業内容
  2. 事業実施主体
    新事業活動に関係するすべての者について、役割と名称を記載
  3. 新事業計画を実施する場所
  4. その他
    照会にあたり追加的に説明したい点があれば記載する
  • 新事業活動及びこれに関連する事業活動の実施時期
  • 解釈及び適用の有無の確認を求める法令などの条項
    規制の根拠となっていると考えられる法令などの名称を記載する
  • 具体的な確認事項
    どのような事業計画のどの部分において、どの規制に適用されるかどうかが心配、など、確認したいことを具体的に記載する

  

ノーアクションレター制度との違い

グレーゾーン解消制度と同じように、事業計画の検討段階で、関連法令に抵触するかどうかを行政に確認する方法に、ノーアクションレター制度(法令適用事前確認手続)があります。グレーゾーン解消制度とノーアクションレター制度はよく似ています。ここでは、その違いについて確認しましょう。

照会法令の違い

まず、この2つの制度では、照会する法令が異なります。前述したように、グレーゾーン解消制度の場合は、さまざまな案件に関するあらゆる法令について照会することが可能です。それに対して、ノーアクションレター制度では、事業者にとって不利益となる事柄についてのみ、照会することができます。つまり、これから開始する事業について、「法令の規制が及ばず、処罰や行政処分を受けることはない」ということを、行政からお墨付きをもらうための制度といえるでしょう。企業が処罰や行政処分を恐れ、事業展開において委縮することないようにする効果があります。

照会先の行政庁の違い

ノーアクションレター制度を利用する場合、照会先は関連する省庁の規制所管省庁になります。また、法令によって担当規制所管官庁が違えば、それぞれに直接照会の申請手続きが必要です。例えば、2つの規定に関して照会したい場合、その規定の所管省庁が異なる場合はそれぞれの省庁に照会の申請をすることになります。

  

まとめ

職業選択の自由は「法律や公共の福祉に違反していないこと」が前提であり、きちんと確認せずに事業を始めた結果、行政処分や刑事罰の対象になる可能性もあります。しかし、新規事業はそれ自体が前例にない場合も多いため、事業者が自分で調べて判断することは、簡単ではありません。グレーゾーン解消制度には、そのような事業者の不安を解消し、新規事業を始める手助けをする役割があります。相談先が事業所管省庁であり、あらゆる法令について相談できることやアドバイスを受けられることも、この制度のメリットですので、上手に活用しましょう。

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