属人化や労働力不足に悩む企業へ!「はたらきかたマニュアル」が実現するワークフローの効率化とは【YAMAGATA INTECH株式会社】

カテゴリ:インタビュー 投稿日: 2019.2.4 tag: , ,

「はたらきかたマニュアル」は、ワークフローの効率化と知識の集約を実現すべく、業務マニュアルをわかりやすい電子コンテンツとして制作、改善する総合サービスです。
今回は「はたらきかたマニュアル」を提供する、YAMAGATA INTECH株式会社の事業開発プロジェクト室の田村進一郎氏、野本英男氏、制作部の杉山侑子氏に、本サービスのあらましについてお話を伺いました。

「人にものごとわかりやすく伝える」技術を、業務マニュアルに応用する

――「はたらきかたマニュアル」のサービスを始めるにあたり、どのようなきっかけがあったのでしょうか。

田村

私たちは1980、90年代から、もともとマニュアル制作の事業に強みを持ってきました。この事業は、モバイル機器、白物家電、オーディオ機器などの製品の仕様書を読み解き、専門家に代わってユーザーにわかりやすいマニュアルを制作するというものです。しかし昨今、海外の家電メーカの台頭や、スマート端末への機能集約、クラウド系サービスが力を強めるなど変わりゆく潮流の中で、時代に合わせた新しいフィールドで、今まで培ったノウハウを活かして勝負していくことを検討し始めました。

私たちが培ってきた技術(ノウハウ)とは、マニュアル制作の事業を通じて特化してきた、「人にものごとをわかりやすく伝える」という技術です。その技術に目を向けてみれば、機器マニュアルなどにこだわらずとも、応用できるフィールドは多岐にわたります。中でも、属人化しやすいワークフローや暗黙知の形式知化など多くの業界の方が改革を迫られている「働き方」というテーマに対して支援が可能なのではないかと考えたことが、「はたらきかたマニュアル」の生まれたきっかけです。

野本

多機能な機械系製品の紙マニュアルはとてもページ数が多く、ユーザーにはとても読みづらいものです。例えばオフィスにある複合機でいうと、何千ページにもわたることがあります。

私たちの会社は母体が印刷業であり、紙からデジタルフォーマットへ移行する事業は以前からやってきましたが、5年ほど前から、マニュアルの電子化が本格的に始まり、紙のマニュアルはスタートガイドなど必要な場合のみ提供するという形に転換してきました。近年は、製品に付属したCD-ROMで提供することが多かったのですが、CDドライブが社用PCに付いていないなど、これもまた一部のお客様には使いにくいものでした。このような背景にスマートフォンやタブレット端末の普及とともにペーパーレス化の流れも加わり、PDFなどページレイアウトされた何千ページという長さのマニュアルを直接Webのフォーマットにすることに需要があるのではないか、と考えたのです。

業務マニュアルという新しいフィールドで仕事をすることに関しては、偶然営業の過程で出会った企業の担当者さんとお話をする中で、マニュアルを電子化するニーズがあることを知りました。実店舗を持つ企業を例に考えると、ネットで購入した商品を店舗で受け取る等のサービスが増えている昨今、店舗のオペレーションは高い頻度で更新されているそうです。更新されたマニュアルのPDFをダウンロード・コピーして紙媒体で参照する形式だと、バージョンが更新されていることに気付かず、古いものを見ている可能性もあります。仕事の中でスマホやタブレット端末を導入する企業が増えたことも一因となり、ワークフローをWebのフォーマットに移行してみないかという提案には、多くの企業の方が賛同してくれましたね。

――このサービスを利用することで、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

田村

他社のサービスの場合、クラウド型のプラットフォームのみを提供していて、ユーザーがサービスを使用してマニュアルを作成・編集するという形式が多いです。

一方で私たちのサービスの強みは、マニュアルの制作業務全体を請け負うことができる点だと考えています。ヒアリングを通してマニュアルをゼロから作ることだけでなく、すでにWord等の形式で作られた紙マニュアルをWeb閲覧に適した形にリライトし、なおかつ汎用性の高いHTML化することもできます。入口から出口まで一気通貫でサポートしており、お客様のマニュアル更新フローを確立した上で成果物をすべて編集環境に格納してから提供するので、引き続きのお客さまの環境でメンテナンスも可能です。

また、多様な言語への翻訳にも対応しているため、外国人就労者が働く企業が増える中でのマニュアルの多言語化といったニーズにも応えることができます。

杉山

マニュアルの制作面では、新人の方の目線に立ったサポートをできる点が私たちの強みです。企業の業務マニュアルは内情を把握している社内の方が作っているため、「新人が分からない部分が分からない」という状況が多々あります。私たちは第三者であり、かつ「人にものごとをわかり易く伝える」ことに強みを持っているので、新人の方がわからないであろう部分を指摘し書き直しをするなど、俯瞰的に見て内部の方に気付きを与えるようなサポートが可能です。このように、マニュアル制作をするうえでは、マニュアルを見ただけで業務ができるようになるようにすることを心がけています。

野本

リライトを行う際に数千ページものマニュアルをもらうと、業界用語や社内の専用用語など、私たちにはわからない用語が当然たくさん出てきます。以前それらをまとめて用語集を作成し、Webで検索可能にしたところ、お客様から大変好評をいただきました。本部でマニュアル制作を行うベテラン社員の方にとっては当たり前となっている用語であっても、私たちは新人の方と同様の場所でつまずきますので、そういった新人の方に近い視点で制作を行えることは私たちの強みですね。

 

紙のレイアウトをWebでどう再現し、どう使いやすくするか

――世の中ではペーパーレス化が進んでいますが、未だにWebで文書を見る文化は浸透しきっていないように感じます。サービスを使ってもらうために、どのような工夫をされていますか?

杉山

横に長いフロー図や、Excelファイルをダウンロードしなければならない帳票など、やはり未だに紙のフォーマットである必要性が高い場面は少なくありません。そのような場合はリライト前のPDFもWebからダウンロードできるようにしておき、ユーザー側にHTML形式のマニュアルとどちらを使用するか選択を委ねるようにしたり、検索が必要な部分のみをHTML化し、従来の紙の文書までたどり着き易くしたりしています。

野本

私たちのシステムはシンプルなエディターですので、お客様のご要望に合わせたWebサイトを都度設計しています。ただ流通業のお客様の場合には、ローンチしたその日を境に、紙媒体をやめたいという決意表明であることも多いですね。そのような際に紙でレイアウトされている情報をWebでどう再現し、どう使いやすくするかを考えるのが、私たちの力の見せ所です。

私たちの制作のポリシーのうち、1つのユーザータスクを確実に1トピックの中に収めるというものがあります。それによって1つの情報に対して、固有のURLを割り振ることができるからです。例えば、トイレの清掃チェックシートにQRコードを貼り付けて、それを読み込めば、清掃の手順マニュアルのトピックが直接表示されるなど、その業務のパートに検索しなくてもたどり着くことができる、といった工夫ができます。

また、できるだけ少ないスクロール数で全情報を得られるようにしており、時には勇気を持って書かない、という選択をすることもありますね。お陰様で、目次のタイトルで何が書いてあるかが一目瞭然だ、とお客様から評価をいただいたこともあります。

田村

私たちとしてもマニュアルを改善していきたい中で、どんな部分が伝わりにくかったのかを知ることは重要で、サービスの定義を行っていた当初にどうやったらその情報を得られるかを多く議論しました。。現在も改良の途中ではありますが、お客様のご要望に合わせてマニュアルのフィードバックシステムを実装した事例はありますし、来年以降に新規サービスとして提供することも検討しています。

 

会社の重要な情報が、共有知としてメンテナンスされることに価値がある

――2019年1月にサービス開始予定の「はたらきかたマニュアル」について、教えてください。

田村

「はたらきかたマニュアル」は、働き方の調査・分析、マニュアル制作、はたらきかたエディターによるHTMLマニュアルの作成環境の提供、クラウド配信運用の4つのソリューションを統合した、働き方の総合サービスです。制作前に行う調査・分析では、実際に店舗に足を運んだり現場の方のお話を伺ったりすることで、マニュアル制作の指針となる問題点をあぶり出すなど、トータルでのサポートが特徴です。

2019年1月にはHTMLマニュアルの制作クラウドサービス“はたらきかたエディター”をリリースし、4月には翻訳・多言語化に対応したバージョンアップを行う予定です。

野本

このサービスのその他の特徴として、動画コンテンツを活用できることが挙げられます。ベテランの方が使う業務の「コツ」など、マニュアルの文章に反映できないものに関しては、動画をそのまま貼り付ける形で、ユーザーの方が閲覧できる仕様にしています。これはWeb上の枠組みの中でユーザーが簡単に使えるものなので、スマホで撮影したものを編集無しでアップロードしたり、動画の下に説明文章を入れたりすることもできます。また研修用の動画など、有りものの素材をご提供いただければ、私たちが編集するという形での対応も可能です。

Webでの検索機能や、このような動画コンテンツを活用することで、ユーザーの方はワークフローの「分からない部分だけ」を取り出して学ぶことができます。紙のマニュアルの場合では、わざわざ仕事が終わった後にマニュアルブックを引っ張り出してきて、分からない部分を探す、といった無駄が生じてしまします。それが私たちのサービスであれば、作業中にわからない部分だけスマホで簡単に見ることができます。

新人の方については、マニュアルを利用した自己学習の機会を作ることで、チューターの方がフリーになる時間を作れるなど、会社の業務効率性から言っても大きなメリットです。

――最後に、この「はたらきかたマニュアル」を通じてどういった世の中にしたいか、想いをお聞かせください。

野本

これまで日本人は先輩の背中を見て仕事を覚える文化でしたが、近年労働力の多人種化も伴い、そのような認識は徐々に変わってきています。取扱説明書は正しく使ってもらうことだけを目的としていましたが、マニュアルはそれ以上に仕事の効率化も目指していますので、その認識が更に世の中に浸透してもらえれば、と思いますね。

企業の方のお話を聞いていると、たまに「業務効率化はそのうちAIがやってくれる」といった意見をイメージだけで話す人いますが、やはりマニュアルの電子化のような地味な部分から始めていかないと、そういった未来は決して来ません。

田村

私は働き方改革だけでなく、会社の重要なものがすべて集まるドキュメントが、共有知として日々メンテナンスされていくことに価値があると思います。職人気質の方が頭の中に持っている知識を社内にフラットに共有できればそれは会社の強みになります。更に、はたらきかたマニュアルが会社のマニュアルとなり、会社のすべて、ハートまで詰まった場所になれば、更に価値は高まるでしょう。逆に、暗黙知を共有知化できない日本企業は、知識が風化してしまい、競争の激しい国際社会の中で成長していけないと思います。

 

編集後記

正しく業務を行うだけでなく、業務効率化に繋げる。そんな業務マニュアルのあり方は、働き方改革の進むこれからの世の中で、重要な考え方になっていくのではないでしょうか。

総務担当者にとっても業務の属人化は大きな問題であり、一歩進んだ戦略総務としての役割を果たすには、ワークフローの可視化を避けて通ることはできません。総務業務の可視化に悩む担当者の方は、「はたらきかたマニュアル」の活用を是非検討してみてはいかがでしょうか。

【取材にご協力いただいた企業】

YAMAGATA INTECH株式会社
〒140-0001
東京都品川区北品川3-3-5 北品川御殿山ビル2F・3F

https://www.how2work.jp/

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