Wマークって、どのように取得するの? ―Wマーク申請手続き、徹底解説

tag:
公開日:2016.10.28

みなさま、「Wマーク(ホワイトマーク)」という言葉を聞いたことはありますか? Wマークとは、厚生労働省から安全衛生優良企業として認定された企業に付与されるマークであり、いわばホワイト企業の証です。

ブラック企業の問題が世間を賑わせる昨今、Wマークを取得することは社会的な信頼や優秀な人材を獲得することにつながります。今回は、Wマークの概要や、取得にあたっての申請手続きについて御説明します。

 

Wマークとは

Wマークとは、厚生労働省が実施する「安全衛生優良企業公表制度」において、安全衛生優良企業と認定された企業に付与されるマークのことをいいます。

安全衛生優良企業公表制度は2015年6月から始まった制度で、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善している企業を、厚生労働省が安全衛生優良企業として認定し、企業名を公表します。これにより、認定企業の社会的な認知を高め、より多くの企業に安全衛生への積極的な取り組みを促進することを目的としています。

Wマークの認定を受けることで、企業側には求職者や取引先など外部の人へのアピールに役立ち、社会的な信頼を獲得することにつながるというメリットが生じます。またWマークの取得状況で、その企業が安全かつ健康な職場環境かどうかを判断することができるため、求職者に対してもメリットがあります。

以下の記事では、厚生労働省から委託を受けてWマークの普及推進を行っている、非営利一般社団法人安全衛生優良企業マーク推進機構の木村誠理事長へのインタビューを掲載しています。Wマークへの理解がさらに深まりますので、ぜひ参考にしてください。

 

・国がホワイト企業を認定! Wマーク(安全衛生優良企業公表制度)とは?

国がホワイト企業を認定! Wマーク(安全衛生優良企業公表制度)とは?

 

Wマーク認定の申請手続き

ここでは、Wマーク認定のための申請手続きについて説明していきます。

Wマーク認定の対象は、日本国内で労働者を雇用するすべての企業・法人です。企業における健康づくりや働きやすさの取組を評価するものですので、製造業に限らず、金融業やサービス業など、どの業種の企業でも申請することができます。

Wマーク認定の申請を希望する場合、まずは厚生労働省のホームページにある自己診断サイトで、自社の安全衛生への取組レベルを自己診断する必要があります。基準レベルを満たしているかどうかの判断をする際は、自己診断サイトに載っている事例や、厚生労働省の示す認定基準解説書を参考にしましょう。

自己診断の結果、安全衛生優良企業の基準を満たしている場合には、その基準を満たしていることを証明する書類を添付して、本社を管轄する都道府県労働局に申請します。その後、労働局による書類審査やヒアリング調査の結果を基に認定可否が審査され、認定された企業には「安全衛生優良企業認定通知書」が交付されます。認定を受けることができた場合、申請時に希望をしていれば、厚生労働省のホームページに企業名が公表されます。

なお、認定の有効期間は3年間ですので、3年が経過する時点で引き続き認定を取得する場合には、再度申請が必要です。また、認定を受けた後に何らかの事情によって認定基準を満たさなくなってしまった場合は、安全衛生優良企業認定通知書を返納する必要がありますので、認定を受けた労働局に相談するようにしましょう。認定基準を満たさないまま認定証を返納しない場合は認定が取り消される恐れがあり、取り消し後2年間は再申請ができなくなってしまうため、注意が必要です。

 

Wマークの認定基準

ここでは、Wマーク認定にあたっての認定基準について説明します。

安全衛生優良企業として認定されるための評価項目は、優良企業として必ず満たさなければならない第一、第二の項目と、企業の積極的な取組を個別で評価する第三の項目の3つに分かれており、それぞれの項目について詳細な下位項目が設けられています。

第一、第二項目は必要項目とされ、すべてを満たしている必要があります。第三項目の評価項目は、労働者が心身ともに健康かつ安全に働けるかどうかを厳しく評価するもので、各項目に点数が与えられています。点数の合計が一定以上でないと認定が受けられないため、どのような取組が必要であるかを申請前によく確認し、社内環境の改善に努めるようにしましょう。

以下では、認定基準および評価項目の一例を紹介します。

 

第一項目:企業の状況として満たしていることが必要な項目(必要項目)

1:労働安全衛生法等の違反の状況

・過去3年以内に労働基準関係法令の違反で送検されていないこと

・過去3年以内に労働関係法令に重大な違反が認められたことにより、行政機関により企業名が公表されていないこと など

 

2:労働災害発生状況(派遣労働者を含む)

・過去3年以内に法令違反による死亡災害又は障害等級7級以上に相当する重篤な労働災 害を2件以上発生させていないこと

・過去3年間のすべての年において、企業の同一業種の事業場ごとに休業1日以上の労働災害の発生率が、同業種の平均発生率を下回っていること など

 

3:その他優良企業として満たしていることが必要な状況

・過去3年間の企業活動において、「安全衛生に関する優良企業」としてふさわしくない問題を生じさせていないこと

・過去2年間に「安全優良企業認定取消基準」に該当することが確認され、認定が取り消されたことがないこと など

 

第二項目:企業の取組として満たしていることが必要な項目(必要項目)

1:安全衛生の実施体制の取組

・各事業場に従業員の健康や安全を担当する組織があるか、又は担当者を置いているか、また、企業本社には、全社的な健康や安全を担当する組織又は担当者を置いていること

・各事業場に健康や安全に関する責任者を任命していること など

 

2:安全衛生全般の取組

・企業のトップが従業員の健康や安全の確保を重視する方針を明文化していること

・明文化した従業員の健康や安全の確保を重視する方針を従業員に周知、共有していること

・安全衛生教育に関する実施計画を策定し、実施していること など

 

第三項目:企業の積極的な取組を評価する項目(評価項目)

1:安全衛生活動を推進するための取組状況

・主要な事業場ごとに安全衛生に関して従業員が主体となって行う取組を支援しているか

・各事業場の安全衛生組織・担当者の活動が効果的に機能できるよう、継続的に本社からの支援が実施されているか など

 

2:健康で働きやすい職場環境の整備

・企業全体としての従業員の健康の保持・増進に関する計画を策定し、着実に実施しているか

・企業全体としてのメンタルヘルス対策を推進するための計画を策定し、実施しているか

・過重労働防止対策として、企業全体の労働の負荷を軽減するための計画を策定し、実施しているか

・企業のすべての屋内の職場において、受動喫煙防止対策(全面禁煙又は空間分煙)を実施しているか など

 

3:安全でリスクの少ない職場環境の整備(危険有害業務のある業種のみ)

・安全活動のための計画を策定し、着実に実施しているか

・ヒヤリ・ハット活動を継続的に実施するための具体的な方法を定め、実施体制を整えており、着実に実施されているか

・過去の労働災害の事例の分析を継続的に実施できる体制が整っており、当該分析結果の関係者への共有、分析結果に基づく再発防止対策が実施されているか など

 

ここに挙げたのは一例であり、評価項目の数は50以上にのぼります。各項目について取組状況が分かる書類を提出しなければいけないので、取得にあたっては膨大な資料や労力が必要です。このように、Wマークの取得は簡単なものではありませんが、それだけにWマークは価値の高いものであると認識されるのです。

 

 

まとめ

Wマークは取得のハードルが高く、簡単に取得できるものではありません。しかし、認定取得後のメリットは非常に大きく、挑戦する価値はあるといえます。

Wマークの認定基準は非常に厳しいものですが、その基準を満たしていくこと自体が労働環境の改善につながります。ぜひ、自社でのWマーク取得を検討してみてください。

こちらも読まれています:

この記事が気に入ったら いいね!しよう
somu-lierから最新の情報をお届けします

この記事に関連する記事