在宅勤務手当の支給方法は?特徴と税金について解説します

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公開日:2021.5.28

コロナ禍で在宅勤務を導入する企業が多い中、家庭の生活負担や労働環境の整備に対する補償として在宅勤務手当を支給する企業が増えています。在宅勤務手当の支給方法として現金支給や現物支給があり、それぞれにメリット、デメリットがあるので上手に使い分けましょう。今回は在宅勤務手当の支給方法や特徴、税金の取り扱い、相場と事例を紹介します。

在宅勤務手当について

在宅勤務手当の概要

在宅勤務手当とは、在宅勤務をする従業員に支払われる手当です。在宅勤務を行うには、自宅でも仕事がしやすいように環境を整備するためのコストがかかります。たとえば、机や椅子などの準備や、インターネットを使うために通信回線を導入する場合もあるでしょう。さらに、自宅での活動時間が増えるので光熱費や食費も増えることが想像できます。こうした費用は在宅勤務を行うことで発生することを考慮し、従業員の負担を軽減する目的で在宅勤務手当を支給する企業が増えています。

支給額の相場

在宅勤務手当の支給額は、事例を元に予測すると月額3,000円〜10,000円が相場となっているようです。在宅勤務手当を何に使うのかは、企業によって方針が違いますが、多くの場合は光熱費や環境整備のための費用、感染拡大防止のためのマスクや消毒液といった衛生用品の購入費用を手当支給の目的とする企業が多いようです。

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在宅勤務手当の支給方法 

現金支給

  • 実費を支給する場合
    在宅勤務に通常必要な費用の実費相当額を精算する方法です。従業員によって自宅の環境はさまざまなので、各自必要な物を購入し、かかった実費をもとに手当が支給されるのは合理的といえるでしょう。しかし、従業員ごと、購入した物品ごとに精算手続きをしなければならないため、従業員が多い企業では事務負担が大きくなる可能性があります。また、実費とはいっても、限度額や手当の対象になる物品をある程度定めておくなど、ルール作りも必要です。
  • 一律で支給する場合
    多くの企業で採用されているのが、月額5,000円など一律で手当を支給する方法です。支給された手当の使い道は従業員が自由に決めて良い場合が多く、在宅勤務に関係ない用途で使用しても問題ありません。その点では、家族手当や住宅手当と同じ扱いといえるでしょう。ただし、在宅勤務は、導入時の準備では想定以上にお金がかかる場合も多く、支給額以上の負担が発生する場合は、別途相談できる体制が必要です。

現物支給

現物支給とは、手当を金銭で支払う代わりに自社製品や社宅の貸与などの経済的利益を従業員に支給する方法です。ただし、現物支給するためには、労働組合との労働協約の締結が必須条件です。労働者の過半数を代表する者との協定(労使協定)では認められません。そのため、労働組合がない企業では現物で手当を支払うことができないため注意が必要です。在宅勤務に必要なパソコンや事務用品を支給した場合、在宅勤務手当を現物支給していることになります。しかし、在宅勤務終了後は企業に返却するルールがある場合は「支給」ではなく「貸与」なので、手当には該当しません。

 

在宅勤務手当の税務処理

一律支給では給与扱いになる

企業が従業員に一律で在宅勤務手当を支給する場合は、従業員に対する給与となり、課税対象になります。国税庁より発表された「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」(2021年1月)によると、在宅勤務時の電話・通信料金に対する手当は非課税になるとされています。しかし、業務時間中の電気・通信料金は、定められた計算方法で従業員ごとに算出する必要があり、相当な労力がかかるでしょう。そのため、課税対象と割り切って支給している企業も多いようです。

実費支給は給与にならない

在宅勤務に通常必要な費用を実費支給している場合は、給与に該当しないため課税されません。例えば、パソコンや事務用品などを購入した場合、領収書などの購入証明となる資料を企業に提出して、実費分を企業が負担するケースであれば給与とはみなされません。

現物支給の場合

現物支給は、原則、給与とみなされ課税対象になります。しかし、所得税法に定められる一定品目に関しては非課税とされています。在宅勤務手当に関連するものだと、食事の支給や自社サービスの割引利用などが現物給与の非課税品目に該当するため、課税の面から手当の内容を考えてみるのも良いでしょう。

 

在宅勤務手当の事例3選

株式会社日立製作所

株式会社日立製作所では在宅勤務感染対策補助手当の支給を開始しました。全従業員に対して、在宅勤務に必要な費用や出社する場合の感染予防対策に必要な出費に対する補填として、1ヶ月あたり3,000円を支給されます。また、カフェテリアプラン制度における在宅勤務のための援助も行われ、従業員が在宅勤務のために購入した情報機器や机などの物品購入費用が補助の対象です。さらに、新型コロナウイルス対応業務手当も新設しており、感染リスクが高い業務に従事する従業員に対し、1日当たり500円〜1,000円が支給されます。

ソニー株式会社

ソニー株式会社ではコロナ禍における新しい取り組みとして、1ヶ月あたり5,000円が支給さる在宅勤務手当制度を新設しました。通勤費に関しては、コロナ以前は6ヵ月定期券を支給していましたが、現在は原則実費精算に変更されています。また、在宅勤務制度もフレキシブルワーク制度が採用されており、新型コロナウイルス感染を予防するための働き方が推奨されるようになりました。感染対策だけでなく、組織の業務効率向上や従業員個⼈の⽣産性向上を目的として、今後も在宅勤務を取り入れた柔軟な働き方を目指します。

キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社では、自社独自の働き改革の指針である、「働きがい改革KIRIN Work Style3.0」の一環として、毎月3,000円の在宅勤務手当の支給を決定しました。週3日以上在宅勤務を行う従業員に対して支給され、国内約4,000人が対象になります。この在宅勤務手当は、業務にかかる光熱費などの費用補填、ならびに柔軟な働き方を支援することが目的です。キリングループは仕事の意義・目的に基づく、「継続した仕事の見直し」×「主体的な働き方」により、一人一人が働きがいを実感することで、グループの持続的な成長に繋がる「生産性向上」×「創造性向上」×「個の充実」の実現を目指します。

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まとめ

はじめて在宅勤務をする従業員の場合、オフィスと同等のクオリティの業務を自宅でするためには、環境整備が重要だと痛感した方も多いのではないでしょうか。また、在宅勤務をすることで、光熱費や食費などが増え、従業員の家計の負担になる場合も多いようです。

このような負担を軽減するために、多くの企業で導入されているのが在宅勤務手当です。支給金額や支給方法は企業によってさまざまですが、新しい仕事環境で頑張る従業員の励みになるでしょう。この機会に在宅勤務手当を導入し、社内の「働き方改革」を進めましょう。

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