節税効果も!出張旅費規定を作るメリットとデメリット

カテゴリ:コラム 投稿日: 2017.10.23 tag: , ,

 

出張の際の交通費や宿泊費とは別に、雑費を補填する上で支給される「出張日当」ですが、出張旅費規定によってその額を適正に定めることで、損金算入が可能となり節税効果が生まれます。しかし出張旅費規定を整備する際には、全社員を対象とすることや、同業他社と比較して金額が適当であることなどを注意する必要があります。今回は出張旅費規定を定める上での注意点や、メリット・デメリットについて解説します。

出張旅費規定とは

出張旅費規程とは、会社での出張関連の旅費の取り扱いに関して定めた規程です。法人成りした会社のみが作成でき、節税効果があるということでも知られています。出張旅費規定を作成した場合、出張関連の旅費はこの規定に基づき会社から支給されることになります。

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出張旅費規定の作成方法

出張旅費規定の作成方法の例は以下のとおりです。

① 目的を定める

まずは出張旅費規程の果たすべき目的を定め、就業規則の規定に基づき項目として記載する必要性があります。

② 適用範囲を定める

原則として、出張旅費規程の対象は全社員としなければなりません。しかし社長と役員とそれ以外を区別するなど、役職に応じて支給額に差をつけることは可能です。非正規雇用社員やパートなどが出張する必要がある場合は、別途明記しておきましょう。

③ 出張の定義を決める

出張の内容に応じて、その距離や交通機関は様々です。距離などによって出張かどうかを区別・判断し、またどの交通機関を交通手段として認めるかなども記載する必要があります。例えば、移動距離が「片道100km」を超える出張か、そうでないかによって出張を区分する方法が、一般的に多く採用されています。

④ 旅費の種類と支給額を決める

旅費には、交通費・宿泊費、それ以外に必要な雑費を補填する意味合いである出張日当などがあり、それぞれの支給額を定めます。支給方法は実費精算に限定されておらず、実費精算か定額支給等の方法を選択し、定めることとなります。

⑤ 出張の手続きを定める

以上の要素を盛り込んで出張旅費規定を作成した後、出張申請や旅費の精算など、必要となる手続きに明確にしておく必要があります。

 

出張旅費規定を定める上での注意点

  • 対象者は全社員にする
    前述の通り、出張旅費規定は役員を含む全社員が対象でなければなりません。また、規程がないのに日当を支給すると、給与とみなされ課税対象となるため注意が必要です。
  • 出張旅費規定の承認
    出張旅費規程を作成した後には、株主総会、取締役会等の意思決定機関の承認を受けて、会社の正式な規定であることを証明する必要があります。
  • 支給金額の設定の妥当性
    旅費の支給金額は、交通費、宿泊費、日当等の内容ごとに、同業種、同規模の他の会社等が一般的に支給している金額と比較して、妥当であることが求められます。
  • 出張報告書の作成
    税務所への証拠書類として出張報告書を作成し、現地での業務を記録する必要があります。これは、日当の支払いにはレシートや領収書が関係せず、日当支給の根拠となる情報を記載しておく必要があるためです。

 

出張旅費規定を定めるメリット

  • 法人税の節税効果
    出張旅費規定を整備した上で日当を支給すると、その金額は通常の給与と異なり、非課税所得として取り扱われます。法人税を発生させずに会社から個人へ資金を動かすことができるため、出張が多い会社であれば大きい節税効果を得ることができます。
    一方で、出張旅費規定を作成していなければ、出張日当は給与として扱われ、損金算入がされない課税所得として扱われるため注意が必要です。
  • 事務処理の簡略化
    出張旅費規定を作成していない場合、交通費や宿泊費の補填は、領収書に基づく実費精算が基本となります。一方で出張旅費規定を作成すると、出張旅費規定において定額支給によって補填する旨を定めれば、領収書を確認して旅費を集計する手間を省くことができます。

 

出張旅費規定を定めるデメリット

  • 会社の支出が増える可能性
    出張旅費規定を作成していない時点では、役員だけなど限定的に出張日当を支給することが可能でしたが、出張旅費規定を作成すると従業員全員に支給する必要が生まれます。結果として規定を整備する以前と比較して、会社全体の支出が増大する可能性が考えられます。
  • 損金算入否認のリスク
    出張旅費規定を作成することによる節税の効果に過大に依存し、通常必要とされる金額より多くの額を出張旅費として支給してしまうケースがあります。税務調査において支給額が適正額より多いとが指摘された場合、超過分が損金として算入されなくなり課税所得として扱われる上、それ以上の支払いが求められることとなる場合もあるため注意が必要です。

 

まとめ

出張旅費規定を作成するメリットとして、法人税の節税効果が生まれるメリットが挙げられる一方で、従業員全員に出張日当を支払う必要が生まれることで支出が増大する可能性もあります。企業の出張の頻度や従業員の形態に合わせて、出張旅費規定の整備とコストメリットを比較し、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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