サバティカル休暇とは?サバティカル休暇の効果・意味と注意点について解説

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公開日:2023.11.15

サバティカル休暇とは、長期にわたり勤務をした従業員に対し、長期休暇を付与することを指します。サバティカル休暇を導入することによって、従業員は長期休暇を使って新たな経験やスキルを身につけることが可能になります。また、企業のイメージアップや退職者の減少などの効果も期待されます。一方、サバティカル休暇を導入することによって企業は長期間従業員を手放すことになってしまうため、それに対応するための社内整備が必要になります。

     

サバティカル休暇が注目されている

サバティカル休暇とは

サバティカル休暇とは長期勤続者に対して与えられる長期休暇のことです。休暇の使途や期間に定めはなく、どのように休暇を利用するかは個人の裁量に委ねられています。サバティカル休暇の期間は企業によって異なりますが、1ヶ月以上から長くて1年以上もの休暇が認められる場合もあるのです。サバティカル休暇はバケーションとして利用するだけでなく、従業員がやりたかったことを実現するための機会としても活用されています。

サバティカル休暇が注目される背景

サバティカル休暇は米国で大学教員を対象に導入されたことが始まりと言われています。その後、仕事だけでなく家族や自分自身の生活も大切にすべきであるという価値観に基づいて、ヨーロッパの企業を中心にサバティカル休暇が取り入れられました。日本でも働き方改革の推進やワークライフバランスを重視する傾向が定着してきており、サバティカル休暇を導入する企業が少しずつ増えてきています。


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サバティカル休暇のメリット・デメリット

メリット1:離職率低下につながる

サバティカル休暇が導入されていると、離職率低下につながります。通常の働き方では仕事が忙しいとなかなか心身が休まらず、結果として離職を選んでしまうケースも少なくありません。そうした際に従業員がサバティカル休暇を取得できれば、離職を選択しなくても長期休暇でリフレッシュできます。また、サバティカル休暇の取得が長期的に勤務するモチベーションにもつながるため、結果的に離職率も低下するメリットが考えられます。

メリット2:企業イメージがアップする

サバティカル休暇が整備されていれば、企業イメージがアップします。就職後に長期の休みを取得できる企業は日本ではあまりありません。有給休暇の取得はできたとしても、連続して休むには事前の調整が求められる職場が少なくないためです。そうした際にサバティカル休暇を利用できるという実績があれば、企業への評価が高まります。福利厚生の充実により従業員のエンゲージメントが向上するだけでなく、優秀な人材確保にもつながるのです。

メリット3:従業員のスキル向上を促せる

従業員のスキル向上を促すことにも、サバティカル休暇は有効です。サバティカル休暇は使途に定めはなく、企業によって異なりますが1ヶ月以上の長期休暇を取得できるとお伝えしました。従業員は自己成長や新たなイノベーションを生み出すきっかけとして、サバティカル休暇を活用できるのです。例えば、海外留学やボランティアへの参加など、従業員は長期休暇だからこそ得られる経験を積めます。

デメリット:社内体制を構築する必要がある

サバティカル休暇を導入する際には、社内体制を構築する必要があることを認識しておきましょう。サバティカル休暇を従業員が取得すると、長期間不在になるために業務が混乱する恐れがあります。業務量の調整やサバティカル休暇前に引継期間を設けるなど、社内調整が必要です。また、サバティカル休暇明けの復職にも配慮しなければなりません。休暇中には業務内容や人間関係といった職場環境の変化が生じる可能性があり、場合によっては復職する方へのフォローアップが求められます。

     

サバティカル休暇を導入した企業の成功事例

LINEヤフー株式会社

LINEヤフー株式会社はキャリアを見つめ直すためなら、どんなことに使っても良い期間としてサバティカル休暇を設けている企業です。勤続10年以上の正社員の方が対象で、2〜3ヶ月間の休みを取得できると言います。その間、1ヶ月間は給与も支給され、残りの期間は年次有給休暇や積立有給休暇を当てることもできるそうで、サバティカル休暇を取得しやすい環境が整備されています。2013年11月の導入以降、「子育てと家庭・仕事・キャリアのバランスを見つめ直せた」という体験談が寄せられるなど、サバティカル休暇を積極的に取得する方が増えているそうです。

株式会社アトラエ

テクノロジーによって人々の可能性を拡げる事業を展開している株式会社アトラエでは、サバティカル3という勤続3年ごとに1ヶ月の有給休暇を取得できる制度を2018年からスタートされています。意欲ある人が無駄なストレスなく、イキイキと働けるようにという考えからサバティカル3は導入されました。長期旅行・海外留学・資格取得・家族との時間など、人生を豊かにするようなことにサバティカル3が活用されていると言います。

株式会社ファインデックス

医療システムなどの開発を手掛ける株式会社ファインデックスでは、サバティカル休暇制度が2018年から導入されました。勤続10年ごとに最長6ヶ月の休暇を取得できるそうで、休暇中は基本給の3割が支給され、取得後は取得前と同じ条件で復帰できるそうです。サバティカル休暇中は休養・勉強・ボランティア留学など短期の休暇では難しかったことに挑戦したり、競合企業でなければ他社で働いたりできると言います。

     

まとめ

サバティカル休暇は日本企業でも導入され、注目が集まっている制度です。従業員のライフワークバランスが向上するだけでなく、企業のイメージアップも期待できます。ただし、サバティカル休暇をスムーズに導入するためには、社内体制の構築といった前もった準備を行うようにしましょう。働きやすい企業としてアピールするためにも、サバティカル休暇の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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