資金調達の一手、増資手続き徹底解説!

カテゴリ:クローズアップ 投稿日: 2017.3.2 tag: ,

増資

会社の成長に伴い、新規で株式を発行して資本金を増やす「増資」を行う場面が発生します。増資により資金調達が可能となり、会社の信用度向上等の効果も得られます。

増資には一定の手続きが必要ですが、あらかじめ手続きを理解することで、スムーズに進めることが可能となります。

今回は、ベンチャー企業で用いられることの多い「総数引受契約」を用いた増資手続きについて解説します。

 

増資とは

増資とは、株式会社が新規で株式を発行し、資本金を増やすことをいいます。増資を行うことで資金調達が可能となり、事業拡大等に役立てることができます。また、会社の信用度が向上し、他社との取引がしやすくなるなどの効果も得られます。

資金の払込みを伴う有償増資の種類としては、「公募増資」「株主割当増資」「第三者割当増資」の3種類が存在します。それぞれの特徴を理解して、適切な増資方法を選ぶようにしましょう。

 

公募増資

公募増資は、不特定かつ多数の投資家から応募者を募り、新株を発行する方法です。集められる資金の量が最も多く、株主層が拡大します。公募増資は、上場企業によって行われることがほとんどだといえます。

 

株主割当増資

株主割当増資は、既存の株主に対して、保有している株式の割合(持株比率)に応じて新株を発行する方法です。株主が新たに増えることはなく、議決権の割合も大きくは変わらないことが特徴です。

 

第三者割当増資

第三者割当増資は、取引先や取引金融機関、自社の社員など特定の第三者から応募者を募り、新株を発行する方法です。公募により増資を行うことが難しい非上場の中小企業等が資金調達を行う際に多く採用される方法だといえます。

 

増資(新株発行)の方法

ここからは、ベンチャー企業が外部から投資を受けるために用いることの多い「第三者割当増資」について解説します。第三者割当増資で新株発行を行う方法としては、「申込割当方式」と「総数引受契約方式」の2種類が存在します。

 

申込割当方式

申込割当方式は、募集株式の数や払込金額等の「募集事項」を株主総会で決定したうえで、株主引受けの募集を行って申込みを受け付け、その中から会社が募集株式を割り当てる人や割り当てる株式数を決定する方法です。

会社法で定められている原則はこちらの方式ですが、申込書や決定通知書等の書類作成が必要なうえ、新株発行に最短でも2日間かかることが難点として挙げられます。

 

総数引受契約方式

総数引受契約方式は、発行する新株の引受人がすでに決まっている場合に用いられる方法です。発行予定の新株すべてを引き受けるという「総数引受契約」を、会社と引受人が締結することで、申込みや割当の手続きを省略することができます。

総数引受契約方式の場合、新株発行手続きを最短1日で完了することができます。

 

新株発行手続きの流れ<総数引受契約方式>

ベンチャー企業が増資を行う際は、新株の引受人がすでに決定している場合が多いことから、総数引受契約方式が選択されることが多いといえます。ここでは、総数引受契約方式の新株発行手続きについて解説します。

 

株主総会の実施・募集事項の決定

まず、株主総会において、募集事項の決定を行います。決定する内容としては、発行予定の新株の種類や数、払込金額またはその算定方法、金銭以外の財産を出資する際にはその旨と当該財産の内容および価額、払込期日、増加する資本金および資本準備金に関する事項が挙げられます。

なお、募集事項の決定については、株主総会の決議により、取締役会または取締役に委任することもできます(委任の効力は、当該決議の日から1年以内とされます)。このとき、募集株式の数の上限と払込金額の下限を定めることが必要です。

 

総数引受契約の承認・締結

次に、総数引受契約の締結を行いますが、募集株式が譲渡制限のある株式の場合は、契約締結に先立って契約の承認を受けることが必要です。取締役会設置会社の場合は取締役会の承認を、取締役会非設置会社の場合は株主総会の承認を得たうえで、総数引受契約を締結します。

 

払込み

総数引受契約を締結したら、引受人が出資金の払込みを行います。株主総会で決定した払込期日までに、払込金額を払い込むことで、払込期日から引受人が新株の株主となります。

なお、総数引受契約の締結前に払込みを行った場合、登記が通らなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。

 

登記

払込期日から2週間以内に登記申請を行います。登録免許税として、増加する資本金の額に1000分の7を乗じた額(最低3万円)が必要です。また、登記にあたっては、株主総会の議事録や株式引受契約書、払込みがあったことを証する書面等が必要です。登記申請手続きに不安がある場合は、必要に応じて司法書士等の専門家に相談するとよいでしょう。

 

 

まとめ

成長著しいベンチャー企業等の場合、増資を行う機会が多くなることが予想されます。増資の方法や手続きについてあらかじめ理解しておくことで、スムーズに増資手続きを進めるようにしましょう。

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