企業年金制度

用語説明

従業者が高齢期により豊かな老後生活を送るため、公的年金の上乗せの給付を保障する私的年金制度。基礎年金・被用者年金・企業年金と3段階ある年金制度のうちの一つであり、いわゆる3階部分。

 

解説

現在の企業年金には、「厚生年金基金」「確定給付企業年金」「確定拠出年金」の3種類があります。

 

厚生年金基金

厚生年金基金は、国に代わって厚生年金の給付の一部を代行して行う(代行給付)とともに、企業の実情などに応じて独自の上乗せ給付を行うことができる制度です。

企業や業界団体等が厚生労働大臣の認可を受けて設立する法人である厚生年金基金が、年金資産を管理・運用して年金給付を行います。

 

確定給付企業年金

確定給付企業年金は、加入した期間などに基づいてあらかじめ給付額が定められている年金制度です。労使の合意で比較的柔軟な制度設計が可能であり、受給権が保護されているなどの長所がある一方、運用の低迷などで必要な積立水準が不足した場合は、企業などが追加拠出をしなければなりません。

確定給付企業年金には以下の2種類があります。

 

  • 規約型確定給付企業年金

実施主体は、確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所の事業主です。労使が合意した年金規約に基づき、企業と信託会社・生命保険会社などが契約を結び、母体企業の外で年金資金を管理・運用し、年金給付を行います。

 

  • 基金型確定給付企業年金

実施主体は、企業年金基金です。母体企業とは別の法人格を持った企業年金基金を設立し、企業年金基金で年金資金を管理・運用し、年金給付を行います。

 

確定拠出年金

確定拠出年金は、拠出した掛金が加入者ごとに区分され、その掛金額と運用収益との合計額を基に給付額を決定する年金制度です。加入者自らが運用を行い、高齢期の生活設計を立てる必要があります。

確定拠出年金は、確定給付型の企業年金を行うことが難しい中小企業の従業員や自営業者などのニーズに応え、離職・転職にも対応しやすくなることから、年々その規模を拡大しています。

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