【月刊総務監修】会社を成功に導く、ケンカできる総務になるためには

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公開日:2016.5.18

【月刊総務監修】会社を成功に導く、ケンカできる総務になるためには

 

「面倒だ。時間がない。」経営側から提案されたプランを現場で説明する際、こんな反応を受けてプランを引っ込めてしまった、もしくは「経営側からの指示だから仕方ない」などと逃げをうってしまった。そんな経験をしたことがある総務部の方は多いのではないでしょうか。

しかし総務部は会社のことをよく知っている部門の1つです。会社を背負う覚悟で、時には現場とケンカすることがあってもいいのではないでしょうか? 「ケンカのできる総務」とは、会社の成功のためならば、現場と対等に議論をしたり現場を説得したりできる総務のこと。

今回は「声の大きな現場」にしり込みし、悔しい思いをしたことのある総務部の皆さんに向けて、「ケンカできる総務」になるためにはどうしたらよいのか、そのノウハウをご紹介します。

なぜ現場が反発するのかを理解する

現場と対等に議論し、お互い合意の上でプランを進めていくためには、提案する際に現場がどう感じるのかを理解することが重要です。「経営が言っているから」と押し通そうとするだけでは、現場の理解を得ることができず、せっかくのプランが無駄になってしまいます。

では、なぜ現場は反発するのでしょうか。主な理由は2つあります。1つは、何が起こるかわからない新たなプランを実行するより、従来どおりにやっていた方が安心だからということ。そして何よりも大きいのは、ただでさえ忙しいのに手間がかかりそうなのが嫌だということです。

現場の人は、プランを理解する手間、新たな対応方法を身に付ける手間などに、ストレスを感じるのです。プランを提案する際には、現場の人に不安を与えているということ、手間をかけるということを理解したうえで、伝え方を工夫しなければなりません。

また、最も反発が強まるケースは、導入する現場にとってのメリットが見えにくい場合です。こういったプランの場合、現場目線では導入の目的やメリットがわかりにくいため注意が必要です。会社全体にとってよいことである、という旨を丁寧に伝え、説得ではなく、理解してもらう必要があります。

導入するプランの効果を自分が信じ切る

提案に反発する現場を納得させるためにはどうしたらよいのでしょうか。必要なのは、現場との共通認識。プランを導入することによってどんなメリットがあるのかを現場に熱意をもって説明し、現場に「手間はかかるけどやってみる価値はありそうだ」と思わせる必要があります。

プランの目的を正確に理解し、その効果を信じ切らなければ、嫌だと思っている人達を巻き込むような説明はできません。迷いがある状態では、現場から何か突っ込まれたときにしり込みしてしまい、現場を納得させることはできないでしょう。「これは会社のためだ、ひいては社員のためである」ということを本気で思っていなければ熱意は伝わりません。 

プランの効果について確証が持てないこともあります。そんなときには、まず協力してくれる部門を見つけ、試験的に導入し実績をつくることがおすすめです。実績を作り、プランによる効果を自分が信じ切ることができれば、現場を巻き込む説明は容易になります。

「言っていることは分かるけど、それを実現させるための前作業が大変だ」「本当に実現できるのか」こういった声に対して、自分自身がプランの効果を信じ切る必要があるのです。

経営者の視点に立つ

プランの目的や効果を正確に理解するためには、普段から会社全体にとって何がよいのかを考えること、つまり総務部門が経営者の目線に立って物事を考えることが求められます。

企業経営をシンプルに捉えると、実は3つのプロセスに集約することができます。経営者はそのプロセスに沿って経営を実践していますが、その3つとは①あるべき姿を描くこと、②そこに到達するためのロードマップを描くこと」、そして③社員を導くことです。

総務部の担当者として経営者の視点で物事を考えることを目指す場合、①②のことを常に頭に留めておくことが必要です。あらゆる事柄について、あるべき姿を描くことを、まず始めていきましょう。 

とはいえ、自社の取り組みや未来像について即座に「あるべき姿」をイメージすることは難しいでしょう。その力を身に付けるためには、事柄について要素に分解し、それぞれのあるべき姿を描き、それを統合するということを考える練習が必要になるのです。 

例えば、まず自社のビジョンやミッションを思い浮かべます。ミッションを遂行するためには、会社としては何をすべきかを考えてみます。そしてどういったプロセスが必要になるか分解してみます。次に、分解を繰り返して出てきたプロセスの、一番効率的なやり方は何か考えてみます。その後、それらのプロセスがほかの業務プロセスときちんと連動して動くか、実現した場合、本当に会社のミッションが実現できるのかを考えてみるといった流れです。

こういった練習を日々していくことにより、経営者の視点で物事を考えられるようになり、現場を主導できるような考えをもつことができるようになります。

まとめ

総務部が業務改善の施策をどんどん現場に導入することができれば、会社の業績に好影響を与えることができます。総務部門はコストセンターだという悪評を覆すことも可能でしょう。現場の圧力に負けずに、現場とケンカできる総務を目指していきませんか?

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監修:豊田 健一(『月刊総務』編集長)

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