ホワイト500の認定基準とは?認定企業、ソネット・メディア・ネットワークス社へ突撃取材!

カテゴリ:インタビュー 投稿日: 2019.5.17 tag: , , ,

高齢化による労働人口の減少が問題となっている昨今では、ながらく定年とされていた60歳以降も、多くの人が働き続けなければなりません。従業員が長く働き続けるためには、労働環境を整える「働き方改革」を行っていくことが必要です。従業員の健康および労働生産性を向上する健康経営は、社会のインフラとして必要な施策と言えるでしょう。
さらに、健康経営は優秀な人材を集めるために行う企業のブランディング戦略としても重要となります。
今回は、「社員ひとり一人の健康は、社員ひとり一人のシアワセに大きく寄与し、結果として企業の生産性向上を実現する」という健康経営宣言のもと、健康施策を実施しているソネット・メディア・ネットワークス株式会社の松本様にお話を伺いました。健康経営優良法人2019に認定され、健康経営施策を推奨している企業に与えられる「ホワイト500」を取得しているソネット・メディア・ネットワークス株式会社の取り組みについてご紹介します。

ホワイト500とは? 概要とメリットを簡潔に紹介!

ホワイト500とは

地域の健康課題への取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、優良な健康経営をしている法人を認定する制度として、健康経営優良法人認定制度があります。
この制度により認定された企業は優良法人として「見える化」され、健康経営優良企業として社会的評価を得ることができます。また、認定に向けて取り組む過程で従業員の働きがいを高められたり、地方自治体からのインセンティブを受けられたりするなど、メリットは様々です。
「ホワイト500」は健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門の愛称で、2020年までに500社を認定しようと目標が立てられていることから、この名前がつけられています。

ホワイト500を取得するメリットとは

ホワイト500を取得するメリットには、ホワイト500を取得する過程で従業員の健康を維持できることや、ホワイト企業と証明されることによる外部評価の向上、ホワイト500認定企業が受けられる優遇措置の3種類があります。

  • 従業員の健康を維持できる
    ホワイト500を取得する過程で健康経営を促進することは、従業員の健康を維持し、生産性を向上することにつながります。さらに、ワークライフバランスの向上も期待できるため、働きがいを高めることにも貢献します。
  • 企業イメージを高められる
    ホワイト500に認定されると、経済産業省のHPに社名が公表されたり、専用のロゴマークを使用可能になったりします。すると、企業は労働環境の優れた「ホワイト企業」であると評価されるようになるため、取引先からの信頼向上や採用力の強化が期待できます。
  • 優遇措置を受けられる
    健康経営を推進する企業に対して融資優遇や補助金制度を実施している自治体や金融機関があるため、これらの恩恵を受けることができます。

 

ソネット・メディア・ネットワークス株式会社の取り組みにクローズアップ

ソネット・メディア・ネットワークス株式会社は、「個人の健康は、個人の人生におけるシアワセにも大きく寄与し、その結果として、組織のシアワセと健康経営が実現される」をモットーに、健康経営施策を実践しており、ホワイト500や健康経営優良法人認定を受けています。
施策は、【カラダ】【ココロ】【ショク】【カンキョウ】の4つの観点に分かれており、野菜販売付き食育セミナーや医師相談サービス、オフィス内で実施できるマッサージなどを行っています。今回はその中から、【ショク】についての施策である野菜販売付き食育セミナーを取材してきました。

野菜販売付き食育セミナー

野菜販売付き食育セミナーでは、資格を保持する野菜ソムリエが食育講座を開き、その後野菜の販売会を行います。
今回、取材した際の食育セミナーでは「アスパラガス」をテーマにした講座が開かれていました。食育セミナーの人気度は高く、講座が始まる30分ほど前から人が集まり始め、25人ほどの受講者で賑わっていました。受講者は役員クラスから新入社員まで多岐にわたり、講師が紙芝居を用いながら和気あいあいとした雰囲気で取り進められます。

食育セミナーは、クイズ形式でアスパラガスの豆知識を解説するところから始まりました。美味しいアスパラガスの見分け方やアスパラの別名、調理の仕方などを受講者に参加してもらいながら解説していて、前のめりになりながら聞く人も見られました。
こうした講座を開催することで、従業員に食の意識を高めることができ、健康の維持につながります。

アスパラガスの豆知識についての解説が終わると、実演販売に移ります。食育セミナーの会場には数種類の野菜売り場が作られており、講師が並んである野菜の説明をしていきます。陳列された野菜の産地や栽培した農家、美味しく食べるための調理方法、保存方法などを紹介し、販売を促進します。
野菜はすべて50円と安価で購入できることが人気の理由の一つです。1人につき2袋までの購入が認められていて、多くの人が購入の列に並んでいました。
食育セミナーの開始から販売終了までにかかる時間は30分ほどで、お昼休みの間にさっと開催できます。そのため、参加への敷居が低く、幅広い層が集まります。

担当者に聞く、健康経営の効果とは

--ホワイト500を取得しようと思ったきっかけや背景を教えていただけますか。

通常の会社では、離職者が多いことや超過労働が横行していることで、社員の健康について手を打たないといけないという課題感が生まれ、健康経営に乗り出しています。
しかし当社の取り組みは、2017年5月に起きたニュースによって、広告業界における「労働環境」のブランディングが難しくなったことがきっかけとなっています。当時は広告業界というだけでブラック企業に近いイメージを受ける可能性があったため、「超優秀人材」の獲得を目指す中で、他企業との差別化を図ろうと健康経営をスタートしました。

--そうした取り組みの中で、食育セミナーのような【ショク】の部分はいつ頃から始められたのでしょうか。

【ショク】を開始したのは2017年の夏ごろです。【カラダ】【ココロ】【ショク】【カンキョウ】の4つの観点の中でも、一番始めにスタートした施策でした。
【ショク】から開始したのは、特別な理由があるわけではなく、当初は何もわからない状況からのスタートでした。そもそも当時は、体系立てて健康経営に取り組んでいる企業はほとんどなく、省庁のHPを見たり、健康経営を実施しているわずかな企業にアポを取って話を聞きに行ったり、健康経営銘柄を取得した企業に所属する友人に話を聞いたりしていました。

--食育セミナーを開くことでどのような効果を期待しているのでしょうか。

会社が社員に対してこのようなアプローチをしているのだと、関心を持ってもらうことです。社内でこのようなイベントを開いている行為自体が社員の目や耳に入り、社員一人ひとりの健康への意識づけにつながるのではないかと考えています。
また、実際にイベントを開催してみると、コミュニケーションが活発化されることが分かりました。会話が増えることでストレスが緩和されるという、副次的な効果もあるのだと思います。【ショク】に関する施策ですが、【ココロ】の施策にもつながるのです。

--食育セミナー以外で、注力している施策や評判のいい施策は何かありますか。

【カラダ】の施策でいうと、オフィス内で業務時間内に実施できるマッサージがあります。健康経営というよりも、福利厚生の一環としてニーズがあったため実施しました。
会社の近くにあるジム利用のニーズも高かったため、福利厚生制度で3大フィットネスジムを利用できるのにもかかわらず、それらに含まれない会社近くのジムを法人契約しました。

--社員からの声の吸い上げはどういった形で行われているのでしょうか。

当社では、年一回アンケートを実施することで健康課題やニーズを吸い上げるようにしています。【カラダ】【ココロ】【ショク】のなかで一番投資したいのはどれかアンケートを取ったところ、【ココロ】であるとの結果が出たことにより、マインドフルネス研修の実施を決断しました。

--他に現在注力している取り組みや今後行っていきたいことがあれば教えてください。

これまではとにかく様々な施策をやり続け、ダメだったら止める、を繰り返してきました。そうした過程で、健康への関心層は施策に乗ってきてくれるようになりました。
今後は、無関心層に関心を持たせるために何ができるかなと考えています。無関心層に対しては、押しつけではなく自然と関心を持たせることが最も重要です。具体的には、健康ポイントのようなものを社内で導入しようと考えています。健康ポイントを貯めると景品と交換できるようなシステムを設計することで、無関心層が健康についての意識を高めてくれれば良いと思っています。

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ホワイト500認定企業になるまでの道のり

--ホワイト500に向けた準備にはどの程度の時間を要しましたか。

ホワイト500をミッションとして掲げたのは、2017年の夏に施策を始めた時でした。しかし、あくまでも目的はホワイト500の取得ではありません。日本という超高齢社会では、健康経営は必ず取り組むべき課題です。そうした意味では、ホワイト500取得によるブランディングよりも、「この会社に入れば20年、30年のスパンで健康で幸せに仕事していける」といったことを実現させたいと思います。

--経営理念、組織体制、制度・施策、評価・改善、法令遵守リスクマネジメントという大きく5つの評価ポイントがあったかと思います。どのようなところに意識を置いて取り組まれましたか。

特に制度・施策の部分に注力しました。制度・施策は定性的に文章を書かなければならないので、そもそも色々な施策を行っていないと内容を書くことができない仕様になっています。積極的に施策を行っていないと書けない項目なので、かなり意識しました。
組織体制については、チーフヘルスケア室やグッドコンディション推進室などを部署内に持っている会社もありますが、当社は総務の中で施策を回せる会社規模なので、そうした体制は採りませんでした。しかし、役割としてCHO(チーフハピネスオフィサー)を配置して、企業文化の改善を社内・社外に向けてアピールするようにしました。

--数十人規模の会社でも健康経営を取り組みたい場合、どのようなことを行うべきでしょうか。

数十人規模の会社の成長性は「人」によって決まります。トップダウンの体制だと思うので、会社のトップが「優秀な人材が欲しいから健康や幸せを意識した経営をしよう」と宣言し、理念や目標を明らかにすることが重要だと思います。

--健康経営にかけるコストは年間でどれほどになるのでしょうか。

前年度は数百万円の規模で、当たる施策がないか模索しながら検証していました。今年からは、予算が一定の中で、利用率を高めることに注力した最適化フェーズに入っていっています。

まとめ

健康経営では、社員の健康管理を企業が行うことで、社員が健康で幸せに働き続けられる環境の整備や、労働生産性の向上につなげることができます。
さらに、健康経営の施策を進めていく過程で、ブランディングの強化やコミュニケーションの活発化などの副次的な効果も得られるため、ぜひ健康経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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