名称で判断して、計算の基礎から除外していませんか?!
労働基準法では、法定時間を超えて労働させた場合もしくは、法定休日に労働させた場合には、通常の賃金計算に対してある一定の率で割り増した賃金を支払わなければならないことになっています。
割増賃金の計算においてその基礎には、すべての賃金を含めなければなりませんが、除外できる手当があります。
割増賃金の計算式
月給者の場合、時間外労働の賃金は次のように計算します。
- 1時間あたりの単価=【基本給+諸手当】/月間所定労働日数
- 割増賃金=1時間あたりの単価×時間外労働時間数または休日労働時間数×1.25(時間外労働の場合)
残業単価の計算の基礎から除外できる手当
原則は、基本給とすべての手当を計算の基礎に含めなければなりませんが、次の7種類の手当については、計算の基礎から除外できます。
- 通勤手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 家族手当
- 臨時に支払われた賃金
- 1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金
注意が必要な項目
除外できる手当であるということで、名称のみで判断し、除外して給与計算を行うことはリスクが伴います。特に「住宅手当」「家族手当」は、内容の吟味が必要です。
住宅手当
下記の例のように、住宅に要する費用に応じて算定されたものは除外対象となります。
- 賃貸住宅の場合 → 毎月負担の家賃額の○%など
- 持ち家の場合
毎月の負担額 | 手 当 |
---|---|
~5万円 | 2万円 |
5万円〜10万円 | 3万円 |
一律○○円、自宅○円・貸家○円などの住宅手当は残業単価の基礎から除外できません。割増賃金の基礎に含めていない場合は、未払い賃金となります!!!
家族手当
下記の例のように家族の人数に応じて支給されている場合は除外対象となります。
- 配偶者○円、子ども一人につき○円など
単身者○円、世帯主○円のような家族手当、扶養家族3人まで○円、4人以上○円のような家族手当は残業単価の基礎から控除できません。割増賃金の基礎に含めていない場合は、未払い賃金となります!!!